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マンジャロは睡眠時無呼吸症候群に効果がありますか?
肥満を合併した睡眠時無呼吸症候群では、マンジャロは無呼吸の重症度を改善するエビデンスがあります。
チルゼパチド(商品名:マンジャロ)は、海外のランダム化比較試験(SURMOUNT-OSA)において、肥満を伴う中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群において、無呼吸低呼吸指数(AHI)を有意に低下させました。
誤解しないでもらいたいことは、マンジャロは治る薬ではなく、「背景因子である糖尿病と肥満を改善する治療」であるという点です。

マンジャロを使えばCPAPはやめられますか?
マンジャロはCPAP治療の代替にはならず、自己判断でCPAP治療を中止してはいけません。
これは米国睡眠医学会も示している立場です。SURMOUNT-OSA試験では、CPAP使用中の患者と、CPAPを使用していない患者の両方が対象となっており、マンジャロは併用または補助的な治療として評価されています。
CPAPは装着したその日から無呼吸を物理的に抑える治療であり、マンジャロは体重減少を通じて数か月かけて睡眠時無呼吸の重症度を低下させます。治療の役割がまったく異なるため、置き換えではありません。
出典:What clinicians should know about prescribing tirzepatide for sleep apnea – AASM
マンジャロ治療にかかる費用は高いのか?
CPAP治療中の人でも、2型糖尿病と適切に診断されていれば、マンジャロは保険適用になります。
国内において、マンジャロは2型糖尿病の治療薬として保険収載されています。そのため、閉塞型睡眠時無呼吸でCPAP治療を行っている患者さんであっても、
医学的に妥当な検査と経過に基づいて2型糖尿病と診断されていれば、マンジャロは健康保険を用いて処方ができます。マンジャロを使用する判断基準はあくまで糖尿病がターゲットであることです。
自己負担額は用量にもよりますが、3割負担で数千円〜1万円台が目安です。一方、CPAP療法は保険適用で月額約5,000円前後です。費用だけを見ると高く感じるかもしれませんが、血糖の管理、睡眠時無呼吸症候群の重症度の低下を狙った2つの病気に対する治療管理と考えると、単なる「高額な治療」ではありません。
マンジャロの副作用やデメリットはありますか?
マンジャロの注射を受けることで、吐き気や食欲不振などの消化器症状は一定の頻度で起こります。
マンジャロで最も多い副作用は、吐き気、胃もたれ、下痢、便秘などの消化器症状です。特に治療を始めたとき、そして、用量を増やしたときに出やすいことが分かっています。ただし、少量から段階的に増量することで多くの場合は軽減します。
マンジャロは飲み薬ではなく自己注射による治療であるので、注射が苦手である人にとってはデメリットと言えるかもしれません。
CPAPとマンジャロはどちらが正解ですか?
もし「今ある無呼吸を確実に止めたい」なら、CPAP治療が正解です。
CPAPは即効性がある治療法で、中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群に対して有効です。それに対して、マンジャロは血糖と改善と体重減少を介して、睡眠時無呼吸を改善するため、効果が出るまでに時間がかかります。

肥満を合併した睡眠時無呼吸症候群では、CPAP療法で睡眠中の異常呼吸と低酸素血症を抑えながら、減量(生活指導+必要に応じて薬物治療)を行っていくことを勧めます。
海外の医学研究によれば、マンジャロ注射によって、睡眠の質、生活の質も向上した結果があります。このことは、糖尿病のある肥満者の睡眠時無呼吸症候群の治療戦略に役立つかもしれません。
マンジャロで睡眠時無呼吸症候群は治るのですか?
肥満が引き起こしている睡眠時無呼吸症候群の場合で、体重が十分に減り、AHIが正常化すれば治療終了を検討できます。
海外の医学研究ではAHIの有意な改善が示されていますが、すべての人で正常化するわけではありません。睡眠時無呼吸症候群には顎の形態や上気道の構造といった要因も関わっています。
「体重が減ったから、すぐにCPAPをやめる」のではなく、終夜睡眠ポリグラフ検査を行って、AHI、睡眠構築、血中酸素レベルを確認した上でCPAP治療の中止を判断します。

体重が減れば減るほど無呼吸の症状は改善しますが、効果がはっきりと現れ始めるのは、治療を始めてから約20週目(約5ヶ月)ごろと結論づけている論文があります。いずれにせよ、長期の追跡調査が必要であることは間違いあありません。
CPAPを使っていますが、マンジャロを保険で使える条件は何ですか?
2型糖尿病と診断されていれば、CPAP治療中でもマンジャロは保険適用で使用できます。
日本の保険制度では、マンジャロ(チルゼパチド注射液)は2型糖尿病治療薬として、厚生労働省によって認可されています。そのため、睡眠時無呼吸症候群でCPAP治療を行っているかどうかは、マンジャロの保険適用の可否には関与しません。
判断の軸になるのは、血液検査や診察結果に基づいて、2型糖尿病の確定診断がされているかどうかです。
具体的には、HbA1cや空腹時血糖などの数値、これまでの治療経過、生活習慣などを総合的に評価が必要です。そして、医師が糖尿病の治療管理として、マンジャロが必要と判断した場合に健康保険の適用になります。


