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腸チフスワクチン|タイフィム ブイアイの予防接種
腸チフスとはどんな感染症か?
腸チフスは、サルモネラ・チフィ(Salmonella Typhi)という細菌によって引き起こされる感染症です。
主に飲食物や水を介して感染します。発熱、頭痛、腹痛、倦怠感、下痢や便秘などの症状が現れ、重症化すると腸穿孔や敗血症のリスクがあります。
衛生環境が不十分な地域、途上国で感染する人が多く、旅行者感染症の一つでもあります。
なぜ腸チフス予防が必要なのか?
腸チフスは、渡航先での医療体制が不十分な地域で感染することが多く、感染した後に早急に治療を受けないと合併症のリスクがあります。
腸チフスワクチンの予防接種によって、その重症化リスクを低下させることができます。長期滞在者や小児、持病を持っている人において、腸チフスは重症化しやすいため、渡航前の備えが大切です。
出典:About Typhoid Fever and Paratyphoid Fever – CDC
腸チフスのリスクが高い国はどこですか?
腸チフスに罹患するリスクが高い国は、南アジア(インド、パキスタン、バングラデシュ)を中心に、東南アジア、アフリカ、中南米などの地域です。つまり、これらの地域に滞在される場合は、予防接種を受けておくと良いでしょう。
腸チフスワクチンの特徴は?
日本で初めて正式に承認された腸チフス用のワクチンとして、タイフィム ブイアイ(Typhim Vi)があります。サルモネラ・チフィ菌(S.typhi)に対するVi多糖体ワクチス抗原を用いた不活化ワクチンです。
2025年6月30日、サノフィ株式会社が、商品名:タイフィム ブイアイ注シリンジとして発売を開始しました。
特徴は以下の通りです。
- 単回の接種で効果が得られます
- 厚生労働省に承認されたワクチンです
- 医薬品副作用被害救済制度の対象
どのくらいの効果があるか?
米国で行われた医学研究では、南アジアへの渡航者を対象に腸チフスワクチンの有効性を評価した結果、発症予防効果は80%(95%CI:66〜89%)と報告されました。特に旅行者に対し、中等度以上の予防効果が示されています。
副反応について
腸チフスワクチンを接種した後に、注射部位の痛み(74%)、筋肉痛(49%)、倦怠感(11.5%)などが比較的よくみられます。重大な副反応としてはアナフィラキシーやショックも稀に報告されていますが、頻度は不明です。副反応の多くは軽度で自然に軽快します。
接種の方法について
通常1回、筋肉注射(0.5mL)で接種します。皮下に注射することもできます。
費用はいくらですか?
接種費用は、12,100円(税込)です。
※健康保険の適用はありません(自由診療)。
ワクチンの取り寄せが必要ですので、事前の支払いが必要です(予約制)。


