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心房細動の相談ができる病院を探している方へ
心房細動とは
心房細動は不規則に心臓が拍動することが特徴で、頻脈になることが多い不整脈です。高齢者に発症することが多い心臓の病気です。
原因について
心臓の左心房と肺静脈の連結部分から異常な興奮が発生することで、不整脈が生じます。肺静脈由来の高頻度の電気刺激が心房内を旋回することで、心房が小刻みに動くと考えられてます。
心電図の特徴
- 基線が細かく揺れている(f波)
- P波が欠如している
- RR間隔が不規則である
脈の打ち方が一定ではない特徴を有する不整脈であり、頻脈を伴うことが多いです。
種類について
普段は正常の洞調律ですが、何らかの誘因によって心房細動が出現し、元の洞調律に戻るタイプを発作性と呼びます。一方、いつも脈の打ち方が不規則である慢性のタイプがあります。
発作性心房細動は、加齢に従って慢性のタイプに移行する可能性があります。
どんな要因があると発症しやすいか
加齢と高血圧の要因があると、心房細動が発症する危険が高くなります。
肥満症、心臓の病気(心不全、虚血性心疾患)、甲状腺機能亢進症、糖尿病、慢性腎臓病も危険因子として知られています。
出典:Atrial Fibrillation – Centers for Disease Control and Prevention
症状について
日常生活で症状を自覚しない人もいます。訴えで多いのは、脈がバラバラに打っている、動悸がある、疲労感、めまい、息切れ、胸の不快感などがあります。
出典:What is atrial fibrillation? – Australian Institute of Health and Welfare
夜間に動悸が出現するので、眠れない症状が出現することもあります。
診断の方法
安静時の12誘導心電図を行います。発作性のタイプの場合、ホルター心電図検査を行って異常波形を見つけます。
出典:心房細動.com
心臓の状態を調べる必要があり、医師が、心臓超音波検査、血液検査、胸部レントゲン検査などを行い、あなたの不整脈を引き起こす要因がないか調べます。
出典:Atrial fibrillation – British Heart Foundation
合併症について
1.脳梗塞
心房が小刻みで不規則に震えるので、心房内の血液が淀みます。その結果、血栓ができやすくなります。血液の塊が左室、大動脈を通って脳の動脈に運ばれると、脳動脈で閉塞を引き起こします。心原性脳梗塞と呼ばれており、突然死の危険もあります。
2.心不全
心房細動は頻脈の傾向があります。正常の洞調律と比較して、心臓のポンプ機能が低下します。全身への血液の供給がうまくいかなくなるので、心不全が発症します。
出典:不整脈/心房細動について – ジョンソン・エンド・ジョンソン
3.睡眠時無呼吸症候群
心房細動を有する人は、睡眠中のいびき、無呼吸が特徴である閉塞性睡眠時無呼吸の合併が多いことが報告されています。夜間の異常呼吸は予後に影響します。そのため、眠気を訴えないときでも、一度は評価を受けるべきです。
心房細動の人が「いびきをかいていること」を知らずに過ごしていて、睡眠検査を受けて初めて無呼吸の存在に気付いたという症例を経験したことがあります。
治療について
外来で行われる各種の検査と診察によって、高血圧、糖尿病、甲状腺の病気、心臓病などが見つかれば、その治療を優先します。
1.薬物治療
脈拍が速い傾向があるので、心拍数を調節するためのレートコントロールと規則正しく心臓が拍動するように治すリズムコントロールを目的とした薬を用います。
心原性脳梗塞の発症を予防するため、心房で血液が固まるのを防ぐ抗凝固薬を内服します。
2.除細動
心臓に電気ショックをかけて、不整脈を止める方法です。静脈麻酔を用いて、意識がない状態にして電気ショックをかけます。ただし、再発することがあります。
3.アブレーション
不整脈の原因となっている肺静脈の周囲を、複数回、高周波通電します。その結果、心筋組織が焼却されて、熱凝固されます。左心房と肺静脈の電気的に隔離することで、心房細動を根治する方法です。
最近になって、従来の高周波焼却術とは異なる冷凍焼灼術が新しい治療法として、注目されています。クライオアブレーションと呼ばれるもので、バルーンが付いているカテーテルを肺静脈入口部に当て円周状に冷凍凝固させることができます。
4.手術
僧帽弁の病気に合併した心房細動で、心臓手術を行うときに考えます。メイズ手術と呼ばれています。
治療管理については、二つのガイドラインが参考になります。
・欧州心臓病学会
・米国心臓協会/米国心臓病学会
当院は、岐阜エリアにある「カテーテルアブレーションができる病院」に紹介することができます。紹介状が必要なときは、ご相談ください。
予防について
高血圧、糖尿病があると不整脈が発症しやすいので、日頃から血圧と体重のコントロールが大切です。喫煙の習慣があれば、中止してください。アルコールを飲むことで発作が出る人もいるので、その場合は、飲酒を止めてください。
出典:Self-help for atrial fibrillation – Harvard Health
高齢の男性、更年期を迎えた女性は、病気になりやすいので、定期的な健康診断を受けて体調の管理をしましょう。もし、健康診断で心房細動が発見されたら、症状がなくても最寄の循環器内科の診察を受けて下さい。