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睡眠の質を改善するには?
質の良い睡眠をとるためには?
毎日7時間睡眠をしっかりとっているのに、朝起きたとき疲れが取れていない・・・。
- 熟睡できない
- 夜中に目覚めてしまう
- 昼間の眠気で困っている
朝起きれない症状で困っている人もいます。症状が続けば、睡眠の質が低下している可能性があります。今回は、岐阜市で睡眠障害の診察を行っている院長が、熟睡感のテーマについて解説します。
睡眠の質とは
私たちの眠りにはレム睡眠とノンレム睡眠の2種類があります。
レム(REM)睡眠時には、眼球が急速に動いています。この状態では、身体は休んでいますが、脳は覚醒に近い状態で、眠りは浅いものです。明け方近くに多くなります。
一方、ノンレム睡眠は、身体も脳が両方とも休んでいる状態です。実は、3段階に分かれており、その中で、ノンレム睡眠の段階3が深い眠りとなっています。
睡眠の質を調べる検査とは
脳波を調べることで、睡眠の質を正確に調べることができます。終夜睡眠ポリグラフ検査と呼ばれています。
スマホ、睡眠ガジェットを用いて睡眠の状態を計測するメリットとデメリットについて。
眠りのサイクルについて
通常、私たちが就寝すると、最初にノンレム睡眠(段階1→2→3の順番)が出現してから、レム睡眠が続きます。この睡眠周期は約90分ほどで、一晩に4回から5回繰り返します。
よく眠ったという感じをするのは、2周期までのノンレム睡眠(段階3)がきちんと取れているかによります。眠ってからの最初の3時間の眠りが安定することが大切です。
もちろん睡眠時間も十分にとることも必要です。
睡眠の質に影響する原因とは
熟睡してないときに考える病気、生活習慣として、セルフケアで対応できるものもありますが、中には睡眠障害として治療が必要な場合があります。
1.睡眠時無呼吸症候群
眠っているときに、呼吸が止まること、大きなイビキをかく状態があると、体内が酸素不足になります。何とかして息をしようとすると、脳が目が覚める原因となります。この努力性呼吸によって、眠りが浅くなります。重症の場合、自分のいびきで何度も目が覚める人もいます。
眠気の悩み、疲れがとれない、深く眠れない症状の原因となります。
2.周期性四肢運動障害
むずむず脚症候群に合併することが多いですが、眠っているときに、脚が周期的にピクッと動く場合があります。度重なる足の動きによって、脳が覚醒します。
その結果、眠りが安定しなくなり、熟睡感がなくなります。自分では気づかないことが多いです。
3.レム睡眠行動障害
私たちが眠っているときに夢を見ることがあります。このレム睡眠のときは、通常、体を動かすことができません。この病気では、夢に反応して、体を動かす、大声を出すことが問題となります。熟睡感がない原因になります。
4.精神ストレス
職場、家庭、プライベートなどで、気になっていることがあると、浅い眠りになります。一旦、眠っても途中で目が覚めることも起こります。睡眠が妨げられる状態とも言えます。精神科、心療内科的な対応が必要になってきます。
悩み、不安などを抱えていると、脳が目が覚める状態になる交感神経が優位になります。脳が休まらないので、眠りの質が低下します。その結果、昼間の眠気が生じます。
5.薬剤と嗜好品
市販の薬、病院で処方される薬の中には、覚醒作用があるものがあります。アルコール、ニコチン、カフェインなどの、嗜好品も睡眠の質に影響しますので、ご注意ください。
夕方から寝る前にカフェインを摂取すると、寝つきに影響し、浅い眠りになります。さらに、寝酒は、中途覚醒の原因になります。
6.シフトワーク
夜間帯に仕事をしている人、仕事のスケジュールが不規則であるときは、眠りが浅くなります。夜勤に伴う睡眠リズム障害と呼ばれています。
7.てんかん
てんかん患者には、不眠が多いこと知られています。眠っているときの生じる「てんかん発作」によって、安定した睡眠構築が保てなくなります。
セルフチェック
眠りの質には様々な要因が関係しているこがあります。詳しく調べるには医師による診察が必要になります。まずは、睡眠力について簡単に評価してみたいときは、次のページでチェックテストをお試しください。
睡眠の質を高める方法とは
基本的には、寝るための準備として、リラックスできる副交感神経が優位になる状況にもっていくこと、眠りのホルモンであるメラトニン分泌を妨げないようにすること、睡眠時の外界からの刺激(光と音など)をコントロールすることが大切です。
1.晩ごはんは就寝3時間前までに
食事から就寝までの時間が短いと、胃腸が消化するために、消化管が活動した状態になっています。内蔵が休む時間が短くなるので、食べる時間を見直しましょう。食事の摂取量が多いと、逆流性食道炎の症状が問題となることがあります。
2.就寝前は照明を暗めにする
部屋の明かり、テレビ、スマートフォンからの光刺激は、睡眠リズムへの影響があります。体内時計が乱れ(夜遅くしか眠れない、朝起きられないパターンになりやすいです。さらに、交感神経が優位になるので、睡眠の質が低下します。
体内リズムの調節に関係しているメラトニンの分泌リズムが崩れるので、不眠(入眠困難、中途覚醒)の原因になります。
3.寝室の環境整備をする
個人差はありますが、環境で生じる音で、目が覚めやすい状況になります。覚醒の回数が増えるため、熟睡できない印象になります。遮音の工夫が大切です。部屋に入る光が気になるときは、遮光カーテンの活用も考えましょう。
ただし、いつもの起床時刻に、朝の光を浴びることは大切です。起床時の光には、体内時計を安定化させる効果があります。
4.就寝1時間前に入浴する
風呂に入ると、体の内部の温度(深部体温)が上がります。風呂上りに体温が急激に下がると、眠気が生じやすく、寝つきに良い影響があります。体内リズムとして、深部体温は夜9時ごろがピークなので、その後、下がります。このタイミングを利用しましょう。