- ホーム
- 深い休息をもたらすノンレム睡眠とは
深い休息をもたらすノンレム睡眠とは
ノンレム睡眠でよくある質問と回答
ノンレム睡眠とは何ですか?
主として脳の休息に関わっており、眠りの深さによって3つの段階に分けられる睡眠状態のことです。Non-Rapid Eye Movement(非急速眼球運動)の略です。
ノンレム睡眠の睡眠段階とは何ですか?
1.ステージN1
覚醒状態からうとうとし始める段階です。この睡眠段階では、簡単に起こされやすい状況です。
脳波:アルファ波(覚醒時の脳波)が減少し、小さく不規則な波(シータ波)が現れ始めます。
2.ステージN2
より深い眠りに入る段階です。
脳波:N2に特徴的な「睡眠紡錘波」と「K複合波」が現れます。睡眠紡錘波は12~14Hzの波で、律動的に連続しています。そして、K複合波は大きな単発の波です。
3.ステージN3
最も深い眠りの段階です。体の回復や成長ホルモンの分泌が活発に行われます。起こされても反応が鈍く、起きてもすぐには頭がはっきりしません。
脳波:大きくゆっくりとした「デルタ波」が特徴的です。
ノンレム睡眠は何時間くらいありますか?
ノンレム睡眠の割合は、全睡眠時間の約75〜80%です。例えば、一般的な成人の睡眠時間を7時間とすると、5.25~5.6時間と概算できます。ただし、加齢にともなって、ノンレム睡眠(N3)の割合が低下していきます。
レム睡眠とノンレム睡眠サイクルは?
レム睡眠とノンレム睡眠は、約90分周期で一晩に4〜6回繰り返されます。各周期はノンレム睡眠(N1→N2→N3)から始まり、レム睡眠で終わります。
夜の前半は深いノンレム睡眠が多く、後半はレム睡眠が増加します。この周期のバランスは、身体の回復や記憶の定着に大切で、年齢とともに変化します。
深いノンレム睡眠はいつ出現しますか?
通常、就寝してから約30分〜1時間後に最初の深いノンレム睡眠が現れます。夜の前半により多く出現し、後半になるにつれて減少します。睡眠段階N3は最も深い眠りと言われています。
ステージN3は、徐波睡眠とも呼ばれており、成長ホルモンの分泌がみられます。そのため、身体の回復や修復に最も効果的とされています。つまり、この時間帯は、ゴールデンタイムと言えるでしょう。
成長段階にある子どもにとって、「寝る子は育つ」ということわざのように、睡眠は大切です。特に、深いノンレム睡眠は、夜間の成長ホルモンの適切な分泌に役割を果たします。
注意点として、就寝前にカフェインを摂取すると、眠りが浅くなります。深いノンレム睡眠(N3ステージ)が減少するため、睡眠の質が低下します。カフェインと睡眠の関係を理解し、質の良い睡眠を得るために、カフェインの摂取は理想的には就寝の6〜8時間前までに控えるよう心がけましょう。
ノンレム睡眠を調べる方法はありますか?
病院で受けられる測定方法として、終夜睡眠ポリグラフ検査があります。ノンレム睡眠とレム睡眠の割合、そして、ステージN1、N2、N3の割合などが正確に分かります。
一方、家庭でノンレム睡眠を調べる方法として、睡眠トラッキングデバイス(スマートウォッチなど)、スマホの睡眠アプリなどがあります。ただし、これらの精度はPSG検査より劣るので、おおよその睡眠パターンを確認するのに用いられます。
レム睡眠とノンレム睡眠はどっちがいいのですか?
レム睡眠とノンレム睡眠は、どちらが「良い」というわけではありません。両者が健康的な睡眠サイクルに不可欠で、バランスが取れていることが大切なのです。
それぞれの役割の違いと重要性について、次の表をご覧ください。
出典:悩みは睡眠中に解決できる?人生の問題解決力を高める「睡眠」を最大化しよう – Philips
「レム睡眠とノンレム睡眠はどっちが深いか?」という問いに対する回答としては、脳波や覚醒のしやすさを基準にすると、ノンレム睡眠のN3段階が「最も深い」と言えます。
ノンレム睡眠でも夢を見ることはありますか?
レム睡眠中に比べると少ないですが、ノンレム睡眠でも夢を見ることがあります。ただし、レム睡眠と比較すると、断片的で短いことが多く、ストーリー性が少ない傾向があります。
ノンレム睡眠不足はどのような影響がありますか?
疲労、集中力低下、記憶力の減退、免疫機能の低下、ストレス耐性の減少などの影響があります。長期的には様々な健康問題のリスクが高まります。
ノンレム睡眠に関係する病気の種類は何ですか?
ノンレム睡眠中に起きる睡眠障害として、小児期において睡眠時遊行症(夢遊病)や睡眠時驚愕症(夜驚症)などがあります。
その一方、成人においても夢遊病が起きることはあります。夢遊病の亜型として、睡眠関連食行動障害や睡眠関連性行動障害(セクソムニア)の発症もあります。
ノンレム睡眠の質を改善するにはどうすればいいですか?
良質なノンレム睡眠を得るために、次のような対策が効果的です。
- 毎日同じ時間に寝起きする習慣をつける
- 寝室を快適な環境に整える
- 寝る前にリラックスする時間を持つ
- 適度な運動を日課に取り入れる
- バランスの良い食事を心がける
特に、デスクワークが多く体を動かす機会が少ない人は、日中に軽い運動や散歩を取り入れることを勧めます、なぜなら、運動は深いノンレム睡眠を増やす効果があるからです。徐々に習慣づけていくのがコツです。