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睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査【運送業向け】
SAS検診とは何か?
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)の有無や重症度を調べるための検査のことです。運輸業が集団検診として利用することが多く、特に、バス、タクシー、トラックなどの職業ドライバー、鉄道の運転士の安全運転と健康維持のために重要な役割を果たします。
出典:全日本トラック協会
なぜ睡眠時無呼吸症候群の検診が必要なのか?
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まる睡眠障害です。異常呼吸によって眠りが浅くなるので、日中の眠気、集中力の低下を引き起こします。この病気を放置すると、高血圧、心疾患、脳卒中などの発症リスクが高くなります。
運輸業界では、長時間の運転や不規則な勤務体系が多く、居眠り運転事故を防ぐ取り組みをしています。なぜなら、未治療の睡眠時無呼吸症候群があると、車両の走行中にマイクロスリープが現れ、交通事故につながるリスクが高くなるからです。
企業が運転手を事故から守るために、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の集団検診を行っています。会社によっては、定期健康診断にSAS検診を追加している場合もあります。
出典:自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル ~SAS対策の必要性と活用~ -国土交通省自動車局
海外の事例ですが、SASがあるにも関わらず、いびき、眠気について、かかりつけ医に報告しないことが問題になっています。そのため、本人が自覚症状がないという場合でも、スクリーニング検査を推奨しています。職業ドライバーにおいては、日頃からSASの早期発見をしておきたいものです。
出典:Jin J. Screening for Obstructive Sleep Apnea. JAMA. 2022;328(19):1988.
どんな検査機器が使われるのか?
企業が対象となるすべての運転手に対して精密検査を行うと、コストの負担が大きくなります。そのため、在宅で調べられる携帯用の睡眠時無呼吸検査装置が用いられます。アプノモニターと呼ばれています。
アプノモニター | パルスオキシメーター | |
---|---|---|
測定項目 | SpO2、心拍数、いびき、呼吸の状態 | SpO2、心拍数 |
検査結果 | 無呼吸と低呼吸の回数 | 体内の酸素不足の程度 |
解釈 | SASの有無、重症度の診断ができる | SASの疑い、精密検査を要するか分かる |
SASの企業検診のステップについて
企業向けSAS集団検診の一般的な流れを紹介します。
ステップ | 具体的な内容 |
---|---|
1. お申し込み | まず、企業のご担当者様から検診のお申し込みをいただきます。この際、検査を受ける従業員の人数や希望日程などをお知らせください。見積もり、請求書の発行、支払い方法と期限などを相談することができます。 |
2. 検査機器の発送 | お申し込み後、当方から検査機器一式を企業様宛に宅配いたします。簡易検査の測定機器は使いやすい小型のもので、従業員の方々が自宅で簡単に使用できるものです。 |
3. スクリーニング検査の実施 | 企業のご担当者様から従業員の皆様に簡易検査キットを配布していただきます。従業員の方々は、自宅で就寝時にセンサーを装着し、いつも通りお休みいただくだけで検査が完了します。測定は、二晩、お願いします。 |
4. 機器の回収と返送 | 検査終了後、従業員の方々から検査機器を回収していただき、ご担当者様がまとめて宅配便を用いて返却をお願いいたします。返送先の住所が書かれている伝票をお使いください。 |
5. 結果報告 | 検査データを解析後、個人ごとの検査結果レポートを作成し、企業のご担当者様宛に郵送いたします。このレポートには、各従業員のSASリスク評価や、必要に応じて精密検査や治療のコメントが記載されています。 |
6. フォローアップ | 検査結果に基づき、精査あるいは治療を要する従業員には、睡眠の専門医療施設での診察をお勧めします。企業様には、従業員の健康管理や安全運転のための具体的なアドバイスもご提供いたします。 |
費用について
検査の費用、配送費、検査レポートの作成を含んだ1件当たりの料金は以下の通りです。
1. パルスオキシメーター
5,500円(税込)
2. アプノモニター
11,000円(税込)
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