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睡眠専門医が教える不眠症の理由
なぜ不眠になるのか?
眠れない症状で困っている人は増えています。不眠症は睡眠障害の中で、頻度が高い病気です。寝つきが良くない、途中で目が覚める、眠りが浅いなど、様々な悩みがありますが、どうして、不眠が起きているか、知りたいという相談を受けることがあります。
一般的には、精神ストレスがあって、眠れないということが、よくあるケースです。もちろん、自律神経のバランスが崩れることも影響しています。しかし、不眠症になる理由は、こころの病気、プレッシャーによるものだけではありません。
急に眠れなくなった場合、ずっと眠れないなどによっても、不眠の原因は異なります。さらに、原因が不明である場合もあります。さらに、原因が不明である場合もあります。人によっては、眠いのに寝れないという経験を持っているでしょう。
このページでは、不眠症になる人の特徴と理由を解説します。
病気の影響があるか
こころの病気があると、不眠が合併することが多いです。具体的には、うつ病、不安障害、統合失調症、適応障害、心的外傷後ストレス障害などがあります。
適応障害
環境の変化に伴うストレスによって、情緒面、身体、行動異常が出現します。慢性の経過により、うつ病に移行する場合があります。
日常生活で起きる不安と恐怖によって身体と精神症状が出る病気です。
幻覚と妄想、思考と認知機能の障害が出現する精神病です。
- 気分が沈んでいる
- 不安なことがある
- 恐怖体験がある
近年、うつ病の症状で悩んでいる方も多く、不眠の症状が受診する契機になるケースがあります。精神疾患による不眠の場合は、精神科専門医のメンタルケアを受けることを勧めます。
気分障害の中で、うつと躁エピソードが交互に出現する双極性障害も、睡眠障害を併発することが多いです。
一方、体の病気も不眠症の理由になることがあります。具体的な症状は次の通りです。
- 痛い
- かゆい
- 皮膚の違和感がある
- 胸焼けがある
- 恐怖体験がある
- 何度もトイレに行く
- 息苦しい
眠っているときに頭痛が起きる、あるいは、こむら返りが頻繁に起きるので眠れないという人もいます。
特殊な病気として、プリオン病による不眠があります。家族性に発症することが知られています。
子どもでは、発達障害による影響のため、寝つきが悪い、途中で目が覚めるなどの不眠の症状が起きることがあります。
眠りの病気が潜んでいるときがあります
・睡眠の病気は、不眠の理由になります。
睡眠時無呼吸症候群は眠っているときに何度も呼吸が止まり、呼吸が不安定になることから、浅い眠り、中途覚醒の原因になります。本人だけではなく、ベッドパートナーも音の問題のため、不眠になります。
むずむず脚症候群は、寝る前に脚の不快感があるため、寝つきが悪くなることが問題になります。
嗜好品は目が覚める原因に
カフェイン、ニコチンは覚醒作用があるため、寝つきを妨げます。夕方以降にコーヒー、紅茶、ウーロン茶などを摂取すると、睡眠に影響することがあります。寝る前の喫煙も、入眠困難の症状が出る理由になります。
アルコールを飲むと眠くなる作用がありますが、摂取してから数時間経過すると、肝臓でアルコールが代謝されます。その後、浅い眠りになります。
女性の場合は更年期や妊娠も影響します
女性ホルモンのバランス、月経周期が変わる、閉経になるイベントがあると、眠りに影響します。
更年期障害では、発汗、ほてりが生じることが多く、あなたの睡眠の質が低下します。その結果、昼間の眠気、気分がすっきりしない症状が出ます。
一方、妊娠中も眠れない訴えをする女性もいます。妊娠中は、睡眠時無呼吸、むずむず脚症候群などが発症しやすいことがあります。さらに、出産後において、女性ホルモンの急激な変化、育児ストレスによって、不眠を訴える人がいます。
年齢的な要因も関係します
若い頃は眠れたのに、最近眠れなくなったという方はいませんか。人は、年齢が上がると(特に60歳以降)、睡眠時間が減ること、そして、浅い眠りになります。さらに、体内時計が前向きになるため、早く眠くなる、早朝に目が覚める傾向があります。
日中の生活として、運動量の減少、昼寝をする機会が多いことも、夜、眠れない理由の一つになります。その他、前段落にあるような、病気の症状が原因になること、そして、その治療薬による影響も無視できません。
季節的な要因について
夏場では高い気温と湿度が続きます。梅雨の頃から9月にかけて、寝苦しい日が続きます。特に真夏日になると、眠りが浅い、ぐっすり眠れないという人が増えます。
環境の要因について
寝室の環境において、周囲から発生する騒音の問題、地震の発生した後の余震など、不安、ストレスは不眠を引き起こします。家族が遅く帰宅してドアを閉める音、廊下を歩く音に気になる場合もあります。日常生活において、寝つきが悪い理由の一つになっています。
対処法
不眠になった理由は個別に異なること、そして、複数の原因が関係していることがあることから、まずは、原因が何か調べることが大切です。眠れない理由について、自分でも気がつかないことは、よくあることです。客観的な評価を受けるためにも、睡眠専門医の診断を受けると良いです。
・一人で悩まず医師の診察を受けて下さい。
眠れない状態が長く続くと、精神面での不調、そして、体のコンディションが悪くなります。最近では、不眠と生活習慣病、メタボとの関係も指摘されています。