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良い睡眠をとるためにどうすれば良いか
睡眠専門医が教える快眠のヒント
睡眠を改善するために注意すべきことは何ですか?
食事、運動習慣の見直し、朝と夕方の光刺激への対応、睡眠時間と生活リズム、寝室環境の整備、ストレスのコントロールなどに注意することが大切です。
自分でできる睡眠を改善する方法が知りたい方へ
最近、ぐっすり眠れないので、良い方法がないかという質問を受けることがあります。
病院で診察を受けて、医師から睡眠をしっかりとるように言われたけど、具体的にどうすれば良い眠りになるか分からない・・・。
そんな疑問に答えるため、睡眠専門医が、自分でできる良い睡眠をとるための生活習慣のヒントを解説します。一つずつでも良いので、今日から始めてみましょう。
睡眠時間を7時間とるようにする
成人の場合、日中の眠気がない、活動しているときに集中を保つことができる睡眠時間を探してください。個人差はありますが、年齢の上昇に伴い、必要となる睡眠時間は短くなります。
10代の子どもでは、8~10時間の睡眠が必要になります。
同じ時刻に起床するようにする
日曜日、祝日も、平日と同様のスケジュールで起床することが大切です。睡眠リズムを一定に保つ効果があります。就寝時間については、眠たくなってからベッドに行くようにしましょう。
規則正しい睡眠と覚醒リズムを維持することは良い習慣です。
出典:Adopt Good Sleep Habits – Harvard Medical School
昼寝のルール
長い昼寝の習慣は、夜眠れなくなる原因になります。昼寝は、午後3時まで、20~30分の時間としてください。夕方遅くに、ソファーで寝ることはありませんか。寝つきが悪くなので、見直すこと良いでしょう。
光刺激を意識して生活する
朝起きたら、カーテンを開けて、日光を取り入れてください。体内時計がリセットされるので、睡眠覚醒リズムの安定化に役立ちます。十分な照度がないときは、室内照明をつけて下さい。
夕方以降、特に就寝前は、光刺激を避けてください。室内照明を徐々に暗めにしていくと良いです。夕方以降に光刺激が強いと、夜間のメラトニンの分泌が減ります。その結果、入眠困難になります。
夜寝るときに、ベッドの中でスマホを見ることを中止してください。
規則的に運動する習慣を取り入れる
適度に体を動かすことは、睡眠の質にも良い影響があります。まずは、ウォーキングから始めてください。一日7000~10000歩くらいを目安に、週3~4回でも構いません。
就寝前に激しい運動をすることは、身体が興奮する状態になるので、避けて下さい。
食事に注意する
朝食を抜かずに、しっかりと摂取しましょう。体のリズムを整える働きがあります。
夕食については、就寝3時間前までに済ますことが大切です。夕食のボリュームが多いと、就寝中、胃腸に負担が生じるので、眠りが浅くなります。
眠りを妨げる嗜好品を中止する
カフェイン
コーヒー、紅茶、緑茶などの摂取を、就寝の4時間前までに中止してください。カフェインには、覚醒作用があるので、寝つきが悪くなる影響が出ます。
タバコ
喫煙者では、ニコチン濃度が高くなると、眠気が妨げられ、不眠の原因になります。さらに、あなたの眠りが浅くなります。受動喫煙も避けましょう。
アルコール
飲酒の習慣がある方は、入眠3時間前までに飲酒を終えることが大切です。アルコールは眠りの質に影響し、途中で目が覚める原因になります。
寝る前に自分に合ったリラックス方法を行う
ストレッチ、ヨガ、音楽、軽い読書、瞑想、アロマなどがあります。あなたに合っているものを探してみて、試してください。瞑想については、アプリを利用するのも良いアイデアです。
ストレスで悩んでいるときは、コーピングと呼ばれる対処法を行うことも有用です。
寝室環境を整備する
部屋の明るさ、温度、湿度、そして、音の対策はしていますか。良い睡眠をとるためには、環境を整備することも大切です。エアコンのタイマー機能を使って調節をお願いします。冬季は乾燥するので、加湿器の使用を考えましょう。
朝方に自然に光刺激を受けることは大切です。タイマー機能がついた調光できる照明器具を活用することも、睡眠覚醒リズムを整える上で良いアイデアです。
寝具、枕、マットレスなどのグッズ、光を遮蔽するためのカーテンなども検討しましょう。
どんなとき医師の診察を受けるべきか
睡眠についてセルフケアを行っても、自覚症状や悩みが改善しないときは、睡眠専門医に相談することを勧めます。
- 大きないびき、無呼吸がある
- 睡眠時間を長くしても眠気が強い
- 疲れがとれなくて、仕事のミスが多い
- 昼間の集中力が低下している
- うつ症状が出ている
- 激しい寝言と体が動く症状がある
- 足のぴくつき、寝る前に脚の不快感がある
- 睡眠の質に満足していない