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血圧が高い理由は睡眠障害かも?
高血圧と睡眠のつながり
血圧と睡眠、これら二つは私たちのからだに、大きな影響を及ぼしています。高血圧は、心臓病や脳卒中といった怖い病気のリスクを上げます。また、睡眠の質は、私たちの心とからだの健康、そして生活の質に大きく関わっています。
「血圧が高い」、「良い眠りが取れない」といった問題は、別々に起こることがあります。しかし、これら二つの問題は、実はとても深くつながっています。多くの医学研究が、その関連性を明らかにしています。
もし、あなたが高血圧の問題を抱えているなら、ぜひ睡眠の見直しを考える良い機会です。質の良い睡眠をとることで、血圧をより良く管理できるようになるメリットがあります。まだ詳しく知らないという人も、この記事を通じて、健康に暮らすための新たなヒントを手に入れてください。
高血圧を放置すると起きる健康リスクとは?
血圧が高くなる状態が続いた場合に起きる病気について、主要な臓器別にいくつか挙げてみましょう。
病気 | 特徴 |
---|---|
心臓病 | 高血圧は心臓に負担をかけ、動脈硬化を引き起こします。その結果、心臓の病気のリスクを高めます。特に、狭心症、心筋梗塞、心不全が発症しやすくなります。 |
脳血管障害 | 血圧が高いと、脳にある血管にダメージが生じるので、血管が詰まったり、破れて出血したり、脳梗塞や脳出血のリスクが増します。高齢者では、特にリスクが高くなります。 |
腎臓病 | 腎臓には、たくさんの微細な血管があります。高血圧が持続すると、腎臓にある血管と腎細胞がダメージを受けます。腎臓の働きが低下し、さらに血圧上昇の要因になります。 |
視覚障害 | 目の中で、特に影響を受けやすいのが、眼底にある網膜です。網膜を栄養している微細な血管に負荷がかかり、出血することがあります。眼底出血による視力の低下を引き起こします。 |
出典:High blood pressure dangers: Hypertension’s effects on your body – Mayo Clinic
血圧と睡眠:両方へのアプローチ
高血圧と睡眠障害の関連を理解することは、あなたの病状を改善するために役立ちます。片方の治療を行うだけでは、不十分です。
血圧を管理することで、睡眠の質を改善させることもあり、逆に睡眠の状態を良くすることで、血圧コントロールが良好になる可能性もあるのです。
例えば、寝不足が長く続いた状況は、血圧が上がりやすくなります。さらに、毎日少しずつ積み重なる睡眠不足である睡眠負債を放置すると、高血圧が発症します。
血圧と密接に関係する睡眠障害として、睡眠時無呼吸症候群が有名です。睡眠中に呼吸が一時的に止まることで、体が酸素不足になります。努力して呼吸しようとして、交感神経の働きが過剰になります。このことは、血圧を上げる要因になります。
高血圧が引き金となって発症した虚血性心疾患、脳血管障害、腎不全などの病気の治療を受けている、あるいは、その疑いがあるので診察を受けている場合、睡眠の習慣について見直すことを勧めます。
不眠はさまざまな病気を悪化させる要因になることを覚えておきましょう。
血圧が高いなら睡眠を見直してみよう
健康診断で血圧が高いと指摘された方、血圧を下げるために様々な対策を試しているかもしれません。塩分およびカフェイン摂取を控えること、減量に取り組むこと、運動といった生活習慣の見直しは一般的に推奨される方法です。しかし、実はそれだけでなく「睡眠」の見直しも大切なのです。
1. 良質な睡眠で血圧をコントロール
睡眠には身体を休息させる働きがあり、血圧が自然に下がります。このように睡眠は、次の日の活動に備えて、疲労を解消させる役割を果たしています。
しかし、寝不足があったり、睡眠の質が悪かったり、眠りが不十分であると、高血圧を発症させやすくなります。夜更かしの習慣はありませんか。よく寝ることは健康管理の基本です。
2. 睡眠不足はストレッサーになります
寝不足は身体にストレスを引き起こし、これが血圧上昇の一因となります。自律神経の調節が不安定になるので、さまざまな身体症状も出現します。
十分な睡眠をとることで、副交感神経が優位になり心身ともにリラックスさせ、血圧を安定させます。
3. 睡眠時無呼吸症候群の可能性
睡眠中に呼吸が何度も止まることが繰り返されると、低酸素血症、交感神経の亢進を引き起こします。そして、高血圧を引き起こします。
日中に疲れやすい、いびきが大きい、朝起きた時に頭痛がするといった症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が考えられます。
夜に血圧が下がらない状態は、夜間高血圧と呼ばれています。いびき、無呼吸があると、体にストレスがかかり、副交感神経が優位にならないので、血圧が上がる要因になります。そして、夜間高血圧は、心筋梗塞、脳卒中の発症リスクを上げるので危険です。
数種類の降圧剤を飲んでも、なかなか血圧が下がらなくて困っている人がいます。夜間の睡眠の様子をパートナーに聞いてみましょう。いびきをかいているなら、ぐっすり眠れていないかもしれません。主治医に相談することを勧めます。
どんな人が血圧と睡眠を見直すべきか?
血圧が高いこと、そして、睡眠の問題は、自分では気づかないことが多いです。なぜなら、初期段階では目立った症状が出ないことがあるからです。しかし、高血圧と睡眠障害を対処せずに、長期に放置すると、健康面に大きな影響を及ぼします。
どのような人が、血圧と睡眠を見直すべきか挙げてみましょう。以下に示す人物像はあくまで一例であり、それぞれの生活習慣や体質、年齢などにより異なります。
不規則な生活を送っている人勤務時間が不規則であったり、深夜まで働くことが多い人は、睡眠時間が十分に確保できない場合があります。また、食生活も乱れやすく、血圧に悪影響を及ぼす可能性があります。
人物像 | 特徴 |
---|---|
ストレスを感じている人 | 日常生活や仕事におけるストレスは、不眠を引き起こす原因となります。また、大きなストレスは、交感神経の働きを強めるので、血圧上昇を引き起こす要因になります。 |
高齢者 | 加齢により動脈硬化の影響があるため、自然と血圧が上がりやすくなります。また、高齢者は睡眠の質、睡眠時間が低下する傾向にあります。同時に睡眠リズムも乱れやすいです。 |
運動不足の人 | 適度な運動は、血圧を下げる効果があります。運動不足の人は血圧が高くなりやすく、また体を動かさない生活を続けていると、睡眠の質を下げる要因ともなります。 |
家族歴がある人 | 家族に高血圧の人がいる場合、遺伝的に高血圧になりやすい可能性があります。家系的に心臓病、脳血管障害を治療している血縁者がいるなど、遺伝的要素も注意すべきです。 |
更年期の人 | 女性ホルモンのエストロゲンが減少し、血管拡張作用が低下します。その結果、血圧が高くなります。その他、ホットフラッシュや夜間発汗などの症状が、不眠を引き起こします。 |
血圧と睡眠について、気になる場合は、 スマートウォッチ、スマホのアプリなどで自分の状態がどうなっているか調べてみることも良いかもしれません。
まとめ
高血圧がある場合は、血圧のコントロールのために、睡眠の対策をすることが大切です。一方、質の良い睡眠を十分にとることは、高血圧を予防するのに役立ちます。
睡眠不足をなくし、十分な睡眠時間を確保するという生活習慣を心掛けましょう。いびきをかいている人は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるので、医療機関に相談することを勧めます。