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夫が寝てばかりの原因と解決への道筋
はじめに

旦那が休日も平日も寝てばかりいる姿を見ると、「怠けているのでは?」とイライラしてしまう妻は少なくありません。ちょっとは家事や育児を手伝ってほしいのに、夫がリビングのソファや寝室のふとんでゴロンとなっているばかりでは、妻も立場ではストレスがたまっていきます。
たしかに、妻の視点から言えば、旦那のムカつくエピソードかもしれません。しかし、単なる怠けや疲れではなく、実はパートナーに心身の不調が隠れている場合があります。
睡眠不足が続くことや仕事のストレスだけでなく、うつ病や睡眠障害、さらにはホルモンバランスの乱れなど、病気のサインであることがあります。
今回の記事では「旦那が寝てばかりいる原因」を生活習慣、心理面、病気の可能性という観点から整理しています。そして、妻としてどう対応すればよいのかを解説します。不安やイライラを少しでも解消し、夫婦関係を見直すヒントになれば嬉しいです。
旦那が寝てばかりでイライラするのはなぜ?

旦那が寝てばかりいると、妻は、「自分ばかりが負担を抱えている、私も働いているのに・・・」という気持ちに陥りやすくなります。その一方、ゴロンといつも寝ている夫は「朝から晩まで仕事で疲れているんだから、自宅で過ごすときくらい休みたい」と考えています。
共働きや子育て中の家庭では、パートナーに家事や育児を分担してほしいという期待があるので、まったく協力が得られないと不満につながります。
さらに、「家族と過ごす時間くらい大事にしてほしいのに・・・」と感じることで、結婚前にあったような愛情や信頼が揺らぐ場合もあります。さらに、現実の生活が続き、夫が寝てばかりいると「もしかして、夫婦関係が冷めているのでは?」「自分に関心がないのでは?」といった不安を抱える妻も少なくありません。
次のようなエピソードに心当たりはありませんか?
- 金曜の夜、帰宅後すぐ寝る
- 土曜は昼過ぎまで起きてこない
- 日曜も「疲れた」と言って寝る
- 起きてもソファですぐにゴロゴロ
- 「休日くらい休ませて」の口癖が多い
- 子ども「パパと遊びたい」と言っても起きない
このように、旦那が一緒に行動してくれない現実や、結婚前と後で生じる心理的なギャップが、妻のイライラの大きな原因になっていると考えられます。結婚して一緒に生活することになって、ボタンの掛け違いに初めて気づく状況なのかもしれません。そして、事態が改善しないと、離婚の二文字も頭の中にちらつきます。
旦那が寝てばかりの理由

旦那が寝てばかりいる背景には、生活習慣や心理的要因が大きく関わっています。
よくある要因は、仕事による疲労の蓄積です。残業や通勤時間の長さ、不規則な勤務体系などによって慢性的な睡眠不足になり、休日に寝だめをしてしまうケースは珍しくありません。つまり、睡眠負債の問題が背景にあります。
精神的なストレスが強い場合も「現実から逃れたい」という行動を促し、睡眠時間が長くなる傾向があります。また、アルコールでストレスを解消しようとして、寝酒の回数が増えて依存になることもあります。結果として、睡眠の質が低下して、日中の眠気が現れます。
このように、寝てばかりいる理由は怠けだけではなく、体の疲れと心の負担の両者が関わっています。
実は病気のサインかも?

夫の口癖、こんな感じではありませんか?
- 「疲れてるんだよ」
- 「今やろうと思ってた」
- 「週末くらい、ゆっくり休ませてよ」
- 「俺だって働いてるんだから」
- 「もうちょっとだけ寝かせて」
こういう言葉を聞くたびに、妻の立場としてイライラが溜まっていきますよね。
でも、もしこれが「病気」だったら?
自宅で「よく寝る」という行動は必ずしも、健康的とは限りません。睡眠時間が長すぎる、寝ても寝ても眠い、寝落ちが多い、日中も強い眠気が続く場合には、病気が潜んでいることもあります。
睡眠の病気の中で、睡眠時無呼吸症候群があり、夜中に呼吸が止まることで質の良い睡眠が取れず、昼間の耐えがたい眠気が出ます。他にも、浅い眠りを引き起こす周期性四肢運動障害、繰り返しの睡眠発作が特徴であるナルコレプシーなどがあります。
国内の研究報告によれば、日本人の中で、日中に強い眠気を感じる人は全体の約2.5%でした。特に、男性であることや若い世代であること、睡眠時間が足りないことなどが関係していました。
「よく眠れていない」と感じている人や、深い眠りがとれていない人も眠気が強くなりやすい傾向があります。さらに、いびきや睡眠中の呼吸の苦しさで目が覚める人、足の不快感がある人、強いストレスを抱えている人も日中に眠気を感じやすいことが明らかになりました。
うつ病や適応障害など、こころの病気になると、気力の低下が強く現れ、朝起きられない症状のほか、不眠によって日中にぼーっとすることがあります。
過度の眠気と関連する病気のうち、精神疾患を鑑別に上げることは大切です。その中でもうつ病の可能性を見過ごしてはいけません。
ホルモンのバランスに関する病気が潜んでいることもあります。男性更年期障害や甲状腺機能低下症などでも、疲労と眠気が現れることがあります。本人が気づいていないこともあり、単なる疲労と片付けてはいけない状況もあります。
病気の可能性を見極めるポイント

旦那が寝てばかりいる状況が続くときは、いくつかのサインに注意してみましょう。
まず、寝ているとき、大きないびき、息が止まる症状がないか確認します。苦しそうな呼吸をして寝返りが多いなら、閉塞型睡眠時無呼吸の可能性があります。また、日中も強い眠気に襲われる、居眠りが多いといった症状は過眠症や睡眠障害を知らせる徴候です。
夫の最近の言動について、精神的な変化がないかにも注意を払いましょう。気力が出ない、趣味や会話への関心が薄いという状況があれば、うつの可能性もあります。
以前と比べて食欲が減ったり、やせてきた感じがすれば、何らかの病気がパートナーの寝てばかりの生活パターンに関係している疑いがあります。
このように、良い睡眠がとれていないか、精神の不調がないかを中心にみて、早めに医療機関を受診することが大切です。
医師に相談を検討すべきチェックリスト

以下にあげるチェックリストは、睡眠障害や心の不調が疑われるサインです。複数の項目に当てはまる場合は、自己判断に頼らず医療機関を受診する目安にしてください。
- 大きないびきや呼吸の停止がみられる
- 日中も強い眠気が続き、居眠りが多い
- 夜、何度も目が覚める
- 寝ても疲れが取れない
- 気力がなく、会話が少なくなった
- 体重の増減や食欲の大きな変化がある
- 気分の落ち込みやイライラが増えている
- 集中力が低下し、仕事でミスが多い
- 起きてもソファですぐにゴロゴロする
- 就寝と起床のリズムが乱れている
家族ができるサポート
旦那が寝てばかりいる状況に直面したとき、感情的に不満をぶつけると夫婦関係がこじれることが多いです。
まずは冷静に状況を整理し、「最近、疲れていない?」「ぐっすり眠れていないの?」などと気遣いを交えながら話しかけるのが効果的です。そして、以下の三つの点を念頭に置きながら、話を進めることを勧めます。
- 睡眠不足
- 疲労の蓄積
- メンタルヘルスの不調
「あなたのことが心配だから」という気持ちをもって接して、必要に応じて、いっしょに医療機関に受診することを検討しましょう。