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睡眠時に息ができない原因
夜中に呼吸が苦しくなる
息が苦しいと感じることは、息切れとも表現できます。私たちの体は、酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出しており、絶えず換気しています。
何からの理由によって、体内の酸素が不足する、二酸化炭素が増えると、苦しく感じるようになります。生命の維持が困難となると、「苦しい」と感じるようになります。呼吸困難と表現する人もいます。
夜中に苦しい思いをするので、睡眠不足になり、昼間の眠気が生じることがあります。
- 気道の問題
- 肺の病気
- 心臓の病気
- 睡眠時無呼吸症候群
- ストレス
さまざまな原因がありますが、このページでは、睡眠中に息が苦しい理由に焦点を当て、解説します。
肺の病気は息切れの原因に
小児期から成人まで、気管支喘息は、夜間の息苦しくなる理由の一つです。気道の慢性炎症があり、気道過敏性が亢進し、気道が狭窄する病気です。
咳、痰、喘鳴の症状が生じ、呼吸困難を感じます。季節の変わり目、アレルゲン(花粉、ハウスダストなど)感染症、疲労、ストレスなどが引き金となって、喘息発作が起きます。
息が吐けない、詰まる、うまく息が吸えない、息ができないなどの症状を訴えて、病院に治療を相談されることが多いです。
心不全の症状
心臓はポンプ機能により、全身に血液を送り出し、組織に酸素と影響が行き渡るようにする働きがあります。何らかの原因によって、心臓の機能が低下して体に必要な血液量を送り出せない状態が、心不全と呼ばれています。
息切れ、浮腫(むくみ)、倦怠感などの症状が出現します。
夜眠っている状態であると、心臓に戻ってくる血液が停滞します。その結果、肺、胸腔内に水が溜まることが生じます。ガス交換が困難になるので、息切れ、息が苦しくなる症状を自覚します。
特に、夜間帯に症状が悪化することが多いです。
心不全の原因として、高血圧、狭心症、心筋梗塞、心筋症、心臓弁膜症、先天性心疾患、不整脈などがあります。
夜中に突然、不整脈の一種である心房細動が出現すると、動悸や息苦しさを自覚する場合もあります。
タバコに関係する慢性閉塞性肺疾患
冒頭で説明したように、肺は必要な酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出する働きをしています。長期間、タバコを吸っていると、肺胞、気管支に炎症が起きて、肺組織の破壊が進行します。慢性閉塞性肺疾患と呼ばれる呼吸器の病気です。
病気が進行すると、歩いているとき、階段を昇降するときに息切れを感じます。そして、咳、痰が続きます。夜間では、気管支が狭窄する傾向があるので、睡眠時に息が苦しい理由になります。
・呼吸器内科の診察を勧めます。
タバコを止めるために禁煙外来の受診も検討しましょう。
睡眠時無呼吸の影響
眠っているときに、いびきをかいたり、息が止まる症状はありませんか。肥満、顎が後退している人に多い睡眠障害の一つです。睡眠時無呼吸症候群では、夜間に息が苦しいと感じる方がいます。
気道が塞がることで、睡眠時に酸素が取り入れることができず、息が苦しいと感じます。特にレム睡眠中では、舌の筋肉が緩むので、無呼吸発作が長くなりがちです。
先ほど説明した、慢性閉塞性肺疾患と睡眠時無呼吸症候群が合併すると(overlap症候群と呼ばれる)、低酸素血症が重度になるので要注意です。
眠れないという方で、睡眠薬を処方される場合があります。普段からいびきをかいている場合、睡眠薬を飲むことで、気道の筋肉が緩み無呼吸発作が出る危険があります。夜、息が苦しいと感じる理由の一つになるので、注意しましょう。
ストレスも関係することがあります
精神ストレスの関与も、息が苦しい理由の一つになります。私たちが恐怖、不安を感じたり、緊張したりすると、自律神経が変化します。
特に、交感神経が亢進すると、循環器への影響として、脈拍数と血圧が上昇します。呼吸が頻回になるので、夜間帯において、息が苦しいと感じることがあります。
・精神科・心療内科での診察を勧めます。
就職、進学、休み明けなど、環境の変化にうまく順応できないときに、身体症状の一つとして、息が苦しいと感じる方もいます。適応障害になると呼吸が苦しいと自覚する可能性があります。五月病にも注意したいものです。
その他、不安障害の一種であるパニック障害でも呼吸困難を感じることがあります。
対処の仕方
・一人で悩まず病院に相談してください。
さまざな要因が、息苦しいという症状に関係しています。そのため。外来では、循環器、呼吸器の問題がないか、ストレスの問題がないか、そして、睡眠障害の有無について、評価していきます。
原因が見つかれば、その病気に対する治療を開始します。