- ホーム
- 睡眠の病気を調べる検査の種類と方法
睡眠の病気を調べる検査の種類と方法
終夜睡眠ポリグラフ検査
Polysomnography(PSG)と呼ばれるもので、睡眠障害を調べるために役立つゴールデンスタンダードの検査です。
項目 | 内容について |
---|---|
分かること | 睡眠の質と深さ、呼吸の状態、酸素不足の程度、 寝相、足の動き、不整脈、てんかんの有無 |
所要時間 | 1泊2日(19:00~翌6:30) |
測定方法 | 臨床検査技師が、脳波、鼻カニューラ、心電図、 筋電図(両眼瞼と脚)、パルスオキシメーター、 胸腹部の呼吸センサーなどを装着します。 眠っているときの呼吸の様子、体の動き、寝言、 いびきの音などを記録する目的のため、 ビデオカメラによるモニターを行います。 |
対象疾患 | 睡眠時無呼吸症候群、レム睡眠行動障害、 周期性四肢運動障害、不眠症など |
・CPAP治療を受けている方へ
呼吸と睡眠の状態が最も安定する圧力を決める目的で、CPAP機器のマスクを装着した状態で、終夜睡眠ポリグラフ検査を行うことがあります。CPAPタイトレーションと呼ばれています。
基本的には、終夜睡眠ポリグラフ検査と同じセンサーを使いますが、CPAP機器のマスクを装着した状態で、検査が行われます。
反復睡眠潜時検査
MSLT(Multiple Sleep Latency Test)と呼ばれる、昼寝を2時間ごとに4~5回行う検査です。過眠症の一種であるナルコレプシーの診断を確定するために行われます。
項目 | 内容について |
---|---|
分かること | 眠気の程度、日中の睡眠におけるレム睡眠の有無 |
所要時間 | 1泊2日(19:00~翌18:00) |
測定方法 | 臨床検査技師が、脳波、筋電図(両側の眼瞼)、 心電図などを装着します。 終夜睡眠ポリグラフ検査の翌日に行います。 朝9時から2時おきに、眠りに入るまでの時間を、 脳波を観察しながら測定します。 同時に、レム睡眠の出現回数をカウントします。 |
対象疾患 | ナルコレプシー、特発性過眠症 |
反復睡眠潜時検査
診察の流れ、費用、データの見方について解説されています。
10代に多い、昼間の耐え難い眠気が特徴である睡眠の病気です。
長時間睡眠の傾向があり、昼間の眠気が強いことが特徴です。
覚醒維持検査
MWT(Maintenance of Wakefulness Test)と呼ばれています。 眠気の原因となる睡眠障害の治療後の効果判定、および車両の運転適性の判定するために行います。令和6年6月から保険適用になりました。
項目 | 内容について |
---|---|
分かること | 覚醒を維持できる能力 |
所要時間 | 9:00~16:00 |
測定方法 | 反復睡眠潜時検査と同様のセンサーを用います。 照度0.10-0.13 luxの薄暗い部屋において、 座椅子に座り、開眼状態で過ごします。 朝9時から2時間おきに4回の脳波を測定します。 1回当たりのセッションは40分間ですが、 起きていられるか(眠ってしまうか)を調べます。 |
対象疾患 | ナルコレプシー、特発性過眠症、 睡眠時無呼吸症候群の治療後など |
簡易型の睡眠ポリグラフ検査
OCST(Out of Center Sleep Testing)、携帯型装置とも呼ばれています。
終夜睡眠ポリグラフ検査のセンサーを減らして、呼吸と酸素レベルのみを簡単に測定するものです(自宅で行う)。
項目 | 内容について |
---|---|
分かること | いびき、無呼吸の状態、酸素不足の程度 |
所要時間 | 就寝時から起床時まで(2回) |
測定方法 | 就寝前に鼻カニューラ、胸の呼吸センサー、 パルスオキメーターを装着します。 起床時に各種センサーを外します。 |
対象疾患 | 閉塞型の睡眠時無呼吸症候群 |
終夜睡眠ポリグラフ検査のセンサーを減らして、呼吸と酸素レベルのみを簡単に測定するものです(自宅で行う)。パルスオキシメーターと比較すると、呼吸の状態を評価することが可能であるため、睡眠時無呼吸症候群の簡易診断を行うことができるメリットがあります。
運送の業務に携わっているドライバーを抱える企業が、睡眠時無呼吸症候群の検診として、簡易検査によるスクリーニングを行うことがあります。
パルスオキシメーター検査
OCST、携帯型装置のセンサーの中で、パルスオキメーターのみ装着する検査です。 自宅で計測するタイプの検査です。睡眠時無呼吸のスクリーニングを目的としています。
項目 | 内容について |
---|---|
分かること | 酸素不足の程度 |
所要時間 | 就寝時から起床時まで(2回) |
測定方法 | 自宅で、就寝するとき、指の先に パルスオキメーターのセンサーを装着し、 起床時に取り外します。 |
対象疾患 | 閉塞型の睡眠時無呼吸症候群 |
鼻腔通気度検査
鼻の通気性を評価するもので、睡眠時無呼吸症候群について、どの治療方法が選ぶときに参考になります。
項目 | 内容について |
---|---|
分かること | 鼻の通りやすさ |
所要時間 | 5~10分 |
測定方法 | 専用の医療機器を用いて、調べます。 |
対象疾患 | 閉塞型の睡眠時無呼吸症候群 |
血液検査
項目 | 内容について |
---|---|
分かること | 睡眠障害の内科的な合併症の有無、 貧血の程度(鉄代謝)、ホルモンなど |
所要時間 | 5~10分 |
測定方法 | 一般的な、静脈採血を行います。 |
対象疾患 | 睡眠障害、むずむず脚症候群、 周期性四肢運動障害など |