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中学生に多い不眠の原因(女子と男子の特徴)
中学生が眠れないとき
中学校に進学してから、生活、勉強面での変化があり、成長期を迎える時期になります。中学生になってから、寝れないときが増えたという子どもがいます。
一般的には、翌日にイベント(試験、学校の行事、部活の試合など)があり、緊張して眠れなかったという経験はよくあります。友達関係のこと、クラスの人間関係など、何かを考えてしまい、寝たいのに寝れない学生もいます。
昼寝のしすぎ、夜更かしなど、生活習慣の問題であれば是正すれば解決します。一方、中学生の世代が抱えることが多いストレスによって、寝れない状況が続く場合がいます。
中学生が抱えていることが多い不眠の理由と対処法について、紹介します。
原因について
不眠の治療を求めて睡眠外来に相談に来た中学生と養育者の聞き取りでは、人間関係と勉強面の悩みが多い印象です。
一般的に、小学校よりも中学校では学区が広くなるので、顔見知りではない同級生との交流が出てきます。校内の行事のときに、他の学年との関わりも増えます。さらに、部活動が必須の中学校が多く、先輩と後輩の上下関係に慣れないという悩みも多くなります。
内閣府が子どもの意識に関する統計を発表しています。その報告によれば、社会生活や日常生活を円滑に送ることができなかった経験をした理由として、人付き合いが苦手であることが最も多い割合でした。全体の41.7%を占めていました。
対人関係が苦手であると、ストレスを受ける回数が増えます。そして、嫌な人のことが頭から離れず、眠れないまま朝を迎える事態になることがあります。
小学校と中学校は同じ義務教育ですが、中学校になると学習内容が濃くなり、科目別に先生が授業を行います。そして、試験が定期的に行われ、成績が進路に大きく影響します。特に、中学生では、高校進学のときに重要視される内申点で悩むことが多いです。
学校の成績と進路に対する不安を抱えている中学生は、少なくありません。
厚生労働省が行った統計調査によれば、中学生1年生と3年生では、進路に関する悩みや不安を抱えている割合が最も多いでした。その次に多い悩みは、学校や塾の成績に関することでした。
中学3年生になると、男女とも、進路、成績の悩みが増加することが明らかになりました。女子の中学生では、男子と比較すると、自分の容姿に関する悩みが多いという特徴があります。
出典:第15回21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)- 厚生労働省
自分の将来に関わることなので、不安な気持ちになることは当然です。そして、学業の成績が進路の決定に影響するので、中学生にとって大きな心配事になっていると考えられます。中学3年生になると受験が近づいており、より大きなストレスを抱えている可能性があります。
友達関係の悩み、学校の成績と進路に関する不安などが、眠れない理由として多い印象です。勉強面では、高校受験の合否を左右する内申点の悩みを抱えているようです。
思春期の世代であるので、恋愛関係、性の悩みで眠れない夜を過ごしている事例もあります。LGBTかもしれないと思って、誰にも相談できずにつらい思いをしている子どもいます。
その一方、いじめ問題によって、寝れない夜を過ごしている体験談もあります。筆者は、学校生活において度重なるストレスを受けて、睡眠の質が低下する事例を経験したことがあります。
眠れない症状について
1.寝つきが悪い
ベッドに入っても眠くならず、布団の中で30分以上起きている状態です。症状が重いと、午前0時を過ぎても目が覚めている状況が続きます。明け方になって、気づかないうちに眠る場合もあります。
寝ようとしない行動をしている子どもがいます。寝る時間になっても寝室に行かない、ベッドに入ったままスマホを操作している行為です。
2.途中で目が覚める
眠りに入ってから、しばらく経過すると目が覚めてしまい、再び寝入ることができない状態です。明け方に起きてしまう場合は、早朝覚醒と呼ばれることがあります。
基本的に、成長期を迎えている子どもでは、朝まで目が覚めることはありません。
早く寝なければという焦燥感があると、余計に眠れなくなります。特に、翌日に、自分にとって大切なイベントが予定されていると気分が高まり交感神経が亢進するので、寝つかれない状況になります。
眠れないストレスから、気晴らしにスマホをしたり、ゲームをしたり、睡眠リズムも夜型になる恐れがあります。
中学生が寝ないとどうなる?
眠れないまま朝になると、寝不足の状態で一日の活動が始まるので、頭がボーっとします。一日中、だるい感じがして、体調不良になります。さらに、自律神経のバランスが崩れるため、さまざまな身体症状が現れます。
授業中にウトウトすることが多くなり、集中力が続きません。記憶力も低下するので、勉強の内容が頭に入ってきません。その結果、学校の成績が落ちることが問題になります。
十分な睡眠時間が確保されていないと、日々の睡眠不足が借金のように積み重なり、睡眠負債が生じます。その結果、身体と精神の症状が現れる危険があります。
情緒不安定になる子どもがいます。些細なことで、苛立ちを見せたり、周りの人に当たり散らしたり、人間関係も悪化する危険があります。
子どもの中には、前日に充分に眠れていないので、朝起きられない問題が生じることがあります。起床困難による遅刻が多くなったり、学校に行きたくないという気持ちになります。
対処法について
ストレス、悩みに対する不安、翌日のイベントに対する緊張感などが、寝つきを悪くします。
その対策として、普段から自分がリラックスできるルーティンを行うことを提案します。読書、音楽、ストレッチなどがあります。ただし、激しい運動は避けるべきです。
良い睡眠リズムを保つために、朝は部屋のカーテンを開けて、朝日を浴びましょう。そして、朝ごはんを食べることも大切です。こららの行為は、体内時計を安定させるために役立ちます。
睡眠薬を不眠の治療のために、使うことはありますか?
基本的に、15歳未満に対して睡眠薬の処方をしていません。代替案として、不眠症に対して保険適用のある漢方薬を処方することがあります。