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同行者に眠れない影響を及ぼす旅行のいびき問題
旅行のときに迷惑をかけるいびきの騒音
旅行の楽しさを半減させる「いびきの音」。誰もが一度は経験するこの問題には、ただ単に睡眠の質を低下させるという表面的な問題だけではなく、社会的な影響が潜んでいます。あなたは旅行中、「いびきで周囲に迷惑をかけているのではないか?」と心配したことはありませんか?
家族旅行や仲の良い友達との宿泊において、夜通しのいびきが人間関係のぎくしゃくを引き起こすことは、決して珍しい話ではありません。もしかしたら、旅行中、あなたは彼氏のいびきで悩んでいて、言い出せなくて困っているかもしれません。
また、旅の道中、宿泊先など、公共の場でのいびきは、自分が知らぬ間に、同じ空間に過ごしている人に対して、夜の静寂を搔き消し、迷惑をかけてしまう原因にもなっているのです。
あなたは、自分のいびきがうるさいということに気付いていないかもしれませんが、場合によっては、周りの人と口論に発展しかねない状況にもなります。その結果、今後、一緒に旅に出かけたいと思っても、お誘いが少なくなる可能性もあります。
このブログ記事では、いびきの悩みを抱える旅行者に向けて、放っておくとどんな問題が起きるのか、どうすれば解決できるのか、旅に出かける前に知っておきたいことをお伝えします。
いびきをかく原因とは
いびきは、睡眠中に気道が部分的に閉塞することで発生します。これは身体のさまざまな要因、生活習慣、環境要因によって引き起こされます。代表的な原因について、解説していきます。
たとえば、肥満はいびきの一般的な原因です。体重が増加すると、首周りの脂肪が増え、気道が狭くなることがあります。これにより、睡眠中にいびきが発生しやすくなります。
さらに、顎の形もいびきに影響を及ぼします。下顎が小さい人あるいは下顎が後退している人は、気道が狭くなりやすい傾向です。これは、肥満体型ではないアジア系の方に多く見られるいびきの原因の一つです。
多くの人が知っているかもしれませんが、飲酒はいびきを理由になります。アルコールは筋肉をリラックスさせる効果があり、これにより睡眠中に舌根が沈下しやすくなります。特に、仰臥位の睡眠で傾向が強くなります。
もともと、普段から肥満体型でいびきをかいている人が、旅先で飲酒量が多くなると、いびきを悪化させてしまいます。さらに、環境の変化によるアレルギー反応、宿泊施設のエアコン使用による乾燥などが鼻づまりを引き起こし、口呼吸を促して、いびきをかくこともあるでしょう。
季節的な影響を受けることもあります。具体的には春の季節では、花粉症によって鼻づまりがひどくなり口を開けて寝る人が多くなりがちです。この理由によって、いびきをかく人もいます。
旅先までの移動中と滞在先でのいびきの音
旅行中の移動や滞在先での大きないびきは、同行者と周りの人に対して、配慮しておかねばならない問題です。旅先までの移動中、例えば、夜行の長距離バス、寝台列車などでは、狭い空間での共有が必要となり、いびきの音は他の乗客に影響を与えることがあります。新幹線でいびきをかいて寝ている様子を見た経験はありませんか?
海路では、フェリーでの相部屋で他の乗客と一緒に寝ることになるかもしれません。飛行機の中でいびきがひどいとクレームを受ける事例もあります。
一方、滞在先では、ホテルや宿泊施設での大部屋での睡眠が必要な場合があり、いびきの騒音は同室の人々に影響を及ぼします。特に、異なる時差や気候の変化、不慣れなベッドや枕は、通常と異なる睡眠パターンを引き起こし、いびきをかきやすくなる理由になります。
旅行中のいびきが及ぼす影響
旅行中のいびきが引き起こす弊害については、同行者や他の宿泊客への睡眠の質への影響、そして、本人の社会的な恥ずかしさという2つの側面があります。
同行者や周りの人々の睡眠の質に関して、いびきは深夜の静かな時間帯に目立つので、安眠を妨害する要因になります。特に、相部屋でトラブルになります。もちろん、いびきが爆音レベルであると、隣の部屋で寝ている人への影響もあるでしょう。
例えばホステルや旅館、山小屋などでは、一人の大きないびきが同室で寝ている人々の休息を妨げる可能性があります。学生では、修学旅行、卒業旅行の相部屋のときに、周りの人に、負担をかけることもあるでしょう。
睡眠不足は、翌日の活動に影響を与えます。疲れがとれないので、同行者の体調が悪くなる懸念があります。せっかくの旅行気分を味わうことができないので、つらいです。
いびきをかくことによる社会的な恥ずかしさも無視できないでしょう。自分のいびきを知らない人に聞かれることで、気まずい思いをします。そのことが理由となって、ストレスや不安の原因となることがあります。
寝室環境の音によるトラブルは、新たに出会った人々との宿泊時や、ビジネス旅行での同僚との相部屋のときに起こり得ます。
いびきによって他人に迷惑をかけているという感覚は、旅行の楽しさを大きく損なうことになります。そればかりか、自分がいびきをかくことを初めて知った場合は、不安で眠れないという事態もあるでしょう。泊まりがけの旅行に参加することに、消極的になってしまう傾向があります。
もしも、楽しみにしていた新婚旅行中に旦那のいびきを聞いたら、パートナーは予期せぬ騒音に対して、驚きと不安の感情を経験するでしょう。そればかりではなく、不眠によって不快感とイライラが生じます。その結果、夫婦間の緊張やストレスが増える危険があります。
彼氏とのお泊り旅行なら、自分のいびきを聞かれて、翌朝に交際相手の冷めた視線が気になるかもしれません。
女性のいびきも多い問題です
仲の良い女性同士の旅行、出張で同僚あるいは上司と相部屋になったとき、 いびきは同室の他の女性の寝不足の原因になるかもしれません。同じ部屋であると、いびきの音が他人の快眠を妨げてしまいます。不眠になるので、リラックスできるどころか、疲労感を引き起こします。イライラや不満が、緊張感を生んでしまいます。
女性にとって、いびきはタブー視される傾向があり、あなたのいびきが爆音であったことを指摘されないかもしれません。その一方で、あなたがいないときに、いびきの音によって受けた被害に関する話題が出ている可能性もあるのです。
若い女性から更年期を迎えた女性まで、旅先でのトラブルになるので、同行者に迷惑をかけてしまう前に対策をしておくことが大切です。彼女のいびきを気にしているが言い出せないという交際中の男性は多いようです。
対処法について
旅行中の宿泊施設での部屋選びは、いびきをかく人にとって大切です。気になる人は、個室を選ぶほうが無難です。なぜなら、プライバシーが確保できること、そして、自分のいびきが他人の睡眠に影響してしまう心配がないからです。ただし、個室はコストが高くなる可能性があるため、予算の問題をクリアしなければなりません。
それに対して、大部屋を選ぶ場合、特にホステルなどでは費用を抑えられるメリットがありますが、いびきをかくことによるあなたの不安と心配が増えるかもしれません。
市販のいびき防止グッズの使用も検討しましょう。これには、鼻腔を拡張するノーズクリップや、口を閉じるためのいびき防止サポーター、チンストラップなどがあります。旅の前に試すことが大切です。
次に、寝姿勢についても注意してみましょう。仰向けで寝ると、舌がのど喉の奥に落ち込みやすくなり、いびきを引き起こしやすいです。このため、横向きが推奨されます。
さらに、旅先でのアルコール摂取について、見直してみましょう。アルコールは筋肉を弛緩させる作用があり、これが気道の閉塞を引き起こします。寝る直前のアルコール摂取および深酒を避けることを勧めます。
これまでに述べたセルフケアを行っても、いびきの音が解消しないときは、医師に相談してみましょう。
睡眠クリニックでは、いびきの頻度や大きさ、睡眠中の呼吸パターンの観察、そして関連する健康状態(例えば肥満、アレルギー、鼻の問題など)のチェックをします。その上で、いびきの原因を特定し、最適な対策を提案します。
病院で受けられる「旅行中のいびき対策」としては、マウスピースが候補としてあります。軽症の閉塞型睡眠時無呼吸であれば、保険適用で受けられる治療法です。
出典:Oral Appliance Therapy for Obstructive Sleep Apnea – Cleveland Clinic
重症の睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、CPAP治療を検討します。国内の旅行のみならず、海外への持ち出しもできます。
出典:CPAP travel tips: Flying with your CPAP machine – RESMED