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上気道抵抗症候群の症状とは
上気道抵抗症候群のよくある質問と回答
上気道抵抗症候群とは何ですか?
眠っているときに、上気道の空気抵抗が増大して何度も覚醒が生じます。睡眠が分断化され、昼間の眠気が生じる睡眠時無呼吸症候群の軽症型の病気です。
どんな音が問題になりますか
狭くなった上気道の状態で努力性の呼吸をするため、睡眠中のいびきが問題になります。
出典:Upper airway resistance syndrome – MyHealth.Alberta.ca
原因は何ですか
眠っているときに、胸腔内圧の陰圧が著しく大きくなることで、肺が伸展されます。そして、圧受容体を介して、脳に伝達されることで、覚醒が起きます。
どんな人がなりやすいですか
基本的に、いびき、閉塞型睡眠時無呼吸の原因と同じものです。肥満、顎の骨格、アルコール摂取、薬剤などがあります。
どうやって診断しますか
上気道抵抗症候群は、臨床症状と終夜睡眠ポリグラフ検査の結果を総合して、診断します。正確に評価するには、眠っているときの食道内圧の測定が必要ですが、あまり行われていません。
終夜睡眠ポリグラフ検査の具体的な所見を参考にして診断することが多いです。
- 無呼吸低呼吸指数が5未満である
- 睡眠中の血中酸素レベル低下が軽微である
- 呼吸努力による覚醒に起因する睡眠の分断化
昼間の眠気は、発見の手がかりになります。
睡眠時無呼吸症候群との違い
眠っているときの血中酸素レベル(SpO2)の低下の程度、無呼吸低呼吸指数(AHI)を参考にして、鑑別していきます。
上気道抵抗症候群 | 睡眠時無呼吸 | |
---|---|---|
SpO2の低下 | 殆どない | あり |
AHI | 5/hr未満 | 5/hr以上 |
いびき | 合併することが多い | あり |
日中の眠気 | あり(疲労感) | あり |
睡眠時無呼吸ではないと言われたけど、いびきをかく、昼間の眠気が問題になっているときに考えるべき病気です。
自分でできる対策はありますか
減量、アルコール摂取を控えること、そして、横向きに眠ることを勧めます。
睡眠薬の中には、上気道の筋肉が緩む作用を持っている種類があります。その場合は、主治医と相談して、薬の変更を考えます。
基本的に、いびき対策と同じセルフケアを行います。
どんな治療がありますか
睡眠時無呼吸の対策に準じて、CPAP治療、マウスピース、耳鼻科手術などの方法があります。
出典:Treatment for Upper Airway Resistance Syndrome – Stanford Health Care
国内では、上気道抵抗症候群の診断に対しては、CPAP治療の保険適応はありません。そのため、歯科において、マウスピース作成を相談するケースが多い印象です。
マウスピースは有効ですか
上気道抵抗症候群の治療として、下顎を前方に調整するマウスピースを装着すると、睡眠の質と日中の集中力の改善がみられるだけではなく、うつ症状の程度が軽減することが報告されています。
睡眠呼吸障害は、抑うつ症状の原因になることもあるので、習慣性のいびきがあるときは、早めに診察を受けることが重要です。