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ストレスで眠れない原因と対策とは
ストレスで眠れない方へ
あなたの睡眠に問題はありませんか。不眠を訴えて、睡眠外来を受診される方は増えています。
- 仕事のことが気になって途中で目が覚める
- 気になることが頭から離れなくて眠れない
- 最近、眠りが浅い
睡眠は疲労の回復、健康のために欠かすことができないものですが、ストレスを受けることで、眠りの質が損なわれると、日常の活動に支障が出ます。
職場の人間関係から来るストレスが、あなたの睡眠を妨げ、知らないうちに、体とこころの不調をきたしているかもしれません。今回は、ストレスによる睡眠障害を解説いたします。
なぜ眠れなくなるのですか?
眠りにつくときは、自律神経の中で体をリラックスさせる作用のある副交感神経が優位になります。しかし、ストレスがあると、人が緊張するときに優位になる交感神経が活発になります。そのため、眠れない症状が出現します。一旦、寝付いても眠りが浅い感じを受けます。
どんなストレスが原因で不眠が起こるのでしょうか?
睡眠外来で詳しいお話を聞くと、よくある原因としては、仕事、経済的な事情(収入や家計のこと)があります。そして、子どもがいる家庭では、育児、教育が多い印象です。生活疲れとも言えるかもしれません。
子どもが眠れないときに考えられるストレス要因は何ですか?
受験勉強、進路、留学のほか、部活動、友達とのトラブル(いじめ問題)などがあります。
女性ではどんなストレスが不眠の原因になることがありますか?
20~30代では、プライベートの問題(恋愛関係、結婚)が悩みとして多くなります。同時期に多くなる妊娠と出産のイベントも、関係しています。産後ストレス、子育てのことが頭にあると、眠れないという女性が少なくなりません。
仕事が定年になる頃、健康面での心配事がストレスの原因として増加していく傾向です。特に、女性では更年期になると、生理が安定しないことも関係し、不眠が増えます。最近では、熟年離婚の問題(夫の浮気、第二の人生など)が多くなっています。
高齢化社会では、介護のストレスも注目されています。誰が面倒をみるのか、相続はどうなるかなど、次世代も関係することもあります。
同じ職場で働いている人(上司、同僚、部下)が自閉スペクトラム症を持っている人がいます。仕事上でコミュニケーションが円滑にできず、自分がカサンドラ状態になってしまった場合は、どうすればよいか?
まずは、社内の人事担当者および産業医と面談して、あなたの症状と現場の実情を聞いてもらいましょう。その上で、あなたの置かれている状況を理解してもらい、職場環境の調整をすることが重要です。
LGBTの人は、どのようなストレスを受けていますか
職場において、自認する性とは異なる振る舞いを強いられることがあるとストレスになります。さらに、家族のLGBTに対する理解、サポートがないと、辛い思いをします。
ストレスによる不眠の特徴は何ですか?
- 入眠困難(ベッドに入ってもすぐに眠れない)
- 中途覚醒(途中で何度も目が覚める)
- 早朝覚醒(朝早く目が覚める)
- 熟睡感がない
重症になると、悪夢を見る人もいます。その場合は、寝ることに恐怖を感じるので、ますます眠れない状況になります。
ストレスが長くかかると、眠りが浅くなり眠気をきたすこともあります。
どんな症状を引き起こしますか?
種類 | 主な症状 |
---|---|
消化器の症状 | 胃が痛い、下痢、吐き気、体重減少、食欲低下 |
循環器の症状 | 血圧が高くなる、動悸がある、胸が苦しい |
身体症状 | 頭痛、寝汗、発熱、ほてり、耳鳴り、めまい、頻尿 |
精神症状 | うつ、疲労感 |
ストレスによる慢性の不眠はどんな生活習慣病に影響しますか?
眠れないことが続くと、高血圧、糖尿病、メタボ発症の危険が高くなります。
ストレスが長く続くと、どうなりますか?
適応障害、うつ病が発症する危険が高くなります。眠りの質が低下し、疲れがとれないことが問題になります。
診断はどうやって行うのでしょうか?
あなたが不眠になった経緯、自覚症状、期間などを聞き取り、病状を評価していきます。
入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、適切なスケジュールで眠れないときに加えて、眠れないことによる影響(疲労、うつ、仕事のミスが多い、昼間の眠気、集中力の低下など)があると、不眠症と診断することができます。
症状が週3回以上あり、3か月以上続くものを慢性、症状が3か月未満のものを急性と呼びます。
治療はどのようなことをするのでしょうか?
外来では、あなたが不眠になった経緯を聞き取り、医師が原因に対してのアドバイスをします。さらに、良い睡眠のための生活習慣を指導します。
ストレスで眠れないときは、どの診療科の医師の診察を受ければ良いですか?
精神科、心療内科などが対応していますが、一般の内科でも診察してもらえる病院もあります。
仕事、日常生活の活動に支障が出ているとき、うつ症状が出現しているときは、薬による治療を考えます。睡眠薬には様々な種類があるので、担当医と相談してください。睡眠導入剤に対して抵抗がある場合は、不眠症の漢方薬を選ぶというプランもあります。
自分で行う対処法として何がありますか?
緊張感をとるために、音楽、ヨガ、ストレッチなどをすることがあります。運動の習慣を取り入れることもストレス発散に有効です。瞑想については、スマホのアプリを活用する手段があります。
カフェインを含んだ飲み物を避けることは大切です。一方、ハーブティーを飲むことで、気分が落ち着くという人もいます。
いずれにせよ、リラックスできる方法を探すことが大切です。