- ホーム
- 睡眠薬ゾピクロンによる不眠症の治療
睡眠薬ゾピクロンによる不眠症の治療
アモバンとは
アモバンは非ベンゾジアゼピン系の薬剤に分類されている睡眠薬です。寝つきが悪い人に対して治療に用いられたり、手術前に麻酔が円滑に行われる目的のために使用されたりします。
アモバンのジェネリック医薬品は、販売されていますか?
国内では、数社の製薬メーカーから発売されています。一般名のゾピクロンに製薬会社の名前が続く形式で呼ばれています。
類薬はありますか?
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬として、ルネスタ、およびマイスリーがあります。
効果について
アモバンの作用機序は、有効成分であるゾピクロンが脳内のベンゾジアゼピン受容体に結合して、抑制性の神経伝達物質であるGABA(γ-アミノ酪酸)を増強します。その結果、催眠と鎮静の作用が発現します。
アモバン(7.5~10mg)の錠剤を服用すると、ゾピクロンが体内で吸収されます。内服してから0.75~1.17時間で最高血中濃度に到達します。そして、3.66~3.94時間(半減期)が経過すると、効果が減弱していきます。
ゾピクロンの用量にもよりますが、作用時間は3~4時間程度と言えます。
国内では、どのような効能に対して保険適用になっていますか?
不眠症、麻酔前投薬です。
薬効を考えると、入眠困難が主体の不眠症に向いている睡眠薬と言えます。
アモバンの強さはどのくらい?
睡眠薬の等価換算表を参照すると、アモバン7.5mgは、ルネスタ2.5mg、マイスリー10mgと同等の強さがあると推定されています。
最高用量で比べると、アモバンは、ルネスタおよびマイスリーよりも力価が高いです。
出典:向精神薬の等価換算 2017 – 日本精神科評価尺度研究会
非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の中では、効き目が強い部類に入ります。
ルネスタはアモバンの改良品ですか?
1980年代に、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬としてアモバンは開発されました。その後、アモバンの化学構造を改良して創薬された薬がルネスタです。
具体的には、アモバンの薬理活性がある光学異性体(S体)を分離して、ルネスタは創薬されました。
アモバンとルネスタはどちらが効果が強いですか?
睡眠薬の等価換算表を使用して、有効成分のゾピクロンとエスゾピクロンの力価を比べると、アモバン7.5mgとルネスタ2.5mgが同等の効果があります。そのため、通常の用量を比較すると、アモバンはルネスタより強い効果があると言えます。
先発品と後発品の価格の比較について
先発品 | 後発品 | |
---|---|---|
アモバン10mg錠 | 15.3円 | 7.3円 |
アモバン7.5mg錠 | 13.6円 | 6.5円 |
アモバンの規格は、7.5mgと10mgの2種類です。先発品をジェネリックにすると、価格は約半分くらい安くなります。
副作用について
アモバンを内服して早く気づく副作用の症状は、苦味です。金属のような味がすると感じたり、翌朝に「口の中が苦い」という訴える人が多いです。睡眠薬の持ち越し効果として、翌朝に眠気が残ること、倦怠感が生じることがあります。
出典:Side effects of zopiclone – NHS
注意すべき副作用として、アモバンを服用すると、もうろう状態、夢遊病のような睡眠時随伴症の症状が出現することがあります。
ハルシオンの副作用と類似しており、一過性の前向性健忘も報告されています。眠りに入る前の記憶がないこと、および途中で目が覚めたときの出来事を覚えていないことがあります。
薬の服用方法について
成人は1回1錠(主成分ゾピクロンとして7.5mg~10mg)を就寝前に内服します。
アモバン7.5mg錠には割線があるので、半錠にすることができます。年齢、症状をみながら適宜減薬します。効果が不十分であるときは、最大量として10mgまで、内服することができます。
処方日数の投与制限ははありますか?
30日分が限度です
注意事項について
アモバンを服用するときは、処方箋に記載されている用量と用法を必ず守ることが大切です。
一般的に、アモバンの服用は短期間に留めることが望ましく、高齢者がアモバンを服薬するときは、副作用が起きやすいので慎重な経過観察を要します。海外では、高齢者において、ゾピクロン3.75mgから開始することが推奨されています。
出典:Zopiclone – Medsafe, Ministry of Health, New Zealand
朝、目覚めたときに眠気が残る人があります。起床してから眠気を催したり、注意力が低下していることがあるので、車両の運転など、危険を伴う機械の操作をしないようにしましょう。
アルコールを摂取すると、中枢神経系への作用が増強し、アモバンの作用が増します。そのため、飲酒を避けてください。
アモバンを長期に服用すると、薬物依存を引き起こすことがあります。医師の診察を受けるときに、不眠症の治療薬の必要性について、適宜検討することが大切です。