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睡眠リズムの問題で病院を探している方へ
睡眠リズム障害とは
私たちの脳内にある体内時計は約25時間ですが、私たちは24時間周期で生活をしており1時間のギャップがあります。睡眠と覚醒のリズムを調節している体内時計の乱れによって起きる睡眠障害を、睡眠リズム障害と言います。
体内時計について
ヒトは通常、約24時間のサイクルで体内時計がはたらいています。そのため、朝目が覚めて、夜に眠くなり寝るスケジュールとなっています。
概日リズムとも呼ばれています。実際には周期が24時間よりもう少し長いので、朝起きたときに光刺激を受けることで、24時間にリセットされる仕組みが備わっています。
睡眠リズム障害の影響について
夜に眠り、朝に起きるという活動パターンを持っています。そのとき、仕事、勉強など、活動時間帯に眠くなく、活発に動けるコンディションが一番です。
しかし、自分の活動したい時間帯と自分の睡眠覚醒リズムにミスマッチがあると、問題になります。夜勤、変則勤務、異なる時間帯にある地域への移動などで、体内時計が乱れて、うまく体が適応できなくなります。
出典:睡眠医療プラットフォーム
睡眠リズム障害があると、日中の眠気、疲労、頭痛、食欲の低下など、身体症状が出現します。人によっては、仕事あるいは勉強をしているときに、頭が働かないと感じます。
睡眠リズム障害の種類について
自分が眠りに入り起きるまでの時間帯のことを睡眠相と言います。
1.睡眠相後退型
- 夜なかなか眠くならない
- 朝起きられない
- 放っておくと昼近くまで寝ている
思春期に多く、中学生、高校生の朝寝坊、遅刻、不登校の原因の一つです。昼夜逆転の生活になる方もいます。受験勉強の時期になると、睡眠不足の影響もあることから、成績不良、進級への影響が大きくなります。留年の危機があり、病院に相談するケースも多いです。
小学校高学年から中学生にかけては、起立性調節障害による影響も忘れてはいけません。自律神経の働きが不安定であるため、起床困難のほか、立ちくらみ、疲れやすい、頭痛などの症状を合併します。
最近では、ゲーム障害が原因となることもあり、注意を要します。深夜までオンラインゲームに夢中になり、起床困難になるケースも増えてきている印象です。
朝起きられない悩みの方へ
受験期に多い悩みですが、宵っ張りの朝寝坊のパターンがあるときに考える病気です。
合併しやすい病気の特徴について。
中学生、高校生では、スマホ依存の生活から、生活リズムが崩れることがあります。
企業の中では、テレワークを導入している場合があります。在宅勤務によって、自由な時間が増える分、夜更かしをすることはありませんか。深夜までスマホ、ゲーム、趣味の活動をしていると、体内時計が遅れていきます。
2.睡眠相前進型
- 夜早く眠くなる
- 早朝に目覚めてしまう
先ほどの睡眠相後退型とは逆の特徴があり、高齢者に多くみられます。夕方早くから、眠気が出てくる、そして、午前3時から4時など、かなり早い時間に目が覚めてしまうものです。
3.シフト勤務による不眠、昼間の眠気
さまざな職業があり、夜の仕事、宿直のある仕事をしている場合があります。シフトワークによって、睡眠リズムが保てないため、体調が不良となるものです。
- 工場勤務
- 公務員(警察官、消防士、自衛官、役所関係など)
- インフラ系(交通、警備関係、マスコミなど)
- 医療関係
集中力が必要なときに、時差ボケのような症状が出るので問題となります。
夜勤・交代勤務の睡眠障害
シフトワークが睡眠と健康状態に及ぼす影響について。
業種によって不規則な勤務時間がある場合、残業が多い、早い出勤があるときに、寝不足による眠気も問題になります。
4.時差による影響
数時間以上の時差がある地域を、飛行機などで短時間で移動した際に起こると、現地時間に体のリズムが適応することができません。その結果、一時的な不眠や、日中の眠気といった症状が生じます。
5.睡眠時間帯が毎日ずれてしまう
眠るタイミングが毎日30~60分ずつ遅れていくもので、睡眠相が後退していきます。昼夜逆転などの症状が出ることがあります。そのため、問題なく眠れている時期と夜眠れない、昼間眠くてだるいという時期が周期的に出ます。
非24時間型の概日リズム睡眠覚醒障害と呼ばれる病気ですが、視覚障害者に多くみられます。
6.不規則なリズムになっている
アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患を持っている高齢者は、体内時計が適切に機能しないので、寝る時間と起きる時間がバラバラになります。
病院で受けられる治療とは
まずは、普段、いつ眠って、いつ起きるかを記録を始めます。睡眠日誌と呼ばれており、ログを見て、睡眠リズム障害の種類を特定します。
その後、生活習慣のアドバイスを行います。睡眠相を調節する目的のために、医師の指導のもと、光療法、メラトニン受容体作動薬を使った治療などを考えます。
別の治し方として時間療法があり、睡眠相後退型の睡眠リズム障害に用いられます。就寝時刻を1日に2時間づつ遅らせて調整することで、望ましい睡眠時間帯に修正していく方法です。