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いびき防止の方法を知りたい方へ
いびきを止めたい相手は?
毎晩、寝るときに、騒音とも言える大きなイビキで悩んでいる方へ。隣で寝てる人の「うるさい音」のため、眠れない状況が深刻です。
男性に多い問題という先入観がありますが、女性でも、よくある悩みです。しかし、恥ずかしい思いをするのが嫌なので、病院に相談できず、一人で悩んでいることが殆どです。
外来で相談を受ける状況としては、次のような相手が多いです。
- 夫、嫁:配偶者
- 彼氏、彼女(同棲、泊まりのとき)
- 父、母(隣の部屋にいる、里帰りのとき)
旦那のいびきを何とかしたいと、奥様がストレスに耐えられず、一緒に相談に来ることが多くなっています。彼氏のいびきが大きいので、何とかしてほしいと思っている女性もいます。
他人のいびきの場合は、旅行中、出張中の宿泊先で問題になります。職業によっては、相部屋のいびきによる騒音に悩まされていることも多いです。
最近では、女性の相談者も増えています。中には歯軋りの音も合併することもあります。全然、眠れないと悩んでいるようです。
集合住宅では、隣に住んでいる住人から「いびき」のことで苦情を言われていると、切実に話をされる相談者もいます。
なぜ、いびきをかくのか?
鼻から喉にかけて空気の通り道の狭い場所があると、「いびきをかく理由」になります。さらに、気道が完全に閉塞すると、無呼吸になります。よくある原因について、解説していきます。
1.体重が増えて首が太くなった
肥満があると、首の回りに脂肪が沈着します。そのため、気道が周囲から圧迫されます。空気の通り道が狭くなるので、いびきの音が発生します。
2.鼻がつまってる
鼻炎、鼻中隔弯曲症があると、鼻づまりの原因になります。特に、花粉症の時期は、アレルギー性鼻炎がある人は、口呼吸になりがちです。
3.息の通り道に問題がある
扁桃が大きい、顎が小さく後退している顔立ち、そして、舌が大きい人は、気道が狭窄する要因を持っています。
自分で取り組むことができる対策とは
とりあえず市販のもので、いびきを止めるため、口コミで気道を拡げるグッズを購入する方がいます。いびきを防止するメカニズムを解説します。
1.横向きになって寝る
抱き枕を使う方法があります。仰向けで寝ると舌が後方に落ち込むので、気道が狭くなります。横向きに寝ることをサポートする枕を使用することで、いびきを防止する対策です。
寝方(横向きの体勢に)を変えてみることは、今すぐできる対策の一つです。
2.枕の高さを調節する
枕が高すぎると、首が前かがみの状態になります。前屈の程度がひどいと、気道が狭くなります。そのため、仰向けで呼吸がスムーズにできるか確認することを勧めます。枕の専門店への相談も検討しても良いです。
3.顔面の筋肉のエクササイズ
のどにある軟部組織、舌、顔面にある筋肉をトレーニングすることにより、鍛えることができます。海外の研究者から、口腔咽頭の運動が中等症の睡眠時無呼吸症に対して効果ありという、エビデンスが出ています。
ご自宅でできるトレーニング法として、あいうべ体操と呼ばれるものがあり、口呼吸から鼻呼吸になるためのエクササイズです(出典:奈良県医師会)。
4.口呼吸を防止する
市販の口を閉じるように顎にかけるサポーター、口テープを貼る、鼻テープで鼻腔を拡げることは、鼻呼吸を促進する手助けをします。
一般的には、口を開けて眠ると、舌根が喉の奥に下がるので、いびきの音が生じやすくなります。
サプリの効果は?
コエンザイムQ10、ビタミンEなどの抗酸化物質が含まれているサプリについては、睡眠時無呼吸があるときに、呼吸機能に良い影響があると報告されています。ただし、治療効果のさらなる検証が必要です。
5.顎の位置を矯正する
顎を前方に調整するタイプのマウスピースを活用します。寝ているときの顎の位置を前に誘導することで息の通り道が広くなります。出張中あるいは旅行中のいびきを対処したいときに、検討される方法の一つです。
歯軋り対策のマウスピースとは異なるので、ご注意ください。
6.アルコール摂取を控える
飲酒の習慣があるときは、寝る前のアルコール摂取を中止することが、いびき防止に役立ちます。特に、仰向けで、レム睡眠時には、舌が落ち込みやすくなるので、要注意です。
7.体重を減らす
肥満があるときは、減量することで、首回りの脂肪が減ります。脂肪組織による気道の圧迫がとれるので、いびきの音の軽減あるいは消失が見込めます。
医師が提案できる方法とは
・健康保険を使って治療できます
対症療法と呼ばれる、症状を軽減する治療として、マウスピース、CPAP治療があります。診察を受けること、そして、いびき、無呼吸の程度を検査で評価することで、睡眠時無呼吸症候群という診断を行います。
根本的に治す方法として、耳鼻科の手術があります。口蓋垂、および周辺の咽頭を切除することで、喉を拡大させます。
手術を選択する場合は、治療効果の見込みがあるかどうかを含めて、事前に睡眠時無呼吸の重症度について、睡眠専門医の評価を受けることが大切です。