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CPAP治療中でも眠気が取れないとき
CPAPを使っても眠いので悩んでいる方へ
睡眠時無呼吸症候群と診断されてCPAP治療を継続している人の中で、眠気が取れないという悩みを持っている場合があります。10%程度の人が、眠いので困っていると報告されています。
眠気が生じている原因は様々ですが、どうしたら良いか困っている相談をよく受けています。睡眠専門医が「あなたがとるべき行動」をお伝えます。
眠いときに考えること
- CPAP機器の使用状況とトラブル
- 睡眠衛生の不良
- 他の睡眠障害の影響
- 眠気に関与する体の病気
- メンタルヘルスの不調
- 薬剤の影響
CPAP治療について確認すること
1.マスクからの空気漏れがないか
適切なマスクのタイプとフィッティングが大切です。
2.CPAPの空気圧は合っているか
設定されているCPAPの空気圧が不十分であると、無呼吸が残存します。一方、圧が強すぎると中枢型睡眠時無呼吸が出現することがあります。毎月、治療効果の判定を行います。
適切な圧を決めるために、CPAPタイトレーション検査を勧めます。
3.治療の状況は問題ないか
CPAP治療を3ヶ月以上、継続していることが必要です。そして、1日当たり4時間以上、週5回以上のCPAP治療の使用が必須です。
外来では、あなたのCPAP機器の使用状況を確認します。
4.CPAP治療のトラブルはないか
喉の乾燥、鼻づまりなどがあり、マスク装着が不安定であるときは、CPAP機器専用の加湿器を試すこと、そして、耳鼻咽喉科による鼻の治療を受けてください。
過眠を引き起こす他の原因を除外すること
種類 | チェックすべき内容 |
---|---|
睡眠の習慣 | 睡眠時間が十分であるか、睡眠リズムが規則的になっているかをみます。最低でも睡眠日誌の記録を2週以上続ける必要があります。カフェイン、アルコール、喫煙の影響がないかも、確認します。 |
他の睡眠障害 | 交代勤務による概日リズム睡眠障害、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害、ナルコレプシー、過眠症が合併していないか調べます。 |
体の病気 | 眠っているときの覚醒の原因、睡眠の分断化に関係する、痒み、疼痛、呼吸苦などの症状をきたす病気があるか確認します。具体的には、アトピー性皮膚炎、慢性関節リウマチ、慢性心不全、気管支喘息などの基礎疾患のコントロールを評価します。 |
こころの病気 | うつ病、不安障害などは、眠りの質に影響することが多く、不眠を引き起こします。そのため、精神の状態についても、評価する必要があります。 |
薬の影響 | こころの病気を治療するために、抗うつ剤、精神安定剤が使われるあります。これらの薬剤は眠気の副作用があります。そんため、薬剤が眠気に及ぼす影響について、担当医が判断します。 |
出典:モディオダール錠適正使用ガイド – アルフレッサファーマ株式会社
モディオダールの効果について
CPAP治療後の残遺眠気に対しては、モディオダールと呼ばれる中枢神経刺激薬を用いることができます。この薬は、ナルコレプシー、特発性過眠症にも保険適用があります。
薬を服用することで覚醒を維持することができ、眠気を減らすことができます。日常生活の活動が改善することが報告されています。
薬は少量が使用し、副作用の発現がないか経過をみます。日々の生活において、薬を飲んでも睡眠衛生の徹底とCPAP治療のコンプライアンス遵守が必要になります。
モディオダール処方の保険適用について
国内では、モディオダール適正使用委員会に登録された確定診断を行う医師による診察を受けて、MSLTと呼ばれる眠気を客観的に調べる検査による評価が必要です。眠気を来たす他の要因を除外した上で、精査が行われます。
MSLTで得られた平均睡眠潜時(5回の昼寝のセッションで寝付くまでの時間の平均値)が8分以下であることが必須条件です。
出典:睡眠時無呼吸症候群でのCPAP治療施行と、それでも残る日中の眠気への対処 – スイミンネット
まとめ
CPAP治療中に眠気があるときは、担当医と相談して、CPAP治療が適切に行われているかを確認してください。そして、あなたの眠気に関与する別の要因があれば、医師が治療します。
適切な対処法をしても眠いなら、モディオダール適正使用委員会に登録されている「確定診断を行う医師」の診察を受けて下さい。そして、あなたの眠気を客観的に調べるために、反復睡眠潜時検査を検討すべきです。