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CPAPをやめるにはどうすればよいか?
CPAPをやめたい
睡眠時無呼吸症候群と診断されてCPAP治療を開始したけど、「いつになったらCPAP治療をやめられるか」という疑問をもっている方がいるかもしれません。
睡眠時無呼吸の原因によって、CPAPから離脱できるか異なります。肥満がある人は、どのくらいの減量が必要になるか目安を知りたいという人います。
このページでは、CPAPのやめ方、代替手段の特徴、やめるタイミングに関する情報を提供します。
CPAPはいつまで続けなくてはならないのですか?
肥満が睡眠時無呼吸の主な原因になっているときは、自分の体重が標準体重近くまで低下するまでCPAP機器を使用することが多いです。
減量の途中で、いびき、無呼吸などの症状がみられなくなったときは、睡眠検査で病状を評価して、CPAP中止すべきかを判断することを勧めます。
病状が改善していないのに、CPAP治療をやめたらどうなるか?
睡眠時無呼吸による影響のため、高血圧、心臓病、脳卒中が発症する危険が高くなります。睡眠の質が悪化するので、昼間の眠気、集中力の低下が再び現れます。その結果、運転事故が起きやすくなります。
睡眠時無呼吸を引き起こしている主な原因が扁桃肥大であれば、手術によって肥大した口蓋扁桃を取り除き気道が広くなると、CPAP治療を止めることができます。ただし、肥満による影響があるときは、減量も必要です。
CPAPをやめた理由
- マスクの装着が困難である
- 鼻づまりがあり、使えない
- マスクがあると眠れない
- 経済的な事情
- 海外赴任のため
- 毎月の通院ができない
- 元々、症状がないので効果を実感できない
- 自己判断で症状が改善したと思った
- 減量がうまくいき重症度が低下した
CPAPをやめるタイミング
睡眠時無呼吸の重症度が低下して、CPAP治療の保険適用を満たさなくなったときは、CPAP中止のタイミングです。具体的には、無呼吸低呼吸指数(AHI)が20未満になったときです。
CPAP離脱をすべきか正確に判定するためには、終夜睡眠ポリグラフ検査による評価が必要です。
一方、顎の形態が睡眠時無呼吸の主要な発症要因になっているときは、CPAP治療を継続することが多いです。ただし、顎矯正手術によって上気道の狭窄が改善されれば、CPAPを中止するタイミングです。
体重の増減によって、睡眠時無呼吸の重症度はどのくらい変化しますか?
体重が10%増加するとAHIが32%増加します。一方、10%の減量によって、AHIは26%減少することが推測されています。
肥満の人がCPAPから離脱するためには
肥満の人は、体重を減らすことがCPAP卒業のために大切です。減量することで上気道の狭窄が解消されるので、睡眠時無呼吸の重症度が低下します。
本人の減量に対する意識、行動の変容によってCPAP離脱に成功した症例が報告されています。
出典:彦坂美保子 他; 2.検査技師がCPAP治療離脱に寄与できた3症例, 日本農村医学会学術総会抄録集 第58回日本農村医学会学術総会 セッションID: 26-10,2020
減量した後、いびきの音が小さくなったり、眠気がなくなったりすることなど、自覚症状が良くなっていれば、病状が改善しているサインかもしれません。CPAP中止が適切であるか客観的な判断をするためには、睡眠検査を受けてください。
病状が改善したときは、減量を続けたまま、口腔内装置への移行、CPAP治療の中止を検討します。
軽症の場合は、アルコール摂取を控えること、横向き睡眠などで対処することもあります。鼻づまりがあれば、鼻腔を拡張するテープを使う方法もあります。
CPAPをやめたときに代わりとなる対処法はありますか
CPAPを使いたくない人にとって、どんな選択肢があるか紹介します。CPAP治療が必要なくなるような減量のほか、興味がある代替手段があれば、かかりつけ医に相談しましょう。
対策 | 特徴 |
---|---|
口腔内装置 | 下顎が後退している顔立ちをしている場合は、マウスピースによって下顎を前方に誘導すると、気道が拡がります。医科から歯科への紹介状が必要です。 |
減量療法 | 食事・運動によって体重を減らすことが中心です。高度肥満症があるときは、食欲抑制剤(マジンドール)の使用、あるいは減量手術を検討します。 |
耳鼻科手術 | 上気道の狭窄を引き起こしている喉あるいは鼻の部位を、手術によって拡大させます。耳鼻咽喉科の診察を受けて、気道の閉塞部位を特定することが重要です。 |
顎矯正手術 | 口腔外科、形成外科で行われる手術です。顎を骨切りすることで、顎を前方に形成して気道を拡げます。術前と術後に矯正歯科による治療管理が必要です。 |
舌下神経電気刺激療法 | 体内にInspireと呼ばれるペースメーカーを挿入する手術を受けます。睡眠中の舌への電気刺激によって、舌根沈下を防ぎます。 |