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夢遊病は小児科?精神科?それとも脳神経内科?
夢遊病らしき症状がみられたらどうするか?

夜中に歩き回ったり、突然、ベッドの上に座ったり、話し出したりする様子を見て「夢遊病ではないだろうか?」と心配する人は多いでしょう。
そんなとき、実際に悩むのは「何科に行けばいいのか」という点です。夢遊病は睡眠時随伴症の一種で、睡眠時遊行症とも呼ばれています。子どもに多い睡眠障害ですが、大人においても起こり得ます。
怪我の危険を伴う行動がある場合は、放っておかないで医療機関に相談することが大切です。このページでは大人と子どもに分けて、適切な受診先を解説します。
夢遊病の症状について
夢遊病は、睡眠中に本人が無意識のまま起き上がり歩き回ったり、会話したりする症状が特徴です。本人は、そのようなエピソードを朝になって覚えていないことが多いです。
この睡眠障害はノンレム睡眠のときに起きる異常行動ですが、同じグループにはセクソムニア(睡眠中の性的行動)や睡眠関連摂食障害(無意識に飲食してしまう症状)もあります。これらはいずれも本人にあまり記憶が残らず、家族が発見して初めて気づかれることが多いのが共通点です。
夢遊病と鑑別すべき病気として、レム睡眠行動障害、悪夢障害、てんかんなどがあります。
受診すべきかの判断するための基準としては、症状が頻繁に起こる、異常行動が本人およびベッドパートナーに危険を伴う、本人や家族の生活に支障があるといった場合です。軽症で一時的なものであれば経過観察もありますが、心配なときは早めに医師に相談することが大切です。
子どもの夢遊病:何科に行くべきか?

小児において、夢遊病は発達過程でよく見られる症状です。症状が現れることが多くなる時期は、8~12歳くらいです。多くは成長とともに自然に症状が治っていきます。
出典:健康づくりのための睡眠ガイド 2023 – 厚生労働省
何度もエピソードが起きたり、危険な行動が現れている場合(例えば、家具にぶつかる、家から飛び出す、階段から転落するのような事例)は受診を検討しましょう。
子どもの夢遊病が疑われる場合の相談先として、小児科が適切です。小児科医が、発達の経過、全体の健康状態を確認し、必要に応じて、大学病院、市民病院にある神経小児科や睡眠外来に紹介してくれます。
突然の夜間行動がてんかんなど他の病気と区別しにくいこともあるため、家庭での記録を持参すると診断がスムーズになります。
大人の夢遊病:何科に行くべきか?

成人で発症する夢遊病は小児と比較すると、背景にストレス、薬の影響、アルコール、他の睡眠障害あるいは脳神経の病気が関わっている場合があります。
大人の夢遊病の受診先としては、精神科、脳神経内科が候補です。病院によっては睡眠外来も設けられています。まずは、かかりつけ医の内科で相談し、必要に応じて専門科を紹介してもらう流れがスムーズです。
よくある質問と回答

内科では夢遊病を診てもらえますか?
まずは内科で相談するのも一つの方法です。医師があなたの症状を聞き取り、必要に応じて高次医療施設の脳神経内科や精神科への紹介状を書いてくれます。
睡眠外来はどこにありますか?
大きな病院や大学病院に併設されている場合が多いです。日本睡眠学会の睡眠医療認定一覧のページが参考になります。
脳神経内科と精神科はどう違いますか?
脳神経内科は脳や神経の病気を調べる診療科で、脳波検査などを用いててんかんや神経疾患の鑑別を行います。一方、精神科はうつ病や不安障害といったこころの病気を中心に診ますが、日本ではてんかんを診療している精神科も多くあります。医療施設によって受け入れ体制が異なるため、まずは内科や小児科で相談し、必要に応じて適切な診療科に紹介してもらうのが安心です。