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疲労回復に役立つ睡眠の基礎知識
疲労と睡眠の関係について
どんな睡眠障害が疲労の原因になりますか?
睡眠不足、睡眠時無呼吸症候群、周期性四肢運動障害、レム睡眠行動障害、不眠症などの病気が考えられます。睡眠時間が短いとき、質の良くない眠りがあるとき、疲れが取れない原因になります。
睡眠が疲労回復に役立つメカニズム
私たちの睡眠には2種類あり、ノンレム睡眠とレム睡眠があります。成人の場合、二つの眠りが交互に、90~120分程度の周期で切り替わります。
レム睡眠では、脳が活発に働き、夢を見ていますが、筋肉の緊張は取れているので、体が休まる状態になっています。一方、ノンレム睡眠では、脳が休まった状態になっており、体の修復に役立つ成長ホルモンが分泌されています。
2種類の眠りが、バランスよく出現し、十分な時間があると、疲労回復に効果があります。
不眠が続くと疲れがとれない原因になります
眠れない悩みが増えています。睡眠外来でも相談されることが多いものに、ストレスがあります。職場の人間関係のこと、プライベートの悩みなど、年齢によって、原因はさまざまです。
気になることがあり、精神的に緊張すると、自律神経の中で交感神経が優位になります。ストレスによる不眠では、眠りが浅くなり、睡眠の質が落ちるので、翌朝、疲れが取れないことに気づきます。同時に、日中の眠気が問題となります。
夏になると疲労を訴える方が増えます。猛暑による体力の低下、眠りが浅いことが原因になっています。梅雨の時期から9月中旬にかけて、夏バテの症状があり、睡眠がうまくとれないので疲労が蓄積します。
体調不良を感じるときに、その理由が睡眠障害であることが少なくありません。
睡眠不足はありませんか
疲れがとれない原因として多いものは、寝不足です。眠る時間が少なくなると、本来の睡眠による回復効果が不十分になり、身体と脳が休息できません。
脳の疲労が起きるので、仕事を仕上げるのに時間がかかる、家事が捗らないなど、効率が落ちます。頭が働かないと感じる人もいます。
慢性的に、睡眠不足が起きている状態は、睡眠負債と呼ばれています。マイクロスリープが出現しやすくなり、運転事故のリスクが高くなります。
睡眠リズムの乱れの問題について
私たちの体では、睡眠と覚醒のリズムが約24時間周期で、調節されています。同時に、体温、ホルモン分泌、循環と代謝機能も変動しています。
就寝と起床時間が一定でないと、身体に負担が起きて、不調の原因になります。
夜遅くまでの残業、夜勤が多い、シフトワークの仕事をしている場合は、翌日の疲れが取れない原因になります。
疲労が続くときは、睡眠リズムを一定にすることが大切です。
眠りの質が低下すると翌朝に疲労が残ります
昨夜も夜更かしをしないで、睡眠時間をしっかり取ったのに、起床時に疲れが残っていることはありませんか。睡眠の病気の中には、眠っているときの睡眠の質に影響する種類があります。
病気の名前 | 特徴 |
---|---|
睡眠時無呼吸症候群 | 大きないびき、呼吸が止まるため酸素不足になる。努力呼吸によって、不安定な睡眠になる。 |
周期性四肢運動障害 | 眠っているときに、周期的に足がピクっと動く。そのため、脳に覚醒反応を引き起こす。 |
レム睡眠行動障害 | 夢の内容に反応して、大声を出す、体を動かす。異常行動によって、眠りが浅くなる。 |
眠りが浅くなるので、代償的に睡眠時間を長くなる場合があります。寝すぎのときは、眠りの質について精査する必要があります。重症の睡眠時無呼吸症候群の場合、自分のいびきで目が覚めてしまい、深い眠りが得られない人もいます。
疲労が続くときに睡眠で気をつけることは何ですか
まずは、規則正しい睡眠をとることを心掛けてください。そして、睡眠時間を確保することが大切です。その上で、生活習慣の見直しを行いましょう。
疲労を相談する目安について
睡眠に良い習慣を続けても、熟睡感がないときは、睡眠障害が疲労回復を妨げる原因になっている可能性を考えます。すぐに睡眠専門医の診察を受けてください。