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頭内爆発音症候群が睡眠に及ぼす影響
頭内爆発音症候群の特徴とは
寝入りばなに、突然、頭の中で大きな音が鳴り、目が覚めてしまう睡眠の病気です。通常、痛みは伴いません。パラソムニアと呼ばれる睡眠中に異常行動が出現する睡眠障害です。
原因について
発症の原因は、未だ分かっていません。
覚醒から睡眠に入る移行時間に起きるhypnic jerkと呼ばれる現象があります。hypnic jerkは、寝入りに体がビクッと動くということが特徴です。一方、頭内爆発音症候群では、眠りにつくときに感覚の神経系の働きがうまくいかず、音が鳴ると推察されています。
頭内爆発音症候群の男女比および発症年齢は?
女性に多く発症しますが、年齢は10歳程度の子どもから高齢者まで生じます。平均の発症年齢は58歳と報告されています。
出典:Sleep Education by the AASM
実際に頭内爆発音症候群で悩んでいる人の話を聞くと、何らかの脳の病気、ストレス、薬の副作用、スピリチュアルな要因によって症状が起きていると思っているようです。
出典:Goldsmiths, University of London
どんな症状が問題となるか
頭の中で鳴り響く音の表現は様々です。実際にはあなたの周囲で爆発のような音は生じていないのに、頭の中で爆発音が聞こえるので、幻聴の一種と言えます。患者の中には、脳卒中が発症したのかと思う人がいる一方で、大きな音の耳鳴りと表現する方もいます。
- 突然、大きなチャイムの音がなった
- シンバルのような爆音が生じた
- 砂嵐のような音が出た
- 爆弾の音がして閃光に包まれた
- キーンとした金属音が頭の中で聞こえた
度重なる爆発音のため、不眠が出現します。さらに、頭蓋内で爆音が前触れもなく出現するので、夜に発生する騒音への恐怖と不安を感じることが少なくありません。そのため、精神面への影響も問題になります。
一般的には、数年で頭内爆発音症候群の症状は自然に消退することが多い睡眠時随伴症です。
診断の方法
頭内爆発音症候群は自覚症状によって診断が確定します。具体的には、覚醒から睡眠に移行するときに突然の大きな騒音あるいは頭の中で爆発音が出現すること、そして、爆発音に恐怖を感じて突然目が覚めてしまうが、痛みには伴っていなことが条件です。
出典:Sharpless BA. Exploding head syndrome. Sleep Med Rev. 2014;18:489-93.
病院で診察を受けたいときに、何科を受診すれば良いか?
精神科、心療内科の先生の診察を受けてください。睡眠外来がある病院が目安になります。てんかん発作や幻聴を呈する統合失調症との鑑別も要します。
治療法について
日常生活において、ストレスへの対処、睡眠衛生の徹底などを行います。さらに、他の睡眠障害が見つかれば、その治療を行います。
頭内爆発音症候群の治療管理に関するエビデンスの強い論文発表がないことから、有効な薬物療法は確立されていません。しかし、抗てんかん薬であるクロナゼパムおよびトピラマート、三環系抗うつ薬のアミトリプチリンなどが爆発音症状の改善に役立ったという報告があります。