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新型コロナウイルスの不安で眠れない方へ
コロナに関連した不眠とは
新型コロナウイルスの世界的流行のため、計り知れないストレスが私たちにかかっています。そのため、寝付けない、眠っても目が覚めてしまう、眠りが浅いなど、不眠の症状が出る方が増えています。
メンタルヘルス不調(特に、コロナうつ、コロナ不安に伴う)が原因となっている不眠が問題になっています。本稿では、COVID-19のパンデミックに伴う睡眠障害の中の症状として多い、コロナ不眠をテーマに取り扱います。
眠れない原因として考えられるもの何か?
基本的には、ストレスの増大、不安、恐怖、うつ症状に伴う睡眠への影響が多いです。以下、各論を紹介します。
1.健康への影響
高齢者、基礎疾患を持っている人、そして、接客を伴う仕事をしている人は、新型コロナウイルスの感染に罹患するかもしれないという、不安が募ります。
子ども、両親など、家族の健康も心配になります。特に、持病を持っている高齢者を介護している方の心労は、眠れない症状の原因となります。
コロナ病死への恐怖は、眠りに大きく影響しています。
最新のニュースが気になるので、スマホ、テレビでの情報収集が多くなり、心理的に疲れます。さらに、コロナウイルス感染予防に必要な衛生用品(マスク、アルコール消毒など)の確保に労力を使い、コロナ疲れも生じます。
2.仕事への影響
基本的に、人との接触を極力さけるようになったので、経済活動に大きく支障が出ています。企業も規模の縮小を余儀なくされています。
仕事の関係では、在宅ワークへの移行が増え、今までとは違う働き方に戸惑いを感じることがあります。中には苛立ち、焦り、ストレスが生じます。
会社の業績悪化に伴う減給、リストラ、さらに、コロナ倒産による失業も増えてきます。将来に対する見通しができないので、不安、うつ症状の原因となります。
収入の減少は、生活の維持に大きく影響するので、メンタルヘルス不調の不眠が生じます。
3.家庭環境の変化
自治体、企業が、コロナ感染を防ぐために推奨しているテレワーク、在宅勤務が増えています。通勤していた時と比較して、ずっと家にいるので、ストレスの原因となることがあります。
パートナーとの時間が長くなったので関係が良いという人もいますが、一方で、一人の時間が減ったので、ストレスを感じている人もいます。些細なことから、口論になり、コロナ離婚になる危険もあります。
学校も長期で休みになっていることから、育児の負担が増えます。さらに、家庭内で弱い立場の子どもやパートナーに、恐怖、怒りの矛先を向ける人が問題になります(家庭内暴力の問題)。
子どもの教育面も、勉強が順調に行けば良いのですが、学校、塾が休みであると、不安でたまらないという保護者も多くいます。留学を予定していた子どもが延期になるなど、心理的負担は計り知れません。
こういった状況があると、夜になっても眠れない症状が出現して、うつ症状が出る危険があります。
4.プライベート面への影響
普段なら、気の合う友人との外出(旅行、エンターテイメント、旅行など)ができます。しかし、新型コロナウイルス感染症が蔓延しているときは、外出を控えなければなりません。知人とのコミュニケーションが減るので、精神的に参ってしまいます。
ところで、結婚を予定している方では、挙式を行うか、新婚旅行をどうするか、延期すべきか、揉めることがあります。キャンセルするにしても、経済的な負担が増え、余裕がなくなります。お互いが方向性の違いに気づくこともあり、コロナ婚約破棄になることもあります。
すでに結婚している場合は、価値観のずれに気づき離婚になるケースもあります。離婚ストレスの不眠を抱える人が少なくありません。
不眠と不安の関係
終わりが見えない、そして、確実なことが言えない状況から来る不安と恐怖は、睡眠の状態を悪化させ、不眠が発症します。一方、ぐっすり眠れないことが、身体面、活動性の低下だけではなく、精神面に影響します。
不安なことを抱えて寝ようとしても、寝付かれない、途中で目が覚める、眠りが浅くて、翌日、眠いなどの症状が問題になります。中には抑うつ症状が出る人もいます。特に、一人暮らしの老人では孤独感も不眠に関係してきます。
新型コロナウイルス感染症への不安から恐怖感が増えると、悪夢を見る可能性があります。コロナに関係した悪夢障害と言えるかも知れません。
COVID-19に罹患した人では、病状が回復しても、「ぐっすり眠れない」といった睡眠の問題を抱える場合があります。罹患後症状の睡眠障害の可能性があります。
眠れなくてお困りの方へ
眠れない状態が続くと、病気への抵抗力が減るので、病気にかかりやすくなります。そのため、睡眠の状態に異変を感じたら、悪化する前に、病院で診察を受けることが大切です。あなたの困っていることを医療従事者に話して下さい。