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睡眠時遊行症について
夢遊病とは
眠っているときに、体の動き、発声、歯軋りなどの異常行動が問題が起きる病気を睡眠障害は、パラソムニアと呼ばれています。
夢遊病は、ノンレム睡眠と呼ばれる深い眠りのときに生じる睡眠障害です。脳が部分的に覚醒しているため、ベッドから起き上がって歩き回る症状が問題となるものです。
原因について
- 睡眠不足
- 生活リズムの乱れ
- 不安とストレス
- アルコールの影響
- 精神安定剤などの薬による副作用
- 発熱を伴う感染症(小児の場合)
- トイレに行きたくなり深睡眠から突然起きる
両親が小児期に夢遊病の症状があった場合、夢遊病が発症しやすいことが分かっています。普段とは異なる環境(合宿、出張のときなど)で眠ると生じることもあります。
睡眠不足の状態で眠りにつくと、深い眠りを取り戻そうとする代償機転がはたき、深い眠りが出やすくなります。その結果、夢遊病のエピソードが起こりやすくなります。
症状の特徴について
一般的に、深い眠りのノンレム睡眠は、睡眠時間の最初から三分の一の時間帯に現れるので、夢遊病も同じ時間帯に出現する傾向があります。小児期に多く出現することが多いです。これは、深いノンレム睡眠の割合が成人より小児のほうが多いからです。
深い眠りのときに生じるため、通常、歩き回ったというエピソードを覚えていないことが殆どです。そのため、家族やパートナーに指摘されて気づくこともあります。
夢遊病の影響として、意識が朦朧として歩き回るので怪我をする危険があります。ぐっすり眠れていないので、翌日の眠気が生じて生活に支障が出ます。そして、本人は「夢遊病の症状が起きたこと」について恥ずかしく思います。
子どもの中には、夜驚症を併発することもあります。
夢遊病の亜型
夜中に起き上がり、無意識に食べる病気です。胃もたれ、逆流性食道炎の症状が併存していることがあります。
若い男性に多いノンレム睡眠中に起きるパラソムニアの一種です。眠っているときの性関連行動が問題となる病気です。
診断の方法
深いノンレム睡眠のときにベッドから起き上がり、半覚醒の状態で歩き回るエピソードがみられること、そして、本人の異常行動に介入しても反応が乏しいことを確認します。通常、本人はエピソードについて思い出すことができません。
医師がこれまでに起きた異常行動の症状を聞き取り、診断を行います。2週間ほど睡眠日誌を記録して、夢遊病が起きる時間、回数などを評価します。
出典:Sleepwalking – Sleep Education by AASM
成人例では、てんかん、閉塞型睡眠時無呼吸、薬剤の副作用などの要因があるかを、担当医が調べます。精査が必要と判断されたときは、終夜睡眠ポリグラフ検査による評価を行います。
レム睡眠行動障害とは
夢の内容に反応して体を動かす、怒鳴る、寝言が大きいときに考える病気です。中高年の世代に発症することが多いです。
ノンレム睡眠からの覚醒障害である錯乱性覚醒の特徴について。
治療法について
一般的には、年齢が上がるにつれて、思春期の頃には、自然にエピソードが少なくなります。家の外に出ることがなく、危険な障害物への衝突がない環境であれば、それほど心配はいりません。
通常は、ベッドに戻ることが多いですが、実際に歩いている場面に出会ったら、覚醒させずに、そっと寄り添い、ベッドに誘導することが大切です。無理に目を覚まそうとすると、混乱したり、癇癪を起こすことになるので注意しましょう。
昼間の活動に支障をきたすような眠気、外出するような行動があれば、薬物による治療を考えます。よく使う薬としては、クロナゼパムがあります。この薬は、てんかん、不安障害にも使われることがありますが、夢遊病に対しては覚醒を抑えることで、異常行動を抑えることができます。
予防法について
1.睡眠不足の解消と規則正しい睡眠リズム
睡眠障害を解消するための基本となるもので、夢遊病のエピソードを減らすことができます。特に小児期では注意したい事項です。
2.アルコールを控える
成人の場合、飲酒により、夜間の異常行動が起きることがあるので、該当するときは対処しましょう。軽症の場合は、アルコール摂取を中止するだけで、症状が治まることもあります。
3.ストレスのコントロール
職場、家庭、プライベートの場面で思い当たることがあれば、問題解決に向けて考えましょう。自分で解決できないときは、周りの助言を求めたり、心療内科・精神科の医師の診察を受けても良いです。