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入院中に同室のいびきの騒音で眠れない問題と対処法
入院しているときの同室患者のいびき問題
入院生活は、体の回復だけでなく、精神的な安定も求められる重要な期間です。しかし、多くの患者にとって、療養すべき時間に直面する大きな問題の一つが「いびき」という音の問題です。実際に体験した人にとっては、騒音と捉えているかもしれません。
特に、大部屋での生活では、自分のいびきが他の患者に与える影響が心配です。例えば、深夜に同室の患者から「大きないびきで眠れない」とのクレームを受け、自分ではどうすることもできず、心を痛めることがあります。
このような経験は、いびきをかく本人にとっても、周りの患者にとってもストレスの原因となり得ます。
いびきはうるさい音の問題だけではありません。多くの場合、いびきは睡眠の質を低下させ、治療中の体の回復を妨げる可能性があります。そして、いびき呼吸は健康上の問題(睡眠時無呼吸症候群)が潜んでいるサインであると捉えることもできます。
入院中のいびきは、自身や他人の睡眠を妨げる騒音の問題という面だけではなく、病気としての側面もあるのです。このブログ記事では、病院の相部屋でトラブルになりやすい「いびきの問題」について語っていきます。
同室患者のいびきのストレスとは
夜中、部屋に響き渡るいびきが引き起こすストレスは、患者間にとって深刻な問題となることが多いです。なぜなら、騒音によって、寝れない状況が生じるからです。
具体的には、不眠があります。轟音によって寝つきが悪くなる、途中で目が覚めてしまう、さらに、中途覚醒の後にうるさいので再び寝付くことができないことが問題となります。眠りも浅くなるので、連続的な睡眠を妨げます。
寝不足の状況になり、十分な休息を得られません。その結果、疲労感、集中力の低下、昼間の眠気などの問題が生じ、患者の日中の活動にも影響を及ぼします。
いびきによる睡眠障害は、患者の心理的な健康にも悪影響を与えることがあります。睡眠不足はストレスや不安感を増加させ、患者の心理状態に悪影響を与えます。
相部屋で療養しているときは、他の患者とのコミュニケーションが悪化する事態になります。場合によっては、厳しいクレームを言われることもあるでしょう。それどころか、ストレスは、病状の回復過程にも影響を及ぼす可能性があります。
出産の入院で起きるいびき問題
出産する際に入院するときも、いびきの音に関するトラブルはよくあります。
妊娠中は母体の変化によりいびきをかきやすくなることが知られています。なぜかと言うと、妊娠による体重の増加やホルモンの変化などが影響して、上気道が狭くなりやすくなるからです。したがって、出産前後の入院中に、多くの妊婦がいびきをかくことになります。
妊婦のいびきが問題になる一つの理由は、母体と胎児の健康に影響を及ぼす可能性があるためです。いびきは睡眠時無呼吸症候群の兆候であり、母体の血圧および糖代謝の調節に影響することが知られています。もし、重度の閉塞型睡眠時無呼吸があれば、夜間の低酸素血症が生じているだけではなく、睡眠の質も低下します。
騒音という問題から見れば、入院中に同室の他の妊婦や産後のママに及ぼす影響も大きいです。いびきの音は、同室にいる女性患者の睡眠を妨害する可能性があり、母体の休息にとって負の影響を与えてしまう懸念があります。
慣れない新生児の世話で精一杯になっている産後ママにとって、同室の人がかいている激しいいびきは、不眠の原因になるでしょう。それが、毎晩続くことになれば、精神的にも参っていまいます。その結果、いびきの音の対処を求められたり、文句を言われたり、関係が悪化します。
切迫早産と診断されて安静を要するため、産婦人科の病棟で一ヶ月くらい入院することもあるでしょう。もし、普段からいびきをかいていると自覚しているなら、事前に対策を考えておくことを勧めます。
個室にすべきか?
入院中のいびきは、相部屋で療養している患者や看護スタッフとの良好な関係を維持する上で配慮が必要です。まず、いびきが同室の患者の不眠を引き起こしている可能性があることを理解しましょう。その上で、同室の人々に、自分がいびきをかくことを伝え、理解を求めましょう。さらに、担当してくれる看護師にも、その悩みについて伝えておいたほうが無難です。
個室を選択することも、いびきによる同室の人への影響を回避させるための方法です。大部屋と比較すると、個室はプライバシーが保たれ周囲を気にする必要がないため、いびきをかく人にとっては選択肢となり得ます。ただし、個室が空いていること、差額ベッド代が必要になることを知っておきましょう。
入院したときに、同室のうるさいいびきが気になったときの対応策は?
隣のいびきに対する手軽な対策は、耳栓を装着することです。そして、早めに、病院側に部屋移動の希望を伝えておくことです。
自分でできる対策について
入院中のいびき対策には、いくつかの対処法があります。まず、寝姿勢を変えてみましょう。多くの人は仰向けで寝るといびきをかきやすくなりますが、横向きに寝ることで気道が狭くなることを防ぐことができます。その結果、いびきが軽減される場合があります。枕の高さも調節することで、首の位置が適切に保たれ、いびきのリスクを減らすことができます。自分にあった枕を持ち込みができるか、病棟の看護師に聞いてみましょう。
病院で相談できるいびき対策
いびきをかく病態は、軽症から重症の順にあげると、単純性いびき症、上気道抵抗症候群、そして、閉塞型睡眠時無呼吸症候群があります。
BMIが30以上の肥満の入院患者において睡眠時無呼吸症候群が高率にみられるという報告もあり、健康上の問題もあるので、早めに評価を受けて治療を開始すべきです。
軽症の場合は、マウスピースがあります。これは、眠っているときに下顎を前方に誘導させることで、気道を拡大させる効果があります。この治療法を選択するためには、医師による診断と歯科によるマウスピース作成の手順が必要になります。そのため、マウスピースが手に入るまでに、3週間かかります。歯ぎしりの対策も同時にできるメリットがあります。
それに対して、中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群の診断を受けると、CPAP治療が選択肢の一つになります。この治療法は、就寝中に気道に陽圧を持続的にかけることで、気道を拡げます。