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子どもの睡眠障害の特徴と対処法
子どもの睡眠
ぐっすり眠れていますか?
十分な時間、眠らないと、日常生活の上で、様々な問題が起きます。
- 朝起きれない
- 昼間の集中力が続かない
- 居眠りが多い
深夜までの受験勉強、夜遅くの通塾、朝早くからの学校の部活動、友人関係のストレス、スマホを使う習慣など、さざまざな要因が、子どもの眠りに影響しています。
成人において、睡眠障害は生活習慣病、こころの病気にかかりやすいことが分かっています。一方、小児期では「眠りの病気」が、成長と発達に影響します。そのため、早期の治療を要します。
このページでは、子どもの睡眠で困っている養育者のために、知っておきたいポイントを説明します。
チェックすべき症状
病院に相談すべき症状として、下記があります。子どもは自分から悩みを訴えないことが殆どです。ゆえに、養育者が睡眠障害を疑う症状を持っているか、確かめることが大切です。
- 昼間、ウトウトすることが多い(居眠り)
- 朝、起きられない(機嫌が悪い)
- 疲れがとれない
- 大きなイビキをかいている
- 眠っているときに異常行動がある
よくある原因
幼児から大学生まで、子どもの年齢の幅があります。実際には、一つの原因ではなく、複数の原因が関係していることが少なくありません。
外来では、医師が症状の経過の聞き取り、検査をして、なぜ睡眠障害になったかを調べていきます。
- 睡眠時間が不足している
- 寝る時間と起きる時間が一定ではない
- 夜遅くまでスマホ・ゲームをしている
- ストレス(学校、受験、家庭内など)
- 耳鼻科の病気(口蓋扁桃肥大、鼻炎)
- 発達障害の影響
睡眠時間について
年齢によって、必要な睡眠時間が異なります。
夜遅くまで、SNS、動画、ゲームをしていませんか。睡眠リズム障害を引き起こす危険があります。
問題となる症状、診断の方法について。
睡眠不足による集中力の低下、起床困難がある子どもの場合、ヤングケアラーの可能性もあるので、生活歴について詳細な問診が必要です。
性自認と性的指向のことで悩んでいる思春期の世代がいます。LGBTであることをカミングアウトできず悩んで睡眠に影響している場合もあります。家族のサポートが得られない状況も関係しています。
5.むずむず脚
寝る前に脚がむずむずする、じっとしていられない、足を動かしたくなる症状が特徴的です。一方、運動すると症状が軽減します。鉄不足の関与が指摘されています。
ダウン症ではどんな睡眠障害が多いですか?
睡眠時無呼吸症候群を合併しやすいことが分かっています。
起立性調節障害はどんな睡眠障害を発症させますか?
睡眠相後退型の睡眠リズム障害が合併しやすく、朝起きられない症状が問題になります。
小学生になっても、おねしょが続き目が覚めます。どんな病気が考えられますか?
睡眠時遺尿症の可能性があります。
発達障害があると、どんな睡眠の問題が起きますか?
自閉症スペクトラム障害および注意欠陥多動性障害では、約半数に入眠困難、中途覚醒、昼間の眠気などが生じます。
幼児ではどんな病気がありますか?
頭または体幹を一定のリズムで揺らしたり回転させる症状を呈する睡眠関連律動性運動障害、寝ぼけの症状として知られている錯乱性覚醒などがあります。
10代の学生の不眠の理由として多いものは、何ですか?
人間関係の悩み、勉強、成績に関する不安によって、不眠になる中高生が多いです。その一方、いじめを受けており、誰にも相談できずに悩んでいるケースもあります。
子どもの睡眠不足と睡眠障害の影響
眠る時間が十分でない、リズムが崩れている、質の悪い眠りが続くと、学校、課外活動のパフォーマンスが低下します。
特に、眠気があると成績の低下、頭が働かない状況になります。その一方、起床困難があると、不登校、留年の問題にもなります。長期欠席が続くと、退学せざるを得ない状況となる場合もあります。
体の発育、精神面の安定に良い眠りが必要です。睡眠障害を治療せずにいると、心身の発達にも影響します。深い眠りが十分にとれていないと、成長ホルモンの分泌が低下します。
成人の睡眠障害の症状とは異なり、典型的ではないことがあります。特に小学生以下の子供の場合、眠気があると、落ち着きがない、情緒不安定、多動などの症状が出ることがあります。
何科を受診したら良いか
眠れない、眠い、朝起きれらないなどの症状があって、病院を受診しようと思っても、どの診療科に相談すれば良いか悩んでいる声をよく聞きます。
いびき関係なら耳鼻科、不眠、ストレスに関係するものなら精神科、全般的なことなら小児科など、大まかに目安があります。
治療までの流れ
まずは、困っている症状、病院を受診するまでの経過を聞き取りします。そして、睡眠時間、リズムなどを評価します。睡眠日誌を活用することが多いです。
睡眠呼吸障害が疑われるときは、睡眠の質、いびき呼吸の程度を評価するために、終夜睡眠ポリグラフ検査を行います。一方、過眠症の場合には、反復睡眠潜時検査を施行します。
診断が確定することで、適切な治療法を提案します。生活指導、薬による治療、耳鼻科手術など、診断内容によって、治療法も異なります。
子どもが眠れない場合は、生活指導を行います。成人に用いられるような睡眠導入剤は、小児の不眠に対する保険適用がありません。代替手段として、眠りを助ける漢方薬を活用することがあります。かかりつけ医に相談してみましょう。
あなたの不安を解消します
子どもの睡眠障害で困っている方へ。
気軽に相談できる窓口です。
- 成長と発達に影響がないか心配です
- 学校で集中できない、成績が落ちている
- 精神的に不安定にならないか不安です
- 不登校が続いており進級が難しい
- 眠気があるので運動中の怪我が気がかりです
睡眠の専門医に、子どもの睡眠のことで抱えている悩みを話し合うことができます。一人で悩まず、専門家の意見を聞くことで、解決までの時間が早いメリットがあります。