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スマホ依存は不眠の原因になります
スマホ依存症とは
スマートフォンを使うことに心を奪われ、止めたくても自分の力ではスマホから抜け出せなくなる状態のことを言います。
スマホ依存は、仕事中の集中力低下、学業への悪影響が生じます。スマホがないと落ち着かない、イライラするという精神依存が問題になります。
原因について
オンラインショッピング、趣味、オンラインゲームの目的を達成しようという欲求を満たしたいという気持ちからインターネットに没頭することがあります。
一方、対人、特定のグループとの関係を維持したい、そして、心理的に幸福感を得たいときに生じやすい傾向があります。対面ではないSNSという手軽な手段で、他人とつながりたい方が増えています。承認してもらいたい欲求が強いことが関与しています。
他人とのメッセージのやりとりの中で、すぐに返信しなければならないという強迫観念が依存性を引き起こすことも考えられています。
社会人では、リモートワークの最中に、つい手元に置いてある「スマホをいじってしまう」ことも問題になっています。自宅という環境のため、同僚、上司の目が届かないことも影響しています。
スマホ依存になる人の中には、発達障害をもっている場合があります。
自閉症の人は、特定の物事に強い興味とこだわりをもつことが特徴です。
興味の対象がスマートフォン、オンラインゲームになると、深夜までスマホを利用してしまいます。
症状の特徴について
私たちが眠っている時間以外において、スマホを手放せない状況が続くと、日常生活に支障が出ます。
- スマホが手元にあり、四六時中使っている
- 会話よりスマホでのやり取りのほうが楽しい
- スマホを操作して夜更かしすることが多い
- 1日に何度もSNS、メールをチェックする
- 長時間、夢中になって動画を視聴する
- 他人との会話中、食事中でもスマホを使う
- スマホが使えない環境であると不安を感じる
スマホ依存の影響について
身体への影響として、姿勢の悪化、肩こり、筋肉痛、ストレートネックなどが生じます。長時間の操作によって、手指の腱鞘炎による痛みを感じる人もいます。
長時間、画面を凝視することで、疲れ目、視力の低下、ブルーライトによる体内時計の変化が起きます。その結果、睡眠障害が発症します。
情報過多によるストレスによって、脳が疲労するため、記憶力と判断力の低下につながります。
分かってはいるけど、インターネットを止められないという苛立ち、焦燥感、情緒不安定、周囲とのコミュニケーションの低下が問題になります。
中学生、高校生では、学業成績の低下、不登校、留年などが生じます。一方、社会人では、不眠の影響のため、遅刻や欠勤が増えます。
睡眠障害を引き起こします
1.睡眠不足
スマホ依存症になった結果、夜遅い時間まで、友達とのSNSによるコミュニケーションをとったり、ゲームに時間を忘れて夢中になることから、睡眠時間の減少がみられます。その結果、疲労感の蓄積、昼間の眠気が問題になります。記憶力の低下も起きます。
寝不足が長期に続くと、睡眠負債が発症します。自分が症状に気づかないことがあるので、要注意です。
2.睡眠リズム障害
寝る前にスマホを使うことで、光刺激を受けます。その結果、体内時計を調節しているメラトニンの分泌が低下します。特に夜間帯にブルーライトを浴びると、影響が大きくなることが分かっています。
眠りを知らせるホルモンの低下は、寝つきが悪い、朝起きられない症状を引き起こします。昼夜逆転の生活になることも少なくありません。
不眠を訴えて睡眠外来に相談される方も多くなっています。
治療法について
大学病院の精神科では、専門外来を設けているところがあります。外来、そして、入院による管理があります。基本的には、こころの病気(うつ病、強迫性障害など)、発達障害がないか、評価を受けます。その後、心理カウンセリング、薬物治療が行われます。
睡眠障害については、外来で睡眠衛生の指導を中心に睡眠リズムを整えるための対処法(薬剤、光療法など)を検討します。
予防法について
スマホ依存から脳を守るには、ルールを決めてスマホを使うことが大切です。睡眠への影響もあるため、夜8時以降の使用をしない、日中も少しずつ使用時間を少なくすることを勧めます。
日頃の心がけとしては、トイレ、寝室、風呂へのスマホ持ち込みをしない、緊急性が高くない通知機能をオフにするなどがあります。
どうしても手に取って操作をしてしまう方は、タイマーで一定時間ロックできる箱の中に入れる方法もあります。スマホ依存の防止アプリを活用するのも、良いアイデアです。