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モディオダール【治療薬の特徴と処方の注意点】
モディオダールとは
モディオダールは、中枢神経系で覚醒を促す作用のある薬です。日中の過度の眠気を治療するために用いられています。薬の成分は、モダフィニルです。
どんな病気に使うことができるか
国内では、ナルコレプシーあるいは特発性過眠症に伴う日中の過度の眠気を治療するために用いられています。
閉塞性睡眠時無呼吸に対してCPAP治療を行っている人で、過度の眠気が残存している場合にも保険適用があります。
出典:医薬品医療機器総合機構
ADHDによる過度の眠気に処方されることはありますか?
発達障害の眠気に対して、モディオダールの保険適用はありません。
効果について
薬が脳に働きかけることで、集中力が増して、日中の過度の眠気を減らすことができます。
出典:Modafinil for the treatment of narcolepsy – QVH NHS Foundation Trust
薬を飲んでも効かないとき
はじめに、睡眠衛生の徹底を行います。睡眠不足、生活リズムの乱れがあれば、是正してください。アルコールを飲む、夕方から就寝前にかけてカフェインを摂取する、喫煙の習慣があるときは、見直しが必要です。
生活習慣を改善しても、モディオダールによって眠気がコントロールできないときは、他の中枢神経刺激薬の追加を考えます。
副作用について
頭痛、動悸、口渇がよくある副作用の症状です。皮膚の症状として、肌荒れ、痒みを訴える方もいます。注意したいのは、薬を飲むことで、不安、うつ症状、体重減少が出現する場合があります。
普段と違う症状が出現したときは、担当医の指示に従ってください。
医師は、薬の依存性に注意しながら、外来で管理していきます。
実際に筆者がナルコレプシーの人に対して処方した経験では、副作用として、頭痛を訴えた場合が最も多い印象です。
薬価について
モディオダール錠100mgの価格は、331.7円です。健康保険を用いて3割負担であると、1錠当たり、100円程度かかります。
出典:KEGG
薬価が高いので、自己負担分が多いので困っています。ジェネリック医薬品はありませんか?
モディオダールの後発品は発売されていません。
処方について
2021年4月からは、モディオダール適正使用委員会に登録された医療機関において、ナルコレプシー、特発性過眠症、閉塞性睡眠時無呼吸のCPAP治療後に残存する過度の眠気の治療が必要と判断される必要があります。
新規のモディオダール処方を受けるためには、日本睡眠学会専門医療機関(A型)で確定診断を行う医師の診察とMSLTによる評価を受けることが必須になります。A型に準ずる施設の確定診断医師も、診断することができます。
登録医療機関において、その委員会の審査に通った登録医師(確定診断医師I)が、薬を処方することができます。日本睡眠学会専門医の資格があることが条件となっています。
あるいは、登録医療機関に勤務している医師の中で、睡眠障害の診療に従事している専門医制度を有する学会の専門医(確定診断医師II)も処方できます。
確定診断後の治療・処方を行う医師の場合は、確定診断を行った医師と連携することで、モディオダールを処方することができます。
取り扱い薬局については、処方する医師に尋ねることを勧めます。