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ストレスの原因と症状
ストレスとは
私たちが生活する上で、外部から心と体に過剰な負荷がかかって、緊張状態が生じる状態です。本人の性格、体質、ストレスへの捉え方の違いによって、心理的な反応、身体的な反応、そして、行動の変化が起こります。
ストレスが蓄積したときに、身体に症状が現れる状態は、心身症として知られています。自律神経のはらたきが不安定になるために発症します。
一方、精神への影響が大きいと、心の病気(うつ病、不安障害、適応障害など)になります。
原因について
突発的に起こるものを急性、持続して影響するものは慢性と呼んでいます。具体的な3つの要因(ストレッサー)について、解説します。こころの不調が起きるときは、きっかけとなる出来事や悩みが背景に潜んでいます。心当たりのあるストレスの要因はありませんか。
種類 | 具体的な事象 |
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環境的要因 | 天候(温度、気圧)、騒音、振動、照明、臭い、混雑、有害物質による空気汚染 |
身体的要因 | 病気、外傷、睡眠不足、不規則な生活、疲労 |
心理・社会的要因 | 人間関係、家庭内の問題、離婚、経済的事情、仕事の問題、転居、パンデミック |
ストレスの症状
ストレスを受けることで生じる症状や反応は、心理面、身体面、行動面の3つに分類されます。
種類 | 具体的な症状 |
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心理的反応 | 不安、イライラ、怒り、活気の低下、うつ(気分の落ち込み、興味がわかない)、楽しくない、やる気が出ない |
身体的反応 | 体の痛み(腰痛、頭痛)肩こり、目の疲れ、耳鳴り、めまい、動悸、息切れ、発熱、咳、胃痛、便秘、下痢、不眠、食欲低下など |
行動の変化 | 嗜好品の増加(アルコール、喫煙、カフェイン)、薬物依存、買物依存、過食、仕事のミス、引きこもり、不登校、出社拒否 |
学生、新入社員が大型連休後に新しい環境になじめないストレスが原因で発症する五月病と梅雨の時期に発症する六月病は、適応障害の症状と考えられています。夏休み明けの環境の変化に伴う体調不良と抑うつ症状は、九月病と呼ばれています。
最近では、ストレスから逃れるために、ネット依存(スマホ・ゲーム)が増えていることが、深刻な問題になっています。
本人にとって強いストレスを受けて、こころと体の症状および行動異常が出現し日常生活に支障をきたすと、適応障害と診断されます。症状の一つとして、頭が働かない感覚を経験するかもしれません。具体的には、集中が続かなくなったり、考えがまとまりにくくなったり、物事を覚えるのが難しくなったりします。
睡眠への影響について
ストレスがあると、眠っているときに、緊張状態が続き、交感神経が刺激されます。その結果、眠りが浅い状態になります。
人によっては、悪夢を見る回数が増えたり、そのときの精神状態が反映された嫌な夢ばかり見たり、睡眠に対してネガティブなイメージを持つようになります。
寝つきが悪い、途中で目が覚める症状など、不眠を訴えることも多いです。睡眠時間が短いことがあり、寝不足による日中の眠気、集中力の低下が出現します。眠いのに寝れない悩みを抱えている人もいます。
日常生活に支障が出ているときは、医師の判断によって睡眠薬の処方が検討されます。依存性が怖いという人には、不眠症の漢方薬という選択肢もあります。
ストレスをチェックする方法
どのくらいストレスを受けているか、身体と心に影響しているかなどを評価するために、様々な手段があります。
自分では感じていなくても、ストレスを受けることもあります。厚生労働省が紹介しているセルフチェックをお勧めします。
ストレスによる症状で困っている場合は、どの診療科に相談すれば良いですか?
あなたの症状がひどい場合、日常生活の活動に支障が出ているときは、精神科、心療内科の診察を受けることを勧めます。
ストレスを発散する方法
さまざまな対処法があるので、自分で合っているものを試してみてください。
- 休息する時間を十分にとる
- リラクゼーション(ヨガ、ストレッチ、瞑想、音楽など)
- 外出による気分転換、散歩、旅行
- 趣味の活動をする
- 運動をする
- 家族、友人とのコミュニケーション
ストレスと上手に向き合うために、コーピングと呼ばれる対処法があります。コーピングは大きく分けて2種類あります。
種類 | 内容 |
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問題焦点 | ストレスの原因になっている物事、事象を根本的に解決していく方法。人間関係、環境要因の中で変えられるものに対処する。周囲からの助言、協力を得ることで、1人で問題を抱え込まないようにすることも大切です。 |
情動焦点 | ストレスに対する考え方、捉え方を修正している方法。家族、第三者に、あなたの気持ちを傾聴してもらうことで、感情の整理します。ストレスの良い面と悪い面を抽出することで、気づきを得ることもあります。 |