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SASを自分の力で改善できるのか?
はじめに
夜中に息苦しさで目が覚める、朝起きても疲れが取れない、日中急に眠くなる悩みを抱えていませんか? もしかしたら、あなたは、睡眠時無呼吸症候群という病気があるかもしれません。
この病気は、寝ている間に呼吸が何度も止まってしまう問題です。大きないびきをかいたり、朝に頭痛が生じたり、胸やけが続いたり、多彩な症状があります。
実は、睡眠時無呼吸症候群を放っておくと、もっと深刻な健康問題につながる可能性がああります。
具体的には、高血圧や心臓病、脳卒中、糖尿病のリスクが高まります。そして、あなたの日常生活にも大きな影響が出てきます。ぐっすり眠れないない状況が続くと、仕事のパフォーマンスが下がったり、運転事故のリスクが高まったり、うつ症状が出たりすることもあるのです。
自分の症状に心当たりはありませんか?
もし、睡眠時無呼吸症候群かもしれないと思ったら、自力で治したいという人も気持ちになるのも無理はありません。
今回のブログ記事では、自己管理の方法をいくつか紹介します。ただし、自己流でやってみても良くならない場合や、症状がひどい場合は、医療機関への受診を勧めます。
自力でSASを改善するための方法について
自分で睡眠時無呼吸症候群に対処するためには、生活習慣の改善、寝姿勢の工夫などがあります。具体的な特徴について、以下に示します。
方法 | 具体的なやり方 |
---|---|
減量 | 体重増加、肥満は、上気道の狭窄を引き起こします。食事、運動によって体重を減らすように努力しましょう。あなたが、いびきをかいていなかった頃の体重が目標です。 |
横向きで寝る | 仰向けで寝ると、重力の影響で舌が後方に落ち込み気道を狭くしたり、塞いだり、睡眠時無呼吸を悪化させます。側臥位によって対処します。抱き枕などを活用しましょう。 |
飲酒を止める | アルコールには、筋肉を弛緩させる作用があります。寝る前にお酒を飲むことで、気道が塞がれやすくなります。寝酒の習慣がある人は、見直しをしましょう。 |
禁煙 | 喫煙によって、上気道の粘膜において慢性炎症が生じます。喫煙歴が長いと慢性閉塞性肺疾患の併発も懸念され、タバコを止めることを勧めます。禁煙外来の活用も一案です。 |
舌のトレーニング | 舌の筋力を強化することで、上気道の開存性を改善させる方法です。舌と口の周りにある筋肉を鍛えるトレーニングとして、あいうべ体操があります。根気よく続けることが大切です。 |
出典:Sleep apnea; Lifestyle and home remedies – Mayo Clinic
セルフケアは、病状の改善において重要な役割を果たします。軽度の閉塞型睡眠時無呼吸には特に効果的です。
自力で改善する前に知っておくべき注意事項
睡眠時無呼吸症候群のセルフケアに取り組もうとしていることは良いことですが、自分だけで対処するときに、注意が必要です。なぜ医師の診察が大切なのか、自力で治すことの限界について、説明します。
医療機関で診察を受けるメリット
病院に行くことの大切さについてお話します。たしかに、自分でできることもたくさんありますが、睡眠専門医の診察を受けることも大切です。なぜなら、病院では終夜睡眠ポリグラフ検査と呼ばれる精密検査を受けることができて、あなたの症状がどのくらい深刻なのか、どんなタイプなのかを正確に調べられるからです。
他のメリットとして、自分では気が付かない睡眠の問題も調べてもらえる利点があります。
症状がひどい場合や、複数の降圧剤を服用してもコントロールが不良な難治性高血圧、心臓病などの持病がある方は、医療機関で受けられるCPAP治療あるいはマウスピースによる治療を検討しましょう。
自己診断の限界を知ること
インターネットや睡眠アプリで調べるのは良いことですが、限られた情報だけで自分の病状を判断するのは危険です。なぜなら、似たような症状を持つ他の病気と間違える可能性があるからです。さらに、自分が思っている以上に、病状が深刻で、早期の治療を要する場合があるからです。
自力で対処しても症状が改善しない、または悪化しているなら、迷わず医療機関を受診することを勧めます。セルフケアと並行して、定期的な健康チェックを受けましょう。
子どものいびきがある場合にも、自力で治すことができますか?
小児の睡眠時無呼吸症候群の原因として、アデノイド肥大あるいは口蓋扁桃肥大が多いことが知られています。耳鼻科による適切な評価と手術適応が必要になることが多く、成長と発達に悪影響を及ぼす危険があるので、医療機関への受診をするべきです。そのような理由から、自力の対処で様子をみることを勧めません。