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脈がとぶ不整脈の特徴について
脈がとぶ不整脈の特徴について
洞結節で規則的に発生する電気が心筋に伝わることで、心臓は収縮しています。期外収縮は、本来の洞調律より早く、洞結節以外の場所から電気の興奮が発生することで拍動が生じる不整脈です。
出典:国立循環器病研究センター
種類について
電気の発生する部位が心房の場合を上室性、心室の場合を心室性と分類されています。
出典:Premature Contractions – American Heart Association
期外収縮が起きる回数については、単発と連発という区別をします。3連発異常をショートランと呼ぶこともあります。
洞調律と期外収縮が交互に出現し、繰り返すときは2段脈と呼びます。一方、2回の洞調律が続いた後に、1回の期外収縮が続くパターンを3段脈と言います。
原因について
期外収縮は、自律神経の乱れによって増えることが知られています。交感神経が亢進する状態になる要因として、運動、カフェイン、ニコチンの影響、メンタル面ではストレス、不安感などがあります。
その他、アルコール、薬剤も関係しています。
注意したいものは、心筋が傷害される病気です。具体的には、狭心症、心筋梗塞、心筋症、心不全、高血圧などの心臓病です。
出典:Premature ventricular contractions – Mayo Clinic
心電図の所見
不整脈の種類 | 波形の特徴 |
---|---|
上室性期外収縮 | P波は確認できないことがありますが、QRS波は幅の狭い正常な波形となります。ただし、心室内変行伝導のときは、脚ブロックに似たQRS幅の広い波形になります。 |
心室性期外収縮 | QRS幅が広い脚ブロックの形態となります。ST部分とT波は、QRS波と逆方向を向きます。期外収縮のあとの休止期が長いことが多いです。 |
期外収縮と心房細動の違い
心房細動では、脈拍の間隔に規則性がありません。心電図所見では、R-R間隔が一定でないこと、そして、基線の不規則に揺れるf波があることが、見分け方の手がかりになります。一方、期外収縮では、正常な洞調律が起こる前に心房あるいは心室由来の早期の心拍が出ます。
症状について
殆どの人は、期外収縮があっても自覚せずに過ごしています。健康診断で心電図検査を受けて、初めて不整脈の存在に気づく方も少なくありません。
外来でどんな症状で困っているか話を聞くと、脈が速くなる、乱れている感じがする、胸の違和感などがあります。
診断の方法
心電図検査を行い、期外収縮の波形を確認します。病院に受診したときに症状がなく期外収縮の記録ができないときは、ホルター心電図検査を行います。日常生活において、期外収縮が起きる回数と時間帯、連発の有無などを評価することができます。
心臓の基礎疾患を調べる目的で、心臓超音波検査を施行することもあります。
出典:Premature Heart Beats – Ohio State Medical Center
治療法について
最初に行うことは、心臓の基礎疾患に対する治療です。この処置によって、期外収縮の回数が減少することもあります。
単発性の期外収縮の場合は、経過観察することが多いです。しかし、あなたが胸に不快な症状を自覚している、あるいは、1日当たりの期外収縮の回数が多いとき、連発の回数が多いときは、抗不整脈薬による治療を検討します。
ホルター心電図の結果をみて、薬を飲み始めるべきか決めます。
予防するためには
日常生活において、アルコール、カフェイン(紅茶、コーヒー、エナジードリンクなど)を摂取する習慣があれば、中止しましょう。これらは、期外収縮を起こす要因になるからです。
食事については、香辛料などを用いた刺激性のある食品も控えてください。
出典:Heart palpitations and ectopic beats – NHS
十分に睡眠がとれていないとき、不眠症が続いているときは、不整脈を起きやすくなります。睡眠不足、睡眠リズムの問題があれば、是正しましょう。