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寝言を詳しく知りたい方へ
寝言のよくある質問と回答
寝言とは何ですか?
眠っている間に話をする現象です。同じ部屋で寝ている人に指摘されることが多く、しゃべっている音によって、周囲の人々の睡眠が妨げられます。本人が覚えていることは少ないです。
出典:American Academy of Sleep Medicine. International Classificationof Sleep Disorders. 3rd ed. Darien, IL:American Academy of Sleep Medicine; 2014.
どんな睡眠のときに寝言を言いますか
ノンレム睡眠(75-80%)とレム睡眠(20-25%)の両方において、寝言が生じることがあります。
どんな原因がありますか
ストレス、うつ病、睡眠不足、アルコール摂取などは、寝言を引き起こす原因になります。
家族性の要因もあります。その他、悪夢、睡眠時無呼吸、レム睡眠行動障害などの病気でも、寝言が出現することがあります。
出典:Sleep Talking – Sleep Foundation
寝言は遺伝することがありますか
遺伝的要因が報告されています。ただし、成人の場合は、こころの病気の合併が多いことが多いようです。
寝言を言う人の割合はどのくらいですか
一生のうちに、寝言を経験したことがある人は、約67%と報告されています。
子どもの寝言はどのくらいありますか
3歳から10歳の子どもの寝言を調べた調査では、約半数の子どもが、少なくとも年に1回、寝言を言っているようです。
出典:Reimão et al. Prevalence of sleep-talking in childhood. Brain Dev. 1980;2:353-7.
何を話していますか
深いノンレム睡眠のときは、「むにゃむにゃ・・・」と意味が不明なものが多い印象です。その他、外来での聞き取りでは、独り言のような内容、うなる、笑うこともあるようです。一方、うめき声を発する場合もあります。
ストレスが関係している場合では、仕事のエピソードを話していることが多いようです。その場合、怒り口調のときもあります。
睡眠アプリで自分の寝言に気づいて驚く人もいます。
どんな病気のサインですか
レム睡眠行動障害と呼ばれる病気の症状で、パーキンソン病の発症と関わりがあります。会話している寝言が、しばしば出現します。大きな声を出す、叫ぶ、夢の内容に反応した行動を伴っていることが特徴です。
レビー小体型認知症の特徴として、アルツハイマー病、血管性認知症、前頭側頭葉変性症と比較すると、寝言を言うことが多く、大声となる割合が多いことが報告されています。
どんな対策をすれば良いですか
寝言を防止する方法は確立されていません。外来で寝言の悩みで困っている人の話を聞くと、ベッドパートナーが、耳栓をする、別の部屋で寝るようにしているなどの対策をとっているようです。
自分でできる対策としては、良い眠りを送るための睡眠衛生の徹底を勧めます。
- 睡眠不足をなくす
- 寝酒を止める
- 日々のストレス解消
寝言に返事をすると、脳の覚醒反応が生じて、眠りが浅くなります。そのため、応えないようにしましょう。
どんなとき医師に相談すべきですか
寝言が、あなたの眠りを妨げており、日中の活動に支障があるときは、睡眠クリニックの診察を受けることを勧めます。具体的には、集中力が低下している、昼間の眠気が強い場合です。
特に注意すべきサインは、次のようなものです。
- 激しい寝言がある(大声を出す、怒鳴る)
- 体を動かす(手足がバタバタしている)
- 悪夢を見て、うなされている、暴れる症状
眠っているときの様子は、自分では分からないので、パートナーに寝相、寝言の状態を確かめてもらうことが大切です。アプリで録音する方法も良いアイデアです。
大きな寝言があり、寝相が悪い場合は、レム睡眠行動障害の可能性があります。放置すると怪我の危険があるので、睡眠専門医に相談しましょう。