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ゾルピデムによる不眠症の治療
マイスリーとは
マイスリーは非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬に分類されている医薬品です。催眠作用があるため、不眠症の治療薬として処方されています。従来のベンゾジアゼピン系の睡眠薬とは異なり、筋弛緩作用が弱いという特徴をもっています。
出典:白川 清治; 睡眠薬酒石酸ゾルピデム(マイスリー錠)の薬理学的特性と臨床効果, 日本薬理学雑誌;119(2):111-118,2002
ジェネリックについて
マイスリーの後発品の名前は何ですか?
国内では、一般名であるゾルピデム酒石酸塩に製薬会社の名前が追記された形式です。
マイスリーの先発品をジェネリックにすると、どのくらい安くなりますか?
マイスリー5mg錠(薬価:27.3円)とゾルピデム酒石酸塩錠5mg錠(薬価:10.1円)を比較すると、17円くらい安くなります。
出典:マイスリーの後発品一覧 – 日本ジェネリック医薬品学会
効果について
マイスリーの薬理作用は、脳内にあるω1(BZD1)受容体に対して選択的な親和性を示し、GABA系の抑制機構を強めるはたらきです。筋弛緩作用は少ないです。
マイスリー(2.5~10mg)を服用すると、有効成分が体内で吸収されてから、0.7~0.9時間で最高血中濃度に到達します。そして、1.78~2.30時間(半減期)経過すると、効果が消失していきます。そのため、作用時間は2~4時間程度と推定されます。
マイスリーは、超短時間型の睡眠薬に分類されています。しかし、薬の効果時間は、年齢、体質によって異なるので注意しましょう。人によっては、翌朝に眠気が残ることがあります。
どのような病気に処方されていますか?
不眠症です。ただし、統合失調症および及び躁うつ病に伴う不眠には除外されています。
中枢神経系の興奮を抑制するため、寝つくまでの時間を短縮させる効果があります。
米国では、どのような病気に適用されていますか?
入眠困難を呈する急性不眠症です。
出典:Ambien (zolpidem tartrate) tablets – FDA
副作用について
深刻な副作用として、健忘、幻覚、抑うつ気分があります。
もうろう状態、睡眠時随伴症の症状、夢遊病が出現することがあります。夜間の異常行動について、記憶がないことが多いです。薬を服用することで、転倒、骨折のリスクが高くなることが報告されており、特に65歳以上では注意が必要です。
マイスリーの連用により薬物依存が起きることがあるので、長期の服薬については担当医とよく相談する必要があります。
薬の服用方法について
1回についてマイスリー5~10mgを、就寝直前に内服します。高齢者は少量から服用することが望ましいです。最大用量は1日当たり10mgです。
マイスリーの錠剤には割線があるので、半分に割ることができます。
注意事項について
マイスリーの服用について、決められた用量と用法を必ず守ることが大切です。薬の過剰摂取をしないでください。
マイスリーのオーバードーズの症状とは?
眠気、昏睡、呼吸抑制、徐脈です。
翌日の運転で注意すべきことは、何ですか?
ゾルピデムを服用してから8時間以内は、車の運転を控えてください。起床時に眠気が残るようであれば、運転を見合わせてください。
出典:Zolpidem: risk of drowsiness and reduced driving ability – GOV.UK
マイスリーを服用しながらのアルコールを摂取することは避けてください。薬の効果が強くなったり、両者への依存が形成される危険があるので注意しましょう。