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睡眠中の歯ぎしりの治し方について
歯ぎしりとは
眠っているときに、上下の歯を擦り合わせて音を出す病気を歯ぎしりと言います。
歯ぎしりは口腔習癖の一種で、専門用語としてブラキシズムとも呼ばれています。音の問題だけではなく、歯の損傷、体の病気、睡眠障害を引き起こす原因にもなっています。
日常生活では、夜眠っているときに、歯ぎしりの音で、パートナーが眠れないという問題も起きています。睡眠アプリで記録して、自分の歯ぎしりに初めて気づいて恥ずかしい思いをした人もいます。
歯科に相談する人が多いですが、睡眠外来でも取り扱っています。
夜、眠っているときに歯ぎしりが問題となる病気を睡眠時ブラキシズムと呼びます。睡眠関連運動異常症のカテゴリーに分類されています。
出典:鈴木善貴他 睡眠時ブラキシズムの基礎と再診の捉え方 睡眠口腔医学 2016:3(1):10-21
種類について
歯ぎしりには、3つのタイプがあります。この中で、グラインディングとタッピングは、音を生じるタイプであるので、発見されやすいものです。
一方、クレンチングは、無意識に歯を食いしばるため、本人は気づいていないことも多く、病気の発見が遅れます。
種類 | 特徴 |
---|---|
グラインディング | 上下の歯をギリギリと擦り合わせる |
クレンチング | 上下の歯を強く噛みしめる |
タッピング | 上下の歯をカチカチと鳴らす |
原因について
詳しいメカニズムの解明はされていませんが、日常生活でのストレスなどの精神的な要因があります、昼間、歯を食いしばるときは、極度に集中していること、そして、緊張していることも考えられています。
遺伝性もあり、顎の骨格の形態、および、咬み合わせの問題のため生じる場合があります。
日常生活で、飲酒、喫煙の習慣はありませんか。アルコール、ニコチンの摂取によって、睡眠の質の低下、交感神経の亢進などが生じます。浅い眠りになり、歯ぎしりが生じやすくなります。
その他、病気として、睡眠時無呼吸症候群、逆流性食道炎も、歯ぎしりの症状が出現することがあります。
歯ぎしりの影響
歯ぎしりを治療せずに、長い間、放置すると、さまざまな症状を引き起こします。よくある問題点を解説します。
1.歯の痛みと損傷
度重なる歯の噛みしめによって、歯に負担がかかり、表面にあるエナメル質が摩耗します。治療せずに進行すると、象牙質が露出します。その結果、知覚過敏、疼痛が生じます。
強い力が歯にかかると、歯が割れてしまうこともあります。
2.詰め物がとれる
虫歯の治療をした場所にある、被せ物や詰め物が外れることがあります。さらに、インプラント、セラミックの歯も、ダメージを受けます。
3.顎関節症
何度も強い力が歯にかかり、同時に顎の筋肉を使うため、顎関節に負担がかかります。その結果、食事のとき、咀嚼に合わせて、音が鳴ることがあります。口の開大ができなかったり、顎の痛みを生じます。
4.歯周病
歯の根元に負担がかかるため、歯根部が歯肉から露出しやすくなります。歯と歯肉との間に歯周ポケットが発生しやすく、細菌が繁殖しやすい状態になるので、歯周病が進行します。
5.頭痛と肩こり
顔部にある筋肉を使われるため、側頭筋、咬筋が緊張します。その結果、頭の締めつつけ感、頭痛が生じます。さらに、肩の筋肉も影響するため、肩こりが生じます。
いびき・睡眠障害の合併はありませんか?
歯ぎしりだけではなく、大きないびきをかくときは、睡眠時無呼吸の合併が疑われます。さらに、夜間の寝言、夢の内容に反応して体が動く症状が特徴であるレム睡眠行動障害も併存することがあります。
・歯ぎしりがあれば、睡眠障害の合併に注意する
詳しくは最寄の睡眠外来で相談してください。終夜睡眠ポリグラフ検査によって、評価することができます。
治療方法について
歯ぎしりに気づいたら、まずは、歯科に相談しましょう。日常生活で気になっていることがあり、精神ストレスが関与しているときは、ストレスの解消も大切です。
歯科ではマウスピースを作ることが多いです。眠っているときに、マウスピースを装着することで、歯の損傷を防止します。
いびき対策のマウスピースとの違いは何ですか?
歯ぎしり用は、歯を保護する目的ですが、いびき対策のマウスピースは、下顎を前方に調整するタイプになります。
薬の治療を行うことはありますか?
ジアゼパム、クロナゼパムなどを用いることがあります。