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金縛りの特徴と対処法
睡眠麻痺とは
入眠時または睡眠からの覚醒時に、数秒から数分間、体幹と手足を自由に動かすことができなくなる現象です。就寝するときに不安や恐怖を感じ、苦痛を生じる特徴があります。睡眠麻痺は幻覚を合併することがあります。
日本では、金縛りという別名がありますが、心霊現象ではありません。健常者でも起きることがあります。医学的な病名として、反復性孤発性睡眠麻痺と呼ばれており、「レム睡眠に関連した睡眠時随伴症」の一種です。
どのくらいの人が金縛りを経験していますか?
統計によって異なりますが、5~40%です。
何歳くらいで症状が出ますか?
睡眠麻痺が初めて発症する平均年齢は、14~17歳です。
出典:Sleep Paralysis – Sleep Education by AASM
原因について
私たちの睡眠は、ノンレム睡眠から始まりレム睡眠に移行します。しかし、何らかの原因によって寝入りばなにレム睡眠が生じると、覚醒しているときに非常に近いので、レム睡眠による筋緊張の消失に伴う症状を金縛りとして自覚します。同時に、夢を見るので幻覚が生じます。
睡眠不足と不規則な睡眠リズムがあると、睡眠麻痺を起こしやすいことが分かっています。寝る体勢としては、仰向けで眠っているときに金縛りを経験することが多い傾向です。
精神ストレスの関与、家族性の場合もあります。
中枢性過眠症に分類されているナルコレプシーでは、睡眠麻痺と入眠時幻覚を伴うことが多いことが知られています。
出典:町田市医師会
どんな症状が問題となっているか
- 意識があるのに体を動かすことができない
- 苦しくて声を出そうとしても、声が出ない
- 体を圧迫されている感じがして息苦しい
- 幽霊のような影が見えて怖いです
- 体外離脱のような感じがした
- 誰かに触られたような感覚がある
- 耳鳴りがする
- 悪夢を見る
睡眠麻痺を頻繁に経験すると、眠りに対して怖い印象を持ち、眠れないことがあります。眠っているときに息ができないと訴える人もいます。熟睡できないので、翌日に疲労感、眠気が残ります。
診断の方法
眠りに入るとき、あるいは睡眠から覚醒に移行したときに、恐怖や不安を伴った金縛りの症状が繰り返して起きることを確認して、診断します。睡眠麻痺の持続時間の目安は、数秒から数分程度です。そして、他の睡眠障害、精神疾患、薬剤の影響を除外することが必要です。
反復性孤発性睡眠麻痺とナルコレプシーの鑑別が重要です。
どんな精神病で睡眠麻痺はよく起こりますか?
心的外傷後ストレス障害です。
何科の診察を受けるべきですか?
精神科、心療内科、脳神経内科です。
どんな場合に睡眠検査ですか?
通常は病歴と臨床経過によって、睡眠麻痺を診断できます。しかし、他の睡眠障害による影響が疑われるときは、終夜睡眠ポリグラフ検査による評価が必要です。
治療について
規則正しい睡眠リズムと十分な睡眠時間をとることが重要です。睡眠麻痺の症状は自然に消失することが多いので、基本的に投薬することは少ないです。
金縛りと幻覚の症状に対して不安があるとき、翌日に疲労感と眠気が生じているときは、薬物療法を考えます。医師は睡眠麻痺の症状を消失させるために、レム睡眠を抑える作用のある抗うつ薬を処方することがあります。
ナルコレプシーという病気の症状として、睡眠麻痺が出現しているときは、睡眠専門医の診察を受けて下さい。
予防法について
- 規則正しい就寝と起床時間を心掛ける
- 睡眠時間を十分に確保する
- アルコール摂取を控える
- ストレスを解消する
- 横向きに眠るようにする