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睡眠障害の人がとるべき仕事の対処法
はたらく人に多い睡眠障害の悩み
ぐっすり眠れていないことで、仕事中の眠気、作業効率と判断力の低下、情緒不安定などが生じます。会社としては業務の生産性が上がらないので、早急に解決すべき問題です。
さまざまな睡眠障害によって、「仕事ができない」という悩みを抱えている従業員がいます。
本人は病気があることを気づかずに、無理をして働いている場合が少なくありません。そのようなとき、職場がとるべき適切な対処法を解説します。
どんな原因が多いか?
私たちの社会が24時間化しており、昼夜を問わず勤務している人がいます。夜勤・シフトワークの仕事をしていると、生活リズムが一定になりません。睡眠時間のばらつきが出てきます。
スマホの普及に伴って、就寝前にブルーライトを浴びる機会が増えること、そして、夜更かしすることが不眠の原因になっています。家でも仕事関係のことで、スマホを操作する機会が増えました。同時に、睡眠不足や睡眠リズムの問題が生じます。
コロナ禍を契機とした新しい生活様式は、働き方にも影響しています。テレワークが増えており、運動不足になっている人が少なくありません。さらに、対面でのコミュニケーションが少なくなる結果、上司、同僚、顧客とのやり取りにストレスを感じ、眠りが妨げられます。
高齢者が定年後も仕事をする場合が増えています。若年者と比較すると病気になりやすい世代が増加していることも、睡眠障害が増えている一因になっています。
近年、仕事のやる方が変わることも早く、新しいことに慣れるのにストレスを感じている高齢者もいます。
人生100年時代になった現在では、眠りに悩む高齢者の存在を忘れてはいけません。
職場のストレスの影響は、眠れない原因として多いものです。人間関係の問題、過重労働、ノルマのある仕事、残業が多いなど、複数の要因が重なっている場合があります。
職場でのいじめ問題は、働く人にとって深刻です。上司からのパワハラ、セクハラ、同僚からの仲間外しなどが、睡眠障害の発症に関係している可能性があります。
仕事をする場所において、いじめを受けることは、不眠症の発症につながります。
人間関係で悩み、夜眠れないという人が増えている印象です。最近では、部下からの嫌がらせで困っている管理職の人もいるようです。
放置すると体調不良につながる
睡眠障害が適切に治療されずに放置されると、高血圧、糖尿病、心臓病などの発症リスクが高くなります。安定した睡眠がとれないため、疲労回復が不十分になります。その結果、免疫力が低下して病気にかかりやすくなります。
睡眠不足が続くことで、精神面に悪影響が出ることが知られています。抑うつ、怒りっぽい、イライラする傾向が現れます。
出典:Is lack of sleep affecting your work? – UK Health Security Agency
不眠が続くと、うつ病が発症します。元気であった頃のように、朝起きられないので、会社を休むことが多くなります。無断欠勤をする場合があります。
仕事への影響について
睡眠障害があると、勤務中の集中力と判断力が落ちます。体調が良いときなら問題なくできる作業を難しく感じ、ミスが多くなります。注意力が散漫になる結果、通勤途中の運転事故、作業現場での事故が起きる確率が上がります。
日中の眠気が生じるので、居眠りが問題になります。寝ても寝ても眠いという状況になっているか確認してみましょう。
会社にとって、仕事の失敗および労災事故のリスクが高くなるので大きな問題になるでしょう。
睡眠不足によって、仕事のミスが増えること、本人がイライラすることが増えるので、中には感情の起伏が激しくなる人も出てきます。やる気がでない、気分が落ち込む人も出てきます。
職場の雰囲気が悪くなったり、対人関係がうまくいかなくなる問題が発生します。本人も仕事を続ける自信がなくなるので、辞める理由になります。
一般的に、睡眠の量、質に問題が生じると、病気の問題が起きます。その結果、病欠、就業不能になり、退職につながります。
出典:労働者の睡眠問題と勤務間インターバル – 労働安全衛生総合研究所
職場がとるべき対応とは
最初に本人との面談をして、仕事の内容と量を確認します。残業が多いときは、本人が所属している部署および関係者に相談して、時短勤務にしたり、雇用の形態を変えることを話し合います。
交代勤務がある場合は、本人が悩んでいる症状が解消するまで、固定勤務にすることを考慮してください。早目の対応として、社員が睡眠障害を抱えている様子があれば、睡眠を専門としている医療機関への受診を提案しましょう。
病気を治療せずに放置することで、仕事に支障が出る状況が続きます。本人も「つらい思い」をします。本人が病院を受診することについて、従業員の健康管理の上で適切であることを諭すことが大切です。
未然に睡眠障害を防ぐためにすべきこと
睡眠に問題があるときの兆候があるか、上司は注意して見守る必要があります。定期的な面談を行い、普段の様子に異変があるか、ストレスチェックをすると良いでしょう。
チェックテストを行うと、本人のストレスがどのような状況であるか調べることができます。
普段の睡眠がうまくとれていないときは、仕事の上で何らかのストレスを受けている可能性があります。過重労働、不規則な勤務時間、社内および社外でのストレス要因が、原因になっていることが多いです。本人が負担を感じないように、働き方の改善とサポートをしましょう。
地域にある産業保健総合支援センターでは、産業保健についての助言が受けられます。
産業医がいるときは、臨時で面談を行うことが大切です。その上で、睡眠障害を専門に診ている病院に紹介してもらってください。