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カタスレニアの特徴と対処法
カタスレニアとは
睡眠関連うなり声とも呼ばれる睡眠障害の一種です。眠っているときの音が問題になりますが、通常より長く息を吐いているときに生じやすいので、医学的には睡眠関連呼吸障害のカテゴリーに分類されています。 その中で、カタスレニアは孤発症状と正常範囲の異型に属しています。
自覚症状はないことが多く、ベッドパートナー、家族に指摘されて気づくことが多いです。家庭以外の場面で、うなり声が問題になることが多いのかと言うと、寮生活、職場の宿直室、シェアハウスで眠るときです。うなり声で他人に迷惑をかけてしまうのではと不安に思っている人がいます。
睡眠専門医が、カタスレニアと呼ばれる病気について基礎知識を解説します。
原因について
うなり声が眠っている間に発生する原因は、分かっていません。
症状について
どんな音があるか?
寝ているときに周りにいる人への影響は、どんなものがあるでしょうか。パートナーは、あなたの繰り返されて起きる「うなり声」を気にしています。
あなたがうなり声をかくことで、昼間の眠気が出現することは稀です。しかし、ベッドパートナーは大きなうなり声のために不眠になり、寝不足になる問題が生じます。
- かん高い声が聞こえるので、眠れない
- 睡眠中にうめき声が聞こえて怖い
- 苦しそうな感じがして心配です
- 一緒に寝てるとき、大きくうなるような声がうるさい
- 毎晩「うーん」と唸り声があり、音を対処してほしい
一般的に、カタスレニアの症状はレム睡眠に起きることが多いですが、ノンレム睡眠のときに発症することもあります。吸気に続く長い呼気時にうなるような音が出ることが特徴です。うなり声が発生する時間は2~20秒程度です。
出典:Vetrugno et al. Catathrenia (nocturnal groaning): what is it? Sleep. 2008;31:308-9.
私たちの睡眠サイクルはノンレム睡眠の睡眠段階N1から始まり、N2を経てN3に移行してきます。その後、レム睡眠が出現します。一晩に4回から6回のサイクルを繰り返しますが、最後に出現する睡眠サイクルにあるレム睡眠は、最も長い時間になります。そのため、後半に出現するレム睡眠では、うなり声が最も多く発生しやすいと考えられています。
出典:Groaning – Sleep Education by the AASM
うまり声が発生しているときの、酸素不足はありません。成人のみならず小児期、思春期でも、カタスレニアは発症します。
いびきとの違い
いびきは狭小化した上気道の軟部組織が振動して生じ、主として吸気時に出現します。重度の場合は、呼気と吸気の両方にみられます。一方、カタスレニアは延長した呼気時に観察されることが特徴です。
実際には、カタスレニアと閉塞型睡眠時無呼吸が混在しているときがあります。
その他、睡眠時ブラキシズムで生じる音と区別する必要があります。
診断の方法
カタスレニアの評価は、外来での問診が主体となります。診察のときには、うなり声を聞いている人の同席が望ましいです。睡眠アプリで、うなり声の録音をすることも、カタスレニアを確認するために役立ちます。
耳鼻科的な評価、特に上気道の閉塞や異常がないかも評価します。
うなり声の重症度や頻度によっては、終夜睡眠ポリグラフ検査を施行することがあります。パラソムニア、睡眠時無呼吸症候群などの併存する睡眠障害がないか調べるのに、終夜睡眠ポリグラフ検査による評価は有用です。
鑑別すべき病気として、てんかん、睡眠時遊行症(夢遊病)、レム睡眠行動障害などのパラソムニア、睡眠時無呼吸症候群、多系統萎縮症などの病気があります。カタスレニアを正確に診断するためには、これらの疾患と見分けることが重要です。
何科を受診すれば、カタスレニアを止める方法を相談できますか?
精神科、脳神経内科、睡眠外来などが対応できます。