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寝姿勢が悪い人に多い睡眠障害
寝相とは
眠っているときの体の格好を意味し、寝姿勢と呼ばれています。健康な人でも、寝ている間に、定期的に寝返りを打つことが普通です。
長時間、体の向きを変えないと、ベッドに接している皮膚の血流が悪くなるので、無意識に体勢を変化させます。
人によって心地よい姿勢が異なるので、寝相の種類はさまざまです。寝姿勢は、大きく分けると、仰向け、横向き、うつ伏せの三つがあります。
寝相が悪い原因
眠っているときに、頻繁に寝返りを打ち、体勢が変わる場合があります。睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類がありますが、寝返りは、ノンレム睡眠のときに生じます。
一般的に、子どもは一晩に何度も寝返りをすることが多いです。養育者からは、「うちの子、ふとんを蹴っ飛ばしたり、ぐるぐる回って、寝相が悪いんです」と言う声をよく聞きます。その理由は、子どもの睡眠周期が40~60分であり、大人の睡眠周期(90~120分)と比べると短いこと、そして、子どものほうがノンレム睡眠の時間が長いことが考えられます。
子どもの場合、脳の発達が成長の途中であるので、寝返りの打ち方が大きくなることも関係しています。
成人と比較すると、子どもは、熱の放散することがうまくいきません。そのため、寝姿勢を変化させることで、深部体温の調節をしています。布団を取る動作も、大人と比べて多くなります。
一方、大人で寝相が悪くなる理由として、どんなものがあるでしょうか。
寝室の環境、温度と湿度が適切ではないこと、寝具が自分の体に合っていないときに、寝相が悪くなります。
持病があり、痛み、痒みがあると、症状を少しでも和らげようとして体の向きを変えようとします。腰痛、関節リウマチなどの病気、アトピー性皮膚炎、皮膚掻痒症などの基礎疾患があると、寝相に影響します。
激しい寝相がある場合に、睡眠の病気が潜んでいる可能性もあるので注意が必要です。特に暴力的な行動がみられるときは、睡眠時随伴症の一種である夢遊病、レム睡眠行動障害などの鑑別が必要になります。
寝相が悪いときに考えるべき睡眠障害
睡眠障害 | 特徴 |
---|---|
睡眠時無呼吸症候群 | 眠っているときに、気道が狭くなったり、閉塞したりすることで、いびき、無呼吸が発生します。酸素不足になるので、努力呼吸が生じて寝相が悪くなります。横向き、うつ伏せが多くなります。 |
レム睡眠行動障害 | 夢を見ているときに、夢の内容に反応して体を動かしてしまう病気(蹴る、殴る)です。夢の内容を演じてしまい、激しい寝言を伴うことが多いです。認知症の初期症状として注目されています。 |
むずむず脚症候群 | 就寝するときに、脚に違和感があり、じっとしていられない症状が現れます。脚の不快感を和らげようとして、眠ってからも脚を頻繁に動かし、寝姿勢が安定しません。寝返りが多くなります。 |
病院に相談するタイミング
寝相が悪いときで、下記の症状があるときは、うまく眠れていない可能性があります。
- 大きないびきをかいている
- 苦しそうな呼吸ををしている
- 寝言が大きい
- 激しく手足を動かす
- うなされる
治療が必要な睡眠障害が潜んでいる可能性があるので、睡眠専門医に相談することを勧めます。
子どもの睡眠時無呼吸があると、どんな寝相になりますか?
気道が狭くなっているので、努力して呼吸するようになります。そのため、仰向けより、横向きになったり、うつ伏せで眠ることが多くなります。横向きで、首を伸展させて、えびぞりの体勢をとることもあります。
寝相を良くする方法
寝室の環境整備を行いましょう。寝相が悪く、ぐっすり眠れていないときは、自分に合った寝具(まくら、ベッド、ふとん)を選ぶことが重要です。
枕の高さは、ベッドマットや敷きふとんと首の角度が約5度となるように調節すると良いと言われています。そして、ベッド、敷きふとんは、柔らかすぎると腰痛の原因になるので、適度に硬いものを選びましょう。
実際に、寝具を販売する店で自分で確かめることが大切です。