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市販の睡眠改善薬が分かります
市販の睡眠薬とは

薬局で買うことができる「睡眠を助ける薬」として、抗ヒスタミン作用のある睡眠改善薬があります。病院で処方される睡眠薬とは異なり、寝つきが悪い、眠りが浅いなどの一時的な不眠の症状で困っているときに使うことができます。
ドラッグストアでは、睡眠改善薬として販売されており、OTC医薬品の一種です。今回は市販の睡眠薬とはどんなものか、睡眠専門医が解説します。
どんな名称の薬がありますか?
ドリエル、リポスミン、ネオデイ、スリーピン、ハイヤスミンA、ナイトテクトなどの種類があります。
どんな成分が薬に入っているのか
有効成分は、塩酸ジフェンヒドラミンです。
効果について

抗ヒスタミン作用があるため、眠気を催す効果があります。通常、塩酸ジフェンヒドラミンとして、25~50mgを用います。
塩酸ジフェンヒドラミンの効果が出るまでに約 30 分かかります。そして、薬剤の特徴として継続的に服用すると体が薬に慣れてしまうことを知っておきましょう。つまり耐性が形成されます。
おすすめの薬はありますか?
ドラッグストアには、ドリエル、ドリエルEX、リポスミン、ハイヤスミンA、ネオデイなどの睡眠改善薬が販売されています。基本的に、有効成分であるジフェンヒドラミン塩酸塩の用量が同じであれば、理論的には同じような効果になります。「どれを選べばいいの?」という疑問に対しては、価格、薬の形状(錠剤あるいはカプセル)、使用感についての口コミを考慮し、薬剤師さんに相談しながら、ご自身に合ったものを見つけていくことが大切です。
よくある副作用
眠気が残る、めまい、口が乾く症状、複視、便秘、そして、泌尿器領域の症状として、排尿困難と尿閉があります。
飲んではいけない人について
眼圧を上げる作用があるので、緑内障がある場合は飲んではいけません。さらに、尿管を収縮させる作用があるので、前立腺肥大があるときは禁忌になります。
注意点について
眠気を催す効果があるので、薬を飲んでいるときは、車両の運転、危険を伴う機械を操作することは厳禁です。
翌朝以降も薬の作用が残ってしまう持ち越し効果があるので、起床時のふらつき、眠気について十分に注意する必要があります。
出典:Sleep aids: Understand options sold without a prescription – Mayo Clinic
高齢者では、記憶障害を引き起こすことがあるので注意しましょう。
出典:Medicines for sleep – MedlinePlus
妊娠している女性は、催奇形性の問題があるので、服用することができません。授乳中の場合は、授乳を中止する必要があります。
アルコールと飲むと作用が強くなるので、飲酒を避けてください。
睡眠改善薬を購入するときは、必ず薬剤師、登録販売者に相談することが大切です。そして、「使用上の注意」を精読して理解することが重要です。
どんなとき医師に相談すべきか
不眠の症状があり、2~3回、薬を飲んでも睡眠の状態が改善しないとき、副作用と思われる症状が発現したときは、薬を中止してください。そして、睡眠専門医による診察を受けてください。