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睡眠時無呼吸は高血圧の原因になります
降圧剤を飲んでいるけど血圧が下がらない方へ
- 病院の薬をきちんと飲んでいるけど、血圧が高い。
- そういえば、大きなイビキをかく
- 体重が増えてきた・・・
職場の健康診断などで、高血圧の治療を勧められている方で、睡眠時無呼吸が関係している場合があります。岐阜市にある当院の循環器内科でも、よくある相談の一つです。
睡眠時無呼吸の血圧への影響について
普段、特に症状がなくても、いびきをかく人に高血圧が多いことが知られています。
眠っているときの呼吸が不十分である、あるいは何度も呼吸が止まる状態が続くと、体内の酸素が不足していきます。人は何とか努力して呼吸しようとするので、脳が一過性に覚醒した状態になります。当然、睡眠が妨げられるわけですが、このとき、交感神経が亢進します。
交感神経には、脈拍と血圧を上昇させる作用があります。一晩に何度も努力呼吸による覚醒が生じるので、交感神経によって血圧が変動する原因となります。この交感神経の亢進が夜間だけでなく,日中にも影響が続いて高血圧になると考えられています。
治療抵抗性高血圧とは
生活習慣(食事、運動、睡眠)を改善して、適切な用量の3種類以上の降圧薬(利尿剤を含む)を服用しても、正常血圧にコントロールできない状況です。
いろいろな原因がありますが、睡眠時無呼吸症候群との関係が注目されています。
一般的には、治療抵抗性高血圧の70~80%に、睡眠時無呼吸症候群が合併していると報告されています。
治療抵抗性高血圧の中で、閉塞性睡眠時無呼吸が合併しているときは、交感神経活性の亢進が関係していると考えられています。
出典:苅尾 七臣, 睡眠時無呼吸症候群と高血圧;J Cardiol Jpn Ed, 7(1), 32-37,2012
内科の外来に通院している方で血圧がなかなか下がらないときは、いびきをかいているか家族に聞いてみましょう。自覚症状がない場合でも、睡眠時無呼吸が血圧の上昇を引き起こしている場合があります。血圧と睡眠は関係があることを理解することが、健康管理の上で大切です。
血圧が高いときにチェックする項目とは
- 大きないびきをかく
- 眠っているときに呼吸が何度も止まる
- 昼間の眠気が強い
- 体重が増えてきた
- 起床時の頭痛、頭が重い症状
一つでも項目に当てはまれば、睡眠時無呼吸が合併している可能性があります。放っておくと、薬でも血圧がなかなか下がりません。
それどころか、狭心症、心筋梗塞、脳卒中の発症リスクが高くなります。早目に医師の診察を受けましょう。
治療法について
1.減量と嗜好品の管理について
痩せることは、肥満の程度が下がることから、血圧と睡眠時無呼吸の両方に良い治療効果を期待できます。アルコール、禁煙の習慣も是正することが大切です。
2.重症の場合
CPAP機器と呼ばれる、呼吸を補助する医療機器を使います。鼻から圧をかけた空気を取り入れる方法で、無呼吸を解消します。
3.軽症の場合
歯科で口腔内装置(マウスピース)を作製して、眠っているときに装着します。いびき対策にも有効です。