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ナルコレプシーを治療したい方へ
ナルコレプシーとは
ナルコレプシー(Narcolepsy)は、過眠症の代表的な疾患の一つです。
「居眠り病」とも呼ばれる慢性の睡眠障害で、日中に突然、耐え難い激しい眠気が出現する病気です。
10代の頃より発症することが多く、眠気のため、学校、職場において、居眠りをしてしまい、社会生活に支障が出ることが問題となっています。
ナルコレプシーの原因
昼間の覚醒を維持するのに必要な脳内の神経伝達物質オレキシンの働きが低下しているため、眠気を生じると考えられています。ナルコレプシー 患者では、髄液中のオレキシン濃度が低下していることが分かっています。
ナルコレプシーの症状について
思春期から発症する、昼間の眠気が主な症状です。急に眠くなるという問題があるので、学校生活で苦労している印象です。
短時間の睡眠(昼寝)で、一時的に眠気は解消しますが、しばらくすると、眠気が繰り返し起きます。
代表的なナルコレプシーの症状として、以下があります。
- 日中の眠気、突然の居眠り(睡眠発作)
- 感情の変化により、体の一部に脱力感が起こる(情動脱力発作)
- 眠っているときに金縛りの症状がある(睡眠麻痺)
- 寝入りばなに幻覚症状がある(入眠時幻覚)
情動脱力発作は、笑ったり、怒ったりしたときに生じるものです、ところで、ナルコレプシーの方は、居眠り中に鮮明な夢を見ることがあります。一方、夜中に熟睡することができず、浅い眠りを自覚する方もいます。
特発性過眠症
眠気が問題となる睡眠の病気です。長時間の睡眠傾向がある場合に考えます。
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病気の理解を深めるための問答集です。
診断について
ナルコレプシーの診断は自覚症状の評価と睡眠検査により確定されます。
他の眠気の原因(睡眠不足、睡眠呼吸障害、薬剤性など)を除外することが、病院において外来診察と睡眠検査のデータをもとに行われます。発達障害による眠気があるかも鑑別します。
終夜睡眠ポリグラフ検査を施行した翌日に睡眠潜時反復検査(MSLT)を施行し、客観的な眠気の程度、レム睡眠の出現の有無を評価します(1泊2日の検査入院)。
ナルコレプシー患者の場合、眠りにつくのが健常人よりに早く(入眠潜時の減少)、入眠時にレム睡眠が観察されることがあります。一般的には、平均睡眠潜時が8分以内かつ2回以上の入眠時のレム睡眠の出現が基準として用いられます。
治療について
眠気に対する対症療法を行います。覚醒を促す薬を用いることで、昼間の眠気が起きないように対処します。外来では、モディオダール、リタリン、ベタナミンなどの中枢神経刺激薬を処方します。
治験中の薬はありますか?
2022年11月から、ヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬pitolisantの国内第3相臨床試験が始まっています。モダフィニルとは作用機序が異なる中枢神経刺激薬です。
出典:アキュリスファーマ
入眠時幻覚、情動脱力発作、睡眠麻痺に対しては、三環系の抗うつ薬の使用を検討します。
睡眠時間を十分にとること、睡眠リズムを一定に保つことが大切です。その他、日中の眠気を緩和するために計画的に昼寝をすることも勧めています。