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夏バテの症状と眠れないときの対処法
夏バテとは
夏の暑さに身体が順応できないことで生じる様々な症状を総称して、夏バテと呼んでいます。
本来の意味は、夏に疲れ果てる意味です。動詞の「果てる」が「ばてる」に変化し、短縮形がバテとなります。そして、夏という季節の語句が、バテを修飾しています。
原因について
夏季の高温多湿の天候に私たちの体が適応する必要があります。体温を調節するために、発汗が多くなります。脱水になるほか、ナトリウム、カリウムなどの電解質、栄養素が体外に排出されます。
屋内と外とで気温差があると、体温の調節が困難になります。暑い環境のため、冷たい飲み物を摂取することで、胃腸の機能が低下して消化不良が生じます。その結果、食欲が落ちるので、栄養不足の傾向になります。
一連の変化は、自律神経の乱れを引き起こし、さまざまな夏バテの身体症状が発症します。
出典:大阪市立大学
環境の要因としては、夜間の最低気温が25℃以上である熱帯夜の日数が増えていることも考えられます。
暑い夜の日数が増加すると、寝苦しい日が続くので夏バテが増える可能性があります。
夏バテの時期
夏バテは、最高気温が30℃を超えた真夏日が多くなる6月頃から始まります。その後、7月から徐々に増え始めます。そして、8月のお盆前後にピークを迎え、下降していきます。人によっては、9月中旬まで夏バテを感じる場合があります。
夏バテになりやすい人
- エアコンを過度に使ってしまう
- 冷たい食物をたくさん摂取してしまう
- 夜更かしが多く、寝不足である
- 運動が不足している
出典:「夏バテ」対策のススメ! – 国立障害者リハビリテーションセンター
症状について
- 疲れがとれない
- だるい
- 胃腸の調子が悪い
- 食欲が落ちている
- 頭痛
- めまい
- 立ちくらみ
- ぐっすり眠れない
夏バテは熱中症の第一歩と言われているので、上記の症状や、汗の量が減る、筋肉が痙攣する、尿の色が濃くなることがあれば、要注意です。
睡眠への影響と対処法
夏は夜間帯の気温が高く湿気が多いことが特徴です。汗も出やすく寝苦しいので、不眠が問題になります。
眠りが浅い状況となるので、翌朝、すっきりしないという症状が出ます。睡眠不足を感じていませんか。十分な睡眠をとれていない結果、日中の疲労感、眠気、集中力の低下が出現します。
睡眠時間が短い場合、普段の睡眠より1.5時間短い場合であると、翌日に運動をすると体温が高く、発汗量も多くなり、体温調節機能が低下してしまいます。したがって、熱中症のリスクが高くなるのです。
高齢者の場合は身体に負担がかかりやすく、睡眠の質にも大きな影響を及ぼします。
眠っているときの体温調節は、体に備わっている自律性の調節が主体となります。しかし、過度の暑さと寒さの環境になると、自律性の調節だけでは体温の維持が不十分になることがあります。
出典:小川徳雄, 睡眠時の体温調節.睡眠と環境 5,1,2-7,2001.
そのため、部屋の温度と湿度において、環境を整えることが大切です。冷房を使うときは、室温:25~28℃、外気との温度差:7℃以内、そして、湿度は40%~60%が目安です。
出典:健康・快適居住環境の指針 平成28年度改定版 – 東京都保健福祉局
睡眠障害を相談するタイミング
暑い日が続くと、ぐっすり眠れない、途中で目が覚めてしまう、眠りが浅いなど、不眠を訴える人が睡眠外来に増えます。寝不足の感じがある、疲れがとれない、眠気を何とかしたいという声もよく聞きます。
眠れないという悩みには、さまざまな種類があります。
大きないびきをかきませんか。口を開い状態で激しいイビキがあれば、閉塞型睡眠時無呼吸という病気のサインです。寝言が大きい、怒鳴る、夢の内容に対して体を動かす状況があれば、レム睡眠行動障害があるかもしれません。いずれも、眠りが浅くなる、疲れがとれない原因になります。
夏休みの終わりにかけては、朝、決まった時間に起きられない、午前中は眠くて正午近くまで寝ているパターンとなる症状で困るケースをよく見かけます。
睡眠リズム障害と呼ばれる体内時計が生活時間帯にミスマッチしたことによって生じる病気の可能性があります。夜更かしが多く、朝寝坊という状況はありませんか。もし、心当たりがあれば、睡眠相後退症候群かもしれません。
夏バテがあり日常生活に支障が出ているときは、睡眠外来の医師の診察を受けて、あなたの睡眠の質に問題ないか調べることが大切です。終夜睡眠ポリグラフ検査を受けると、あなたの睡眠の状態が分かります。
対策について
種類 | 具体的な行動 |
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運動 | 夏バテにならないために、シーズン前から有酸素運動で体力作りを行うことが大切です。熱中症に注意しながら、適度に体を動かすことで、暑さへの耐性がつく効果があります。無理をしない範囲で、試みましょう。気温が高くなっていない朝に屋外で運動すると、朝日を浴びられるメリットがあります。 |
食事 | 脱水対策のため、こまめな水分補給をして、三食の食事をとって下さい。食欲が落ちるので、香辛料を活用するなど、食欲を上げる工夫をしましょう。栄養不足にならないよう、ビタミンB1、クエン酸などを、摂取してください。冷たいものを多量に食べると、胃腸のはたらきを低下させるので、注意が必要です。 |
睡眠 | 規則正しい睡眠リズムを保つようにしましょう。睡眠不足にならないよう、夜更かしをしないことが大切です。夏はエアコンをつける機会が多くなりますが、冷たい空気を直接体に当てないようにしましょう。熱帯夜のときは、冷感をもたらす冷却シート、アイスノンを利用することも良い方法です。 |