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睡眠の病気を治療する方法を知りたい方へ
睡眠障害の治療について
眠りの関する悩みは、人によって様々です。あなたが悩んでいる病気の原因が何かを調べることが、適切な治療につながります。
睡眠障害の種類ごとに、治療法が異なります。例えば、「眠れない」という悩み、不眠の相談で来院されることがあります。この場合、睡眠薬を用いることもありますが、その原因となっているものに対処することが先です。
睡眠衛生と呼ばれる「質の良い眠りを得るために勧奨されている生活習慣の見直し」を行うことが大切です。
セルフケアを行っても症状が良くならないので、専門的な治療を受けたい場合、日本睡眠学会専門医の診察を受けることができます。
治療方針を決めるための検査入院
最初は、外来において、どんな睡眠障害があなたの眠りを妨げているか、日常生活の支障となっているものが何かを調べていきます。
病状の聞き取りが主体となりますが、詳しく調べるためには、「睡眠の質」を評価する必要があります。眠っている状態がどんな状況かを知るためには、終夜睡眠ポリグラフ検査を行います。
病院に宿泊して、頭部に脳波の電極を取り付けます。そして、睡眠の様子を観察します。同時に、呼吸状態、体の酸素のレベル、脚の動き、心電図も評価することができます。
治療方法
外来で相談されることの多い、閉塞型睡眠時無呼吸、不眠症、過眠症、睡眠リズム障害(睡眠相後退型)について、概説します。
実際には、医師が、治療ガイドライン、最新の論文の知見を元に、適切な方法を考えます。
治療期間については、病気ごとに違います。詳しくは、診察時に担当医に尋ねることを勧めます。
1.いびき
肥満があれば、減量が根本的な解決につながります。耳鼻科の病気が問題になっているときは手術を検討します。口腔内装置(マウスピース)、CPAP治療などを行うことが多いです。
2.うつ・ストレスに関係する睡眠障害
うつ病、不安障害などが原因で眠れないときは、睡眠薬、抗うつ薬、抗不安薬の内服をすることを考えます。外来では、ストレスとなった経緯の聞き取り、対処法などを考えます。
3.起きれない・不登校
受験が迫った学生さんと両親からの相談が多いです。睡眠リズムが後退していることで、寝つきが悪い、朝起きられない生活パターンになっています。
メラトニンアゴニストの内服、光療法、時間療法などを選択しながら、生活が崩れた要因を自覚すること、予防法について指導していきます。
4.耐えがたい眠気が強く居眠りが多い
たくさん寝ても、寝たりない、授業中にウトウトして、先生に注意される悩みを持って相談されています。一方。社会人になってから、眠気で問題となるケースもあります。過眠症のときは、生活指導のほか、眠気を緩和する薬を用いて、授業中に起きられるようにします(覚醒を維持する)。
治療薬について
治療薬の種類 | 薬のはたらき・注意点 |
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睡眠薬 | 寝つきが良くない、途中で目が覚めるなど、症状によって、適切な睡眠薬の種類を選びます。依存性の問題に注意して、薬を決めます。 |
抗てんかん薬 | 夜間の寝言、夢の内容に反応して体が動く異常行動を抑えることができます。主に、レム睡眠行動障害、夢遊病などに用いられます。 |
中枢神経刺激薬 | 昼間の眠気を抑えます。MSLTと呼ばれる検査を受けて、中枢性過眠症の診断基準を満たすことが条件です。薬剤の耐性に注意します。 |
ドパミン作動薬 | むずむず脚症候群の治療に使います。ドパミンアゴニストを用いると、脚の不快感が抑えられます。飲み薬と貼るタイプがあります。 |
その他 | 病状によっては、漢方薬を活用することがあります。ここの病気が原因となっているとは、抗うつ薬、抗不安薬を考えます。 |
費用について
病状によって個別に異なります。健康保険の3割負担で想定すると、初診の場合、2,000~5,000円程度かかります。一方、再診では、1,500円程度です。その他、調剤薬局で別途、お薬代がかかります。
CPAP治療の定期通院のときは、毎月、診察料とCPAP機器のレンタル料金を含めて、約4,500円です。