- ホーム
- コロナうつと睡眠の影響について
コロナうつと睡眠の影響について
新型コロナのストレスがうつ症状を引き起こします
世界中で、新型コロナウイルスの感染拡大が問題となっています。人から人への感染を防ぐために、外出の自粛、テレワーク、通信機器を使った遠隔の授業など、日頃の生活とは異なるスタイルが急に始まりました。
不安と恐怖の気持ちが強くなる一方で、人のふれあい、直接的なコミュニケーションが減り、孤独感を訴える人も増えています。
先が見えない生活スタイルの変化によるストレスは、私たちの心のエネルギーをすり減らしていきます。その結果、うつ病が発症する危険があります。
新型コロナウイルス感染症が流行を契機として、うつ症状が出現することが、コロナうつと言えるかもしれません。
どんな原因がうつ症状を発症させているか?
新型コロナによる生活の変化(仕事、家庭、プライベートなど)によって発生したストレスが関与しています。その人によって、物事への捉え方(ネガティブな感情)、環境、新たな問題などが重なって生じる可能性があります。
具体的な要因について紹介いたします。
- いつまで続くか見通しがつかない不安
- 自分では解決できない絶望感
- 仕事のやり方に慣れないプレッシャー
- 自粛をしなければならない生活の疲れ
- 孤独感
度重なるストレスが続くと、心に負担となり、コロナうつを生じます。特に、5月と9月は環境の変化が起きやすく心身が適応できないことも多いので、体調を崩しやすくなります。五月病や九月病の症状が重症化すると、うつ病が発症します。
コロナうつになりやすい人とは
1.ニュースの閲覧が多く気にしすぎる人
コロナ関連のニュースは明るいものが少なく、不安や恐怖を感じることが殆どです。ネガティブな情報が多いと、精神に大きなストレスとなります。
2.ストレス発散方法が分からない人
外出できないため、自分が楽しめる機会が少なくなっています。そんなとき、別のストレスを解消する方法が見いだせないと気分が滅入ります。
3.孤独な環境にいる人
1人暮らし、単身赴任で実家に帰れないなど、今までと比較して、人とのふれあい、会話が減ると、精神的に疲れてきます。
4.睡眠リズムが変わった人
在宅勤務に伴い、夜更かしが多くなり、就寝時間と起床時間が変わると体内時計が変調します。そその結果、不眠、睡眠障害が発症し、うつ症状が出現します。
5.嗜好品でストレス解消を試みる人
アルコール、喫煙、カフェインなど、依存性のある嗜好品の消費が普段より多いと、睡眠の質を低下させます。深い眠りが取れないので、精神面に影響します。
6.子育て世代の人
在宅勤務、休校が続くと、自宅での子どもの世話が増えます。家族の助けがあれば良いですが、家事の量が増えること、そして、教育面での不安がストレスとなります。
7.医療・介護関係の人
新型コロナウイルスの診療を行っている医師、看護師、病院の受付、介護職などの医療従事者は、感染する可能性が高い職場で働いているので、プレッシャーになります。
どんな症状が問題になるか
- 気分が落ち込み、やる気が起こらない
- 何事にも興味がなくなる
- 不安と焦りが強い
- 会話に集中できず、内容が頭に入ってこない
- 食欲が低下している
- 体が重い感じがして、だるい
- ぐっすり眠れない
- 朝起きられない
- このまま消えてなくなりたい
睡眠障害の特徴について
眠れないという症状が、コロナうつのサインとなることもあります。寝つきが悪い、眠りが浅い、途中で目が覚める。朝早い時間に目が覚めてしまうという「不眠の悩み」を訴えることがあります。
中には、悪夢を見る人もいます。熟睡できないため、日中の眠気が生じます。眠れないという兆候があったら、すぐに睡眠専門医に相談してください。
治療法について
不安、抑うつ症状、不眠の症状が密接に関わって、こころの状態に影響しているので、抗うつ薬を中心とした投薬治療を行います。不眠の症状に対しては、睡眠薬を用います。
アフターコロナで、通常の仕事に戻ったときに、うつ症状が問題になったときは、十分な休養、休職が必要になります。
予防法について
コロナうつにならないためのヒントを、いくつか紹介します。
- 規則正しい生活を心掛け、日記をつける
- 孤独感の解消のため、知人、家族と連絡を取ってみる
- リラックスできるものを試す(読書、音楽、瞑想など)
- ニュースは信頼できるサイトのみ閲覧する
- 自分が集中できるものを探してみる
- ソーシャルディスタンスを守り、散歩、運動をする