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単純性いびき症の症状と対策について
単純性いびき症とは
いびきをかいているが、身体に影響を及ぼす無呼吸発作や低酸素血症がなく、眠気も生じない状態があるときに考えられる病名が、単純性いびき症です。
眠っているときに大きないびきで困っている、何とかしたいという相談を受けます。
- 病院で睡眠時無呼吸の検査をして・・・
- 異常はありませんでした。
- 特に眠気があるわけでもないし・・・
- でも、イビキが気になります。
病院を受診しても病名が分からず、治療もされず、有効な対策法をとっていなくて、悩んでいる方はいませんか?
睡眠時無呼吸症候群との違い
1.無呼吸低呼吸指数が低い
単純性いびき症では、1時間当たりの無呼吸と低呼吸の回数が基準値範囲内となっています(成人の場合、AHIが5未満)。
2.低酸素血症がない
睡眠時無呼吸と異なり、体内が酸素不足になることがありません。そのため、健康への影響が少ないです。
3.睡眠への影響がない
酸素不足になるような異常呼吸による覚醒が殆どないので、睡眠の質が低下することはなく、眠気の原因となることはありません。
単純性いびき症がもう少しひどくなると、上気道抵抗症候群と呼ばれます。この場合は、睡眠への影響が出てきます。いびき、努力呼吸による覚醒が多くなるためです。単純性いびき症とは異なり、昼間の眠気が問題となります。
原因について
どんなときに大きなイビキが生じやすいのかという質問を受けますが、睡眠時無呼吸の原因と重複していることが殆どです。
1.鼻の問題
かぜ、花粉症、蓄膿症(慢性副鼻腔炎)、鼻中隔彎曲症(鼻の骨が曲がった状態)などによって、鼻づまりが生じていると、イビキをかきやすいです。
2.喉の問題
口蓋扁桃が腫れている、アデノイド肥大(口呼吸の原因にもなります)があると、喉が狭くなり、いびき呼吸が出現します。
3.体重の増加
食生活、運動不足による体重増加は、首周りに脂肪が沈着するため、気道が狭くなります。メタボリックシンドロームを指摘されていれば注意しましょう。
4.骨格の問題
元々、顎が小さい、特に下の顎が後退している場合、鼻の問題があると、口呼吸になりやすいので、いびきをかく原因になります。
5.嗜好品・薬剤の影響
アルコール、睡眠薬などの服用によって、舌の筋肉が弛緩します。その結果、仰向けの場合、喉の奥に舌が落ち込みやすくなり、気道の狭小化が生じます。
睡眠時無呼吸症候群
昼間の眠気が出てきた、眠っているときに呼吸が何度も止まる、血圧が上がってきたときは、ご注意ください。
さまざまな原因について、メカニズムが解説されています。
肥満症における睡眠時無呼吸症候群の頻度、メタボの合併など。
治療法について
鼻の問題があれば、耳鼻科的な対応をします。点鼻薬、鼻粘膜のアレルギーを抑える薬を用います。鼻呼吸を保つ目的で行います。
体重が増えたときは、ダイエットが中心となります。もちろん運動の習慣も取り入れて、減量することが大切です。
病院で提案できる治療としては、マウスピースがあります。眠っているときに、マウスピースを装着することで、いびきを防止することができます。
鼻や喉の病気が原因になっていて、睡眠時無呼吸があるときは、耳鼻科で手術による治療を検討することもあります。
やせ型の人で、口蓋垂(のどちんこ)が太くて長い、あるいは、軟口蓋低位である場合は、レーザー治療を検討する場合もあります。ただし、鼻づまりがないことを確認しなければなりません。
予防法について
セルフケアで、最も簡単なものは、横向きに寝ること(側臥位の睡眠)です。抱き枕を活用する方もいます。仰向けで眠ると、舌が後方の落ち込みやすいので、注意しましょう。
アルコール摂取を控えることも大切です。飲み会の後にイビキが大きい、晩酌でアルコール量が多いときに問題となる方は、飲酒の習慣を見直してください。
睡眠薬については、担当医にも相談することを勧めます。薬剤の変更、減量などが考えられます。