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メラトニンによる睡眠障害の対策
メラトニンのよくある質問と回答
メラトニンとは何ですか?
メラトニンは、脳の松果体で作られるホルモンです。私たちの体において、夜と昼のリズムを調節しています。暗い環境になると、松果体からメラトニンが分泌され、寝つきを助けます、一方、明るい環境になると、メラトニン分泌は低下します。
年をとるとメラトニンは分泌はどうなりますか
年齢が上がるにつれて、メラトニンは減少していく傾向です。そのため、不眠、体内時計のリズム調整に影響することが多くなります。
出典:Melatonin – MyHealth.Alberta.ca
セロトニンとメラトニンとの関係は何ですか
食品に含まれている必須アミノ酸の一つ、トリプトファンから、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が、脳内で生成されます。そして、セロトニンからメラトニンが作られます。
冬季うつでは、体が浴びる日照量が減るので、セロトニン減少による抑うつ気分、そして、メラトニンの分泌が不安定になるため、過眠および体内時計の乱れが生じます。
睡眠にどのような効果がありますか
メラトニンは、眠りに入る時間を早くしたり、途中で目が覚めにくくなる効果があります。この薬理作用は、睡眠障害の中で、不眠症、時差ボケの治療に応用されています。
出典:Melatonin for sleep problems – NHS
どんな病気にメラトニンは使われますか
時差ぼけ、睡眠相後退症候群および非24時間睡眠覚醒症候群など、睡眠障害の症状を改善するために、使われることがあります。一方、子どもでは、ADHD、自閉症スペクトラムなどの発達障害に合併する入眠困難の治療にも使われています。
出典:Melatonin: What You Need To Know, The National Center for Complementary and Integrative Health
どんな副作用がありますか
頭痛、めまい、吐き気、眠気などが生じることがあります。その他、一過性の抑うつ症状、不安、いらいら感が出現することがあります。
日中の眠気を催すことがあるので、服用してから5時間以内は、運転を見合わせることが大切です。
どのサプリが良いですか
欧米では、ドラッグストアでメラトニンのサプリを入手することができますが、日本にある薬局では、販売されていません。そのため、輸入することが必要になります。
市販のメラトニンの製品において、メラトニンの含有量がラベル表示量を満たしていない場合があること、そして、セロトニンが混入している製品があることが、報告されています。
米国睡眠学会は、メラトニンのサプリメントを購入するときは、米国薬局方が認証した製品を探すように勧めています。
出典:Study finds that melatonin content of supplements varies widely – AASM
米国薬局方が開示している情報によれば、NatureMadeのメラトニン3mgと5mgがあります。
出典:USP Verified Products Listing: The United States Pharmacopeial Convention
メラトニン受容体作動薬は睡眠にどんな影響があるか
メラトニンは体内のメラトニン受容体(MT1とMT2)という部位に対して働きます。メラトニン受容体作動薬も、MT1とMT2に作用し、病院やクリニックにおいて、ラメルテオンと呼ばれる医薬品として、処方されています。
睡眠に対する効果として、寝つきが早くなる作用があります。そのため、不眠症の治療に使われています。メラトニン受容体作動薬は、ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤と比較すると、依存性のない睡眠薬であることが利点です。
体内時計にも作用するため、睡眠リズム障害の治療にも応用されています。
日本で使えるメラトニンの睡眠薬はありますか
2種類の医薬品を使うことができ、成人用と小児用があります。両方とも、入眠困難の改善を目的として、処方されています。
ラメルテオン | メラトニン | |
---|---|---|
商品名 | ロゼレム | メラトベル |
対象 | 成人 | 子ども |
効能 | 不眠症における入眠困難の改善 | 小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善 |
剤形 | 薄い黄色の錠剤 | 白色の顆粒 |
これらのメラトニンの薬については、フルボキサミンマレイン酸塩(ルボックス、デプロメール)と一緒に飲むことができません。併用禁忌になっているので、服薬歴を確認することが重要です。
メラトニンとラメルテオンの違いは何ですか
ラメルテオンは、メラトニン受容体作動薬ですが、6時間ほど効果が続きます。一方、外因性のメラトニンは2時間の効果となっています。さらに、ラメルテオンは、メラトニンより10倍の効能があると報告されています。
睡眠に対する影響については、ラメルテオンは寝付くまでの時間の短縮、睡眠時間の延長があります。外因性のメラトニンは、ラメルテオンと比較すると入眠の効果が弱く、睡眠時間の変化はないようです。
妊娠・授乳中の注意点は何ですか
安全性が確立されていないので、妊娠中と授乳中にメラトニンを飲むことは止めてください。
出典:Melatonin for Sleep: Does It Work? – The Johns Hopkins Hospital