- ホーム
- 眠たいのに眠れない夜が続いている悩みの対処法
眠たいのに眠れない夜が続いている悩みの対処法
今夜も眠れない不安を抱えている方へ
「眠いのに寝れない」という状態は、一見、矛盾するような感じを受けますが、意外に多くの人が経験したことがあるようです。
眠れない状況は、ベッドの上で不快な気持ちになります。そればかりか、翌日への影響、具体的には、日中の集中力が低下したり、イライラしたり、さまざまな問題を引き起こします。仕事のパフォーマンスも落ちるので何とかしたいという相談を外来で受けることもあります。
今回のブログ記事では、眠気があるのに眠れない状況になっている原因と対処法について、考察を入れながら解説していきます。
睡眠の改善は、日々の生活の質を向上させる第一歩です。あなたが抱えている「眠いのに寝られない」という問題が解消されて、快適な睡眠へと導くためのヒントになれば嬉しいです。
眠たいのに寝れない理由とは
考えられる原因 | 具体的な内容 |
---|---|
ストレス | 悩み事、心配事があると気が張ってしまうので、脳が覚醒状態になってしまいます。自分にとっての何らかのストレッサーが眠りを妨げる主な原因です。特に仕事のストレス、家庭およびプライベートの問題があると自律神経の調節が乱れることが多く、心を休ませることが難しくなります。 |
不規則な生活リズム | 私たちの脳には、約25時間の周期の体内時計が備わっています。しかし、何らかの要因によって自分の睡眠と覚醒リズムと外界のリズムにミスマッチが起きると、就寝時刻に寝付かれない状況になります。特にシフトワーク、夜型の生活があると自然な睡眠リズムが保てないことが多いです。 |
嗜好品の影響 | カフェインは脳を興奮させる作用があり、夜間の睡眠に影響を与えます。一方、アルコールは一時的に眠気を誘いますが、しばらく経過すると肝臓でアルコールが代謝されて、夜中の途中で目が覚める原因になります。さらに、喫煙は、ニコチンの覚醒作用が入眠を困難にさせます。 |
スマホやパソコンの使用 | 夜間にスマホやタブレット、コンピュータを使用すると、モニター画面から放出されるブルーライトが睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を抑制します。その結果、入眠を妨げたり、睡眠リズムを乱したり、悪影響が出現します。就寝前の光刺激は、は寝つきにとってマイナスに働きます。 |
体の病気 | 気管支喘息の咳、慢性関節リウマチ、腰椎ヘルニアなどの痛み、アレルギー性鼻炎による鼻水、くしゃみ、前立腺肥大や過活動性膀胱による夜間頻尿、アトピー性皮膚炎による痒みなど、さまざまな病気の症状によって、眠たいけど眠れない状況が生まれます。外傷による疼痛も同様です。 |
こころの病気 | 精神疾患の中で、うつ病、不安障害、心的外傷後ストレス障害および統合失調症などは、ベッドに入っても眠れないという症状を経験することがあります。慢性の不眠には、何らかの「こころの病気」が原因となっていることもあります。場合によっては、一睡もできなったという人もいるようです。 |
睡眠障害 | 不眠症、むずむず脚症候群など、寝つきに影響する睡眠関連疾患は、入眠までの時間を延長させてしまいます。この他にも、頭内爆発音症候群、悪夢障害などの睡眠時随伴症(パラソムニア)がある人は、怖い症状を敬遠して、眠いのに布団に入ると眠れない経験をする場合があります。 |
運動不足 | 定期的な運動は睡眠の質を向上させることが分かっています。デスクワークが多い仕事を続けている人にとって、運動不足は、身体のエネルギーを消費しきれず、入眠に影響します。さらに、一日中、部屋に閉じ困っていると、日光を浴びる機会がなく睡眠覚醒リズムが安定しません。 |
食生活の乱れ | 遅い夕食、そして、夕食の食事量が多いこと、消化に時間がかかる食べ物を摂取していることがあると、消化管に負担がかかり、睡眠の妨げとなります。胃もたれ、腹部膨満感など、おなかが気持ち悪い症状が現れます。それらの症状は、あなたの寝つきを悪くする要因になります。 |
環境要因 | 寝室の環境は、睡眠に直接影響します。騒音、適切でない温度と湿度、自分に合っていない寝具などは、眠いのに眠れない理由の一因となるでしょう。また、家族、パートナーとの生活リズムが合わず、夜なのに明るい環境であると、眠りを促す作用のあるメラトニンの分泌が低下します。 |
日常生活での対策とは
寝つきを良くするためのセルフケアを紹介していきます。誰でもできる安眠法として、夜、ベッドに入ったら、ゆっくりと深呼吸を繰り返すことで、心を落ち着かせ、入眠をスムーズにする方法があります。また、布団に入る前に、瞑想やヨガを行うことは、心を穏やかにし、ストレスを軽減するのに役立ちます。同時に、副交感神経を優位にさせる効果もあるので、心身をリラックスさせることができます。
アロマテラピーは、リラクゼーション効果が高く、ラベンダー、カモミール、イランイランなどの精油が候補としてあります。こららの精油から放たれる香りは、心地よい眠りを誘うのに役立つでしょう。
あなたにとってリラックスできる寝る前の活動(入浴、睡眠BGM、読書、マッサージなど)、ナイトルーティンを実践することでとは、快眠生活の助けになります。
寝具の質にも注意し、体に合ったマットレスや枕を選ぶことを勧めます。特にまくらについては、個人差があるので、まくら専門店で実際に試してみると良いです。
生活習慣の改善にも、注意しなければなりません。具体的には、嗜好品であるカフェインの摂取、喫煙を控えることがあげられます。カフェインとニコチンには覚醒作用があるので寝つきを妨げるので注意しましょう。夜遅い時間の飲酒を止めることも、大切です。
運動不足はありませんか。日中の活動量を増やすことは、夜になると寝つき、眠りの質に対してプラスにはらきます。ストレスの軽減、心地よい疲れによる睡眠の促進に役立ちます。適度な運動は、特に日中に行うと良く、あなたが寝る時刻の数時間前に終えましょう。
食事も睡眠にとって、大切な役割を果たします。重い夕食や就寝直前の食事は避け、消化の良い食事を心がけましょう。胃腸に負担をかけると、寝つきを妨げる要因になります。
朝ごはんを、きちんと摂っていますか。朝食は体内時計を安定させるのに役立ち、夜間のメラトニンの原料となるトリプトファンを含むものをメニューに取り入れると良いでしょう。
どんなとき医師に相談すべきか
眠いのに眠れないとき、いつ医師に相談すべきかを悩んでいるなら、次のようなことを目安にしましょう。
2~3週間以上にわたって毎晩、眠れなくて、日中の強い眠気、集中力の低下がある場合、医師の診察を受けることを勧めます。なぜなら、日常生活に支障をきたしたり、長期の不眠が新たな健康の問題を引き起こしたり、あなたにとって望ましくないことが起きる可能性があるからです。
一般的に、眠りの問題があると、日常生活におけるパフォーマンスや精神面に影響を及ぼします。そして、長期の不眠が感情や気分に影響を与え、こころの病気につながるリスクがあります。