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睡眠障害の種類と症状を知りたい方へ
睡眠障害の種類
眠りの症状のトラブルの内容によって、さまざまな種類の睡眠障害があります。専門医は、あなたが悩んでいる眠りの病気が何であるか、診察によって、探していきます。
症状の特徴によって、睡眠障害が分類されています。一般的に、2023年に出版された睡眠障害の国際分類第3版(ICSD-3-TR)による種類分けを用います。
7つに分けられた分類がありますが、病気ごとの特徴が明確になっているものは6種類となっています。7つ目に分類されているものは、環境要因(例えば、騒音、パートナーのいびき、室内の明るさ、温度、育児、介護)によって睡眠が問題となっている場合を指します。
- どんな種類の「眠りの病気」があるか?
- 病気の特徴とは?
- チェックしておきたい症状は?
6種類の睡眠障害を、不眠症、過眠症、睡眠呼吸障害、概日リズム睡眠覚醒障害、パラソムニア、睡眠関連運動障害の項目別に専門医が解説します。
出典:Sleep Disorder Categories – Sleep Education
睡眠障害の種類の中で多い割合の病気とは
外来で相談の多いものは、不眠症と睡眠時無呼吸症候群です。続いて、むずむず脚症候群、ナルコレプシーなどがあります。
出典:Common Sleep Disorders – Cleveland Clinic
睡眠で休養が十分にとれていない人の割合は、5人に1人と言われています。一方、治療が必要とされている睡眠時無呼吸症候群の潜在患者数は、国内で約300万人と見積もられています。
1.不眠症
寝つきが悪い、夜中に目が覚めてします。朝早く目覚めるなどの症状が続き、昼間の活動に影響しているときに、不眠症と言います。
日中、眠い、集中力低下があると、仕事への影響、学習能力の低下が問題になります。眠れない状況が続くと、うつ病などの「こころの病気」を発症する危険があります。
- 寝付かれない、途中で目が覚める
- 熟睡感がなく、昼間、眠くて困っている
- 最近、ストレスがあって眠れない
2.睡眠関連呼吸障害
このグループは、眠っているときの呼吸が関係して睡眠の問題を生じるものです。代表的な病気は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群です。
心不全に多いチェーンストークス呼吸、CPAP治療中に生じる中枢型睡眠時無呼吸、いびき、うなり声についても、含まれています。
- 大きないびき、無呼吸を指摘されている
- 血圧が上がってきた
- 疲れがとれない、昼間ウトウトする
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睡眠時無呼吸症候群
激しいイビキで困っている、日中の眠気がつらい、疲れがとれない方へ。高血圧、心臓病、脳血管障害との関係もあります。
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上気道抵抗症候群
いびきをかいているが、無呼吸はない。でも、眠くて困っているときに考える病気です。睡眠時無呼吸の軽症型です。
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単純性いびき症
イビキをかくけど、呼吸は止まっていない、検査しても眠っているときの酸素不足もない。睡眠時無呼吸の軽症型です。
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子どものいびき・無呼吸
小児の睡眠時無呼吸では、アデノイド・扁桃肥大が原因である場合が多いです。放置すると成長と発達に影響します。
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女性のいびき
彼氏から「大きないびき」を指摘されて恥ずかしい思いをした方へ。旅行中の対策、周りに迷惑をかけないための対処法とは。
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中枢型睡眠時無呼吸
心不全、脳卒中の治療を受けている方へ。眠れない、夜、目が覚めやすい、熟睡感がない症状があれば、ご相談ください。
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カタスレニア
眠っているときに、うなり声で悩んでいませんか。吸気の後に続く長い呼気のときに、うなる声が生じる特殊な睡眠障害です。
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3.中枢性過眠症
日中の我慢できない眠気が特徴である病気のグループです。商談中、テストを受けているとき、運転しているときに「急に眠る」など、普通では考えられないくらいの状況でも居眠りをすることが問題となります。
代表的な病気は、ナルコレプシーですが、特発性過眠症、クライン・レビン症候群なども、このカテゴリーの一種です。昼間の眠気による集中力低下が、成績の低下、留年などの問題につながります。
チェックしたい内容は次のようなサインです。
- 仕事中(授業中)、急に眠くなる
- たくさん寝ても、居眠りが多い
- 10代の頃からよく眠るタイプだった
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ナルコレプシー
10代の頃から発症することが多い過眠症です。笑ったり、怒ったりするときに脱力が生じる情動脱力発作を生じることがあります。
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特発性過眠症
睡眠時間を長くしても眠気がひどい、日中、頭がすっきりしない症状が問題になります。長時間睡眠の傾向があります。
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睡眠不足症候群
眠気で困っているときに、まずは、睡眠時間が足りているかを確認します。慢性の睡眠不足では、睡眠負債の状況となります。
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反復性過眠症
周期的に過眠の時期と症状がない期間が繰り返されて出現する稀な病気です。病相期には日常生活の活動が困難になります。
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長時間睡眠者
一般的な人より長く眠る傾向があり、寝すぎと言われます。長い睡眠時間が確保されれば、日中の眠気がなく過ごせます。
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4.睡眠覚醒障害
自分が眠れる時間帯と社会で活動する時間帯のミスマッチによって、眠気、不眠などの症状が生じる病気です。
体内時計の調節がうまくいかないので、日常生活に支障が出ます。眠る時間帯(睡眠相)が前進する、後退するタイプ、不規則なタイプなど、さまざまな種類があります。
交代勤務、時差の影響も、このカテゴリーに属しています。
- 寝る時間が遅く、朝起きられない
- 交代勤務があって、眠れないときがある
- 時差ぼけのため、眠れない
5.睡眠時随伴症
眠りに入るとき、眠っているとき、そして、睡眠から覚醒するときに生じる好ましくない行動が問題となる睡眠障害です。英語ではパラソムニアと呼ばれています。
寝ぼけながら行動してしまう、悪夢に反応して、蹴る、殴る、追い払うなどの動作があるなど、何かと不都合が行為が問題となります。
夢遊病、レム睡眠行動障害、夜驚症などが、このグループに入っています。
- 小さい頃から、寝ぼけて行動することがあった
- 夢の内容に反応して、体を動かす
- 激しい寝言(怒鳴る、叫ぶ)がある
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レム睡眠行動障害
高齢者に多い睡眠障害。夢の内容を反映した体の動きをしてまう、怒鳴るような激しい寝言が特徴となっています。
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夢遊病
小児期に起きることが多いパラソムニアの一種です。寝ぼけた状態で歩く、寝言の症状があります。家族歴も関係しています。
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睡眠関連摂食障害
深夜にベッドから起き上がり、台所で食品を探して食べてしまう行為があります。精神ストレスの関与もあります。
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寝言
眠っているときに、寝言を言うことはありませんか。大声を出しているときは、病気の可能性があるので、注意すべきサインです。
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頭内爆発音症候群
夜、寝入りばなに突然大きな音が頭の中で響き、恐怖を伴って目が覚めてしまう病気です。覚醒から睡眠への移行期に発症します。
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反復性孤発性睡眠麻痺
入眠時に意識があるのに体を自由に動かせない症状が問題となる病気です。一般的に、金縛りと呼ばれています。
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6.睡眠関連運動障害
この病気のカテゴリーは、眠っているときに、あるいは覚醒しているときに、身体の一部が動くことで、本人の眠りを妨げることが特徴です。
具体的には、眠りに入るときに下肢に不快感を自覚する下肢静止不能症候群、周期的に脚が動き眠りの質が低下する周期性四肢運動障害、こむらがえり、歯ぎしり(ブラキシズム)などが含まれます。
- 夜寝るときに脚に不快感がある
- 脚がピクッと動くと指摘されている
- 歯軋りがひどい